見出し画像

【名言集】光文社新書の「#コトバのチカラ」 vol.148

バックナンバーはこちら


アーサー・ビナード『もしも、詩があったら』

「もしも」の反対語はなにか? どこの辞書にも載っていないが、おそらく「もしも」から最も遠い対極にあるのは、思考停止の「しかたがない」「しょうがない」あたりだろう。あるいは、諦めを含んだ「無理」か。


梅森直之(編著)『ベネディクト・アンダーソン グローバリゼーションを語る』

文化や伝統は、それを共有する者と共有しない者のあいだに境界を引く。グローバル化というゲームを拒絶することは、えてして「オレたち」のルールを絶対化することを招く。


古川修『世界一旨い日本酒』

いい酒、しっかりとした酒、本物の酒は燗冷ましでこそ真価を発揮する。飲みにくい味や香りがすべて姿を消し、旨みだけが残る。いい酒の熟成したものを燗冷ましで飲むと至福が訪れる。ここに、日本酒の復権の鍵が隠されている。


福嶋亮大『感染症としての文学と哲学』

患者の「私」語りの背後には、今やネットの情報空間という「われわれ」がいわば黒子として控えているわけです。「患うこと」にまつわる人間の語りや経験は、見ず知らずの人間の発信する情報と交差しながら、社会化・集団化されているのです。


野村克也『私が選ぶ名監督10人』

監督が使う言葉は、自分の意思を選手に伝達するための「大事な道具」「武器」なのだ。自分の華やかな現役時代など、若手選手は知りもしない。体に染み込んだ野球理論も、響く言葉で表現できなければ指導に生かせない。


丸田勲『江戸の卵は一個四〇〇円!』

長屋の朝食は、炊きたてのほかほかご飯に味噌汁と漬物が定番。納豆は用途が広く、たたいて細かくし、豆腐や菜、薬味を加えて「たたき納豆」にすれば、味噌汁の具になるなどして大いに流行った。納豆は四文(80円)、出来あいのたたき納豆は一人前八文(160円)だった。


好井裕明『「あたりまえ」を疑う社会学』

「聞き取る」という営みは、目の前にいる相手の「生きていた歴史」「いま生きている固有の経験」を知りたく思い、そうした語りを、他でもない目の前にいる自分に語ってほしいと相手に要請することなのである。




この記事が参加している募集

新書が好き

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!

光文社新書ではTwitterで毎日情報を発信しています。ぜひフォローしてみてください!