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祝! セコマの惣菜、ウエルシア進出!|パリッコの「つつまし酒」#109

酒飲みの桃源郷たるコンビニ

 その他の都府県民にとってはなじみが薄いけど、北海道民にとってだけものすご〜くおなじみのコンビニチェーンがあるそうです。その名も「セイコーマート」、通称「セコマ」。北海道で創業し、道内でのみかなりのシェアを誇るコンビニチェーンなのだとか。
 飲み友達のライター、スズキナオさんが北海道旅行をした際、頻繁に見かけるこの店が気になり入ってみたところ、「酒飲みにとって最高のコンビニだ!」と歓喜したのだそう。なんでも、オリジナルブランドの飲食品の種類が膨大で、おつまみにちょうどいい小分けパックのお惣菜や、ホットスナック、さらにはオリジナルチューハイにいたるまで、かたっぱしから試していっても一生かかるんじゃないかっていうほどの充実ぶりなのだとか。
 実はそんな話を聞いた後日、埼玉県の大宮駅からさらに埼玉新都市交通伊奈線「ニューシャトル」に乗り換え、わざわざナオさんとふたり、本州にはなぜか埼玉と茨城にしかない希少なセコマのうちのひとつ「さいたま今羽店」に行ってみたことがありました。
 そこで気になるおかずやお酒をあれこれ買いこみ、近くの公園で小さな宴を開いたのですが、その楽しかったこと! 本当に、酒飲みの桃源郷たるコンビニを見つけた! という気がしたのでした。

4年ぶりの再会

 最近、そんなセコマのオリジナル商品が、大手ドラッグストアチェーンの「ウエルシア」に並んでいるという情報を目にしました。なんたる朗報! そういえばしばらく前、地元にあるウエルシアのレイアウトがリニューアルされ、お弁当やお惣菜のコーナーができていた気がする。常にぼーっと生きている僕が気づくはずもないけれど、もしかしてあのなかにセコマの商品もあったのかな? いてもたってもいられなくなった僕は、やりかけの仕事をほっぽりだし、大あわてでウエルシアに向かったのでした。

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久々に会えた! セコマのお総菜

 結論、セコマ商品は確かにありました。いや〜興奮しましたね。以前埼玉で食べた「クリーミーカルボナーラ」に家の近所で再開するなんて。地元を離れ、遠く北海道の地に嫁いでいったと風の噂で聞いた初恋の人(架空)に、なぜか家の近所でばったりと会ってしまった、的な? 「的な?」って言われても困りますよね。
 ともかく、セコマのあの、色とりどりの惣菜たちがずらずら〜っと並ぶ壮観さはないけれども、食品棚のなかにひっそりと、しかし確かに、「クリーミーカルボナーラ」「海老とキャベツの塩焼きそば」「焼き鳥バラエティセット」の3つの商品を確認することができました。4年ぶり! 会いたかった!

自宅でセコマ飲みができる喜び

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セコマ晩酌、開始!

 さっそく家に帰り、それぞれをレンチンしてプレートに盛り合わせます。ちなみに、パスタと焼きそばはどちらも税抜き118円。焼鳥は5本入りで398円。そう、セコマ商品って驚くほどお手頃なんです。特に麺類は、年々食の細くなってきた僕のお昼ごはんなんかには絶妙にちょうどいい量だし、足りない若者はふたつでも3つでも買えばいい。なんたって、3つ買っても354円ですしね。
 で、これらがまた、お世辞抜きでうめ〜んすわ! パスタはゆでおきの伸びきってしまったような食感じゃなく、ちゃんとぷりぷり。そこにベーコンとクリームソースがたっぷりと絡む。焼きそばも同様にもちもち食感の本格派で、海老の香りと油の香ばしさ、キャベツやきくらげの食感と紅ショウガのアクセントが混ざりあい、レモンサワーがすすむすすむ!
 初めて食べた焼鳥もいいですね〜。心地よい弾力がありつつも柔らかい鶏肉、それと大ぶりの豚バラ。どれもきちんと良い肉を使ってるであろうことが良くわかります。

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セコマ晩酌、ふたたび!

 ちなみに翌日、まだまだいてもたってもいられなかった僕は、やりかけの仕事はそのままに、ふたたびウエルシアへ。すると、前日にはなかった単品の「スパイシー焼き鳥」と「たまごと野菜のサンド」を発見。これまたいいラインナップじゃないですか。やるか、今日も、セコマ飲み!
 最近僕、サンドイッチをつまみに飲むのがなんだか妙に好きなんですよね。ふわふわのパンに挟まれた、ジューシーなトマト&シャキシャキレタスのサンド、ゆでたまご&玉子サラダの両方を豪華に使った玉子サンド、それらもすごく美味しかったけど、お酒のつまみとしてはバターの風味がしっかり効いたハムとキュウリのサンドイッチが王者かな。って、それは単に僕の好みの問題ですね。

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スパイシー焼き鳥は4本入りで298円

 スパイシー焼き鳥は、コショウに加えて唐辛子系の辛味も加わり、さらに僕好み。この日はちょっと手をかけ、グリルパンにのせてグリルで温めてみたんですが、表面はカリッと香ばしく肉汁ジューシーで、ちょっと感動しちゃうレベル。時間と体力に余裕のある日は、レンチンよりこっちだな。
 と、家の近所でセコマ惣菜が買えるようになったことは嬉しいものの、人間、一度環境に慣れるとすぐ、さらなる欲が出てきますね。できれば、ほんのりと元祖下町ハイボール風味なオリジナル「長次郎 焼酎ハイボール」の缶も扱ってほしいし、店内で調理する「ホットシェフ」コーナーができたら、嬉しくて泣いちゃうかも。
 ……ていうかもう、近所に1軒できないかな。セコマ。

パリッコ(ぱりっこ)
1978年、東京生まれ。酒場ライター、DJ/トラックメイカー、漫画家/イラストレーター。2000年代後半より、お酒、飲酒、酒場関係の執筆活動をスタートし、雑誌、ウェブなどさまざまな媒体で活躍している。フリーライターのスズキナオとともに飲酒ユニット「酒の穴」を結成し、「チェアリング」という概念を提唱。
2020年9月には『晩酌わくわく! アイデアレシピ』 (ele-king books)、『天国酒場』(柏書房)という2冊の新刊が発売。『つつまし酒 懐と心にやさしい46の飲み方』(光文社新書)、『酒場っ子』(スタンド・ブックス)、『晩酌百景 11人の個性派たちが語った酒とつまみと人生』(シンコーミュージック・エンタテイメント)、漫画『ほろ酔い! 物産館ツアーズ』(少年画報社)、など多数の著書がある。Twitter @paricco


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