バンクシー表紙

バンクシーは何者? 詐欺師? ビジネスマン?

バンクシーは、いま、世界で最も注目されているアーティストです。

とはいえ、どんな人なのか、どんな作風なのか、どんな活動をしているのか、等々、バンクシーというアーティストの全体像を分かっている人は少ないのではないでしょうか。

私がそうでした。

バンクシーの名が、世界、そして日本で広く知られるようになったのは、次の2つの「事件」です。

1つは、2018年の「シュレッダー事件」

サザビーズのオークションでバンクシーの代表作《風船と少女》が競売にかけられ、約1億5000万円で落札された瞬間、額縁に仕掛けられていたシュレッダーによって裁断された、例の事件です。

この事件は、オークション会社とバンクシーの「やらせ」ではないかと一部ではささやかれているようですが、真相は籔の中です。

もう1つは、2019年1月、東京都・港区の東京臨海新交通臨海線(通称:ゆりかもめ)の日の出駅近くの防潮扉でバンクシーらしき1匹のネズミの絵が見つかった事件です。

きっかけは、小池百合子・東京都知事の写真入りのツイッターの投稿でした。

そして、この騒動をきっかけに、日本中で「バンクシーの作品かもしれない」落書きが次々と「発見」されたのです。


バンクシーとは、いったい何者なのでしょうか?

そんな多くのギモンを解消する本が、当新書から刊行された『バンクシー:アート・テロリスト』(毛利嘉孝:著)です。

バスキアをはじめ、ストリート・アートへの関心が高い今日この頃ですが、ストリート・アートやグラフィティ(落書き)の歴史的文脈を辿るうえでも、本書は多くの示唆に富んでいます。

本書にも出てくる、バンクシーの初監督映画『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』(2010年製作)を先日DVDで観たのですが、こちらも、ストリート・アートの理解の一助になると思います。

「正体不明の匿名アーティスト」の全体像に迫る格好の入門書です。


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