2022年5月の記事一覧
「おもしろいのだから、多少長くてもかまわないではないか」――エンタメ小説家の失敗学14 by平山瑞穂
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第3章 作品の設計を怠ってはならない Ⅱ「仕切り直し」を図る
結果としては四作目になってしまったものの、僕が『冥王星パーティ』の刊行を通じてもくろんでいたことは、一種の「仕切り直し」にほかならなかった。あまりにも風変わりなデビュー作『ラス・マンチャス通信』のことはひとまず置いておいて、「これからはこの路線で行く」ということを宣言するマニフェスト
作品の設計を怠ってはならない――エンタメ小説家の失敗学13 by平山瑞穂
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第3章 作品の設計を怠ってはならない Ⅰ一枚四〇〇字換算の世界
文芸の世界ではなぜか、原稿ボリュームを表す度量衡として、四〇〇字詰め原稿用紙で何枚分に当たるかという「枚数」が、今もって現役で使われつづけている。
今どき原稿用紙で書いている人なんて、よっぽどご高齢でパソコンのキーボードになじめないような大御所や、特定のこだわりがある書き手以
逃げる編集者たち②――エンタメ小説家の失敗学12 by平山瑞穂
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第2章 功を焦ってはならない Ⅵ〈コラム〉逃げる編集者たち②
「逃げる編集者たち①」はこちら。
しかし、文芸誌等に掲載されるだけで完結する短篇小説ならどうだろうか。それからも原稿料や挿画等の依頼料などの経費は発生するが、一冊の本を出すことに比べれば微々たるものだ。また、文芸誌なら、単発のコラムや書評などの小さなコーナーもある。
文芸誌とい
逃げる編集者たち①――エンタメ小説家の失敗学11 by平山瑞穂
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第2章 功を焦ってはならない Ⅴ〈コラム〉逃げる編集者たち①
うまくいっている――すなわち、小説家が売れているか、売れるかもしれないという期待を出版社側に抱かせることができるかしているかぎり、担当編集者というのは、作家にとって実に頼りになる相棒でありうる。しかし、その前提が崩れるなり、彼らは驚くほど素早く、「逃げる側」に回る。そのことは、小説