森川友義の恋愛学で読みとく「文豪の恋」

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谷崎潤一郎『痴人の愛』を読みとく、マゾヒズムとはまったく異なる視点を提示する #6_1

『痴人の愛』は、谷崎潤一郎が男女の関係を「私小説」ふうに綴った長編小説です。この作品は男女の性格や行動を非常に細かく描写している点で他の小説とは一線を画していて、この観点に立てば近代文学の最高傑作のひとつと言えるでしょう。この連載でもいろいろな名作を見てきましたが、この『痴人の愛』の恋愛心理描写の緻密さは、夏目漱石の『こころ』に匹敵するレベルです。

『痴人の愛』は関東大震災の翌年の1924年から

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