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私の光文社新書

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どんなに些細なことでも、どんなに短い言葉であっても構いません。お手にとったとき役立ったり、感動したり、人生が変わるきっかけになったりした光文社新書の1冊について、ぜひみなさんだけ… もっと読む
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2022年4月の記事一覧

私たちは〝成功〟の最短ルートばかりを探しがちなのかもしれない

私たちは〝成功〟の最短ルートばかりを探しがちなのかもしれない

新入社員の私はただいま研修中。つい先日、先輩記者の森中さんの取材に同行することになりまして、対談のテーマとなる稲田豊史さんの著書『映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ―コンテンツ消費の現在』(光文社新書)を拝読しました。結論からいうとめちゃくちゃ刺さった!!(新入社員・浅井万咲)

私たちは「間」を楽しめない!?私自身は映画を早送りで観たことはない。だが家で映画を観ているとかなりの高頻

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映画批評にみる分断――稲田豊史『映画を早送りで観る人たち』を読んで

映画批評にみる分断――稲田豊史『映画を早送りで観る人たち』を読んで

 映画が好きだ。学生の頃は、よくレンタルビデオ店に通っていた。たしか毎週水曜は旧作5本で1000円とかで、自分なりにどんな作品を組み合わせるか考えるのも楽しかった。
 映画の話も好きだ。映画館で誰かと一緒に観なくても、後日「あのシーンがよかった」「あの俳優の演技がよかった」と話すのは楽しい。だから『シネマこんぷれっくす!』や『木根さんの1人でキネマ』のような映画の話をする漫画も面白い。

 映画が

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【感想】書籍『映画を早送りで観る人たち』

【感想】書籍『映画を早送りで観る人たち』

昨年3月頃、SNS上でバズった現代ビジネスの1本の記事。

映画好きは「何だその鑑賞の仕方は!けしからん!」と怒り、倍速視聴派は「うるせぇ!映画ぐらい好きに見させろ!」と怒り返していた(どっちも私の偏見を含みます)
バズった余波はTwitterに留まらず、長文で意見を述べているブログやそれこそnote記事も少なくなかった。
そんな風に大バズりしたおかげなのか、そこから連載のような形で深掘り記事が書

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働くお母さんのバイブル『育児は仕事の役に立つ』の著者浜屋祐子さんと対談しました。全文公開!

働くお母さんのバイブル『育児は仕事の役に立つ』の著者浜屋祐子さんと対談しました。全文公開!

子育てが楽しくない、自信がない、お母さんをやめたい…、そんなお母さんたちに、ずっとお母さんはスゴイ!を伝えたくて、お母さん業界新聞をつくってきましたが、なかなか伝えきれず…。

そんなときに出会った一冊『育児は仕事の役に立つ』(浜屋祐子・中原淳共著/光文社新書)。読むにつれて、曇っていた視界が、どんどん明るくなってきました。

この本は、働くお母さん、お父さんはもちろん、企業で部下を持つ方、人事部

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備忘録。1

備忘録。1

 本を読んでいる。本をほとんど読んでいなかった時期(月に1・2冊)という時期もあるにはせよ、物心ついた頃から本というものは、身近な存在であった。大学に貼られた「4年間で100冊の本を読みましょう!」なる掲示も「少なくない?」と友達と会話していたような記憶がある。

 ただ、私も読んだ本の内容を忘れるということはよくある。これまでに読んだ本を、読書を管理するアプリなりで記録してはいるのだが、それでも

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山田徹、谷口雄太、木下竜馬、川口成人『鎌倉幕府と室町幕府』

山田徹、谷口雄太、木下竜馬、川口成人『鎌倉幕府と室町幕府』

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」時代考証担当でもある木下氏からいただいた。

かつて木下氏は「およそ研究史の整理とは、先行業績の単なる枚挙ではなく、先人がおかれた時代背景も踏まえつつ、彼らの認識の枠組みや盲点を掴み取ることである」(木下「鎌倉幕府の法と裁判へのまなざし」秋山哲雄, 田中大喜, 野口華世 編『増補改訂新版 日本中世史入門』(勉誠出版、2021年)p.202)と書いていた。1980年代生ま

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