田中ひかる『月経と犯罪』|馬場紀衣の読書の森 vol.16
昨今のジェンダー平等やセクシャリティをめぐる議論は、それに対して好意的であれ否定的であれ、無視できないものとなった。ここ数年、生理ムーブメントとでも呼べるような状況が注目を集めているのも変化のひとつだろう。実際、生理中の、あの「イライラ」は月経(生理)についてほとんど知らない男性でさえ知っているのだ。この期間に、落ちこんだり、涙もろくなったり、甘いものが食べたくなったりすることは、もうずっと女性たちの共通認識だった。とはいえ、歴史のうえで生理がどのように語られ、扱われてきたか