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Z世代はどこで広告を見るのか? やはり強いのはあのメディア。最弱は……

光文社新書編集部の三宅です。

下の記事に続き、原田曜平さんの『Z世代 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?』(光文社新書)から内容の一部を紹介します。

今回はZ世代と広告についてです。10代前半から25歳にかけての彼ら/彼女らは、どういう媒体で広告に接触しているのでしょうか?

Z世代と広告

ここでは、Z世代と広告について見ていきたいと思います。

全てのメディアは広告と密接な関係があり、Z世代のメディア生活が変化した、ということは、広告に関する意識や態度も変化しているはずだからです。

加えて、ほとんどのメディアは、自社メディアの広告枠を売ってビジネスをしています。Z世代のメディア生活の実態とともに、自社メディア内の広告が彼らにどれだけ届くのかが最大の関心事である、と言ってよいはずです。

また、様々なメディアに広告を出す広告主の企業も、どのメディアの広告がZ世代に届きやすいかについては大変興味があると思います。

では、Z世代は、それぞれのメディアの広告にどれくらい接しているのでしょうか?

「広告接触率(週1)」という新たな指標

まず、今回新たに作った「広告接触率(週1)」という指標について説明します。これは「利用率」(そのメディアを利用している人の割合)と「利用者ベース広告接触率(週1)」(そのメディアを利用している人のうち、週1回以上そのメディア内の広告に接触する人の割合)を掛けたものです(図4‐37)。

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つまり、そのメディア内に広告を流すと、どれだけの人がその広告に週1回以上接触するか、ということを示す指標です。

ちなみに「利用者ベース広告接触率」とは、そのメディア内で広告を流すと、どれだけそのメディアの利用者に届くか、ということを示しています。「広告接触率」が、そのメディアを利用していない人も含めた全ての人たちを分母にしているのに対し、「利用者ベース広告接触率」はあくまでそのメディアを利用している人だけを分母としたものです。

図4‐38は、メディアごとの「利用率」「利用者ベース広告接触率(週1)」「広告接触率(週1)」の三つの棒グラフを並べたものです。

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これを見ると、Z世代が広告に最も接触するメディア(広告接触率が高いメディア)は、1位テレビCM71・7%、2位YouTube広告62・6%、3位LINE広告54・6%、4位ツイッター広告47・4%、5位インスタグラム広告42・9%であることが分かります。

テレビ広告以外のマスメディア広告は、上位5位には入らず、スマホ第一世代であるZ世代にはYouTube広告やSNS広告が届きやすいことが分かります。

また、テレビとYouTubeはそもそも「利用率」自体が高く、「利用者ベース広告接触率」(そのメディア内で広告に接触する人の割合)も9割近くと高いので、この二つで広告を流すと、多くの若年層に接触されることが分かります。

利用率だけではなく、「広告」というビジネスの領域でも、ことZ世代という視点で見れば、テレビとYouTubeは本気のライバルになりつつあるのです。

本当は広告は見たくないけれど……

長らく広告業界に身を置いてきた人間として、こんなことは言いたくありませんが、多くの人は、本当は広告なんて見たくなく、そのままドラマを見続けたいものです。

ただし、歴史の長いテレビ広告であれば、テレビに広告はつきものだと、ある種の文化・習慣として受け止められている面もある(慣れている)のに対し、まだ歴史の浅いYouTube広告には時に違和感を覚えるZ世代も多いようです。

YouTuberが動画の好きなところに脈略なく広告を入れるケースも多く、Z世代にインタビューをしていると、YouTubeは話の途中でぶちっと切れて広告にいくのが嫌だという声を聞くこともあります。

Z世代の高校生の23・6%、大学生の32・3%、20代社会人の29・3%がYouTube広告を不快と感じており、これは他のメディアより高い数値です。

広告接触率が低いLINE、高いストーリーズ

前述のように、Z世代の9割はLINEを使っており、その利用率は他のメディアに比べて圧倒的なものの、LINE広告はその高い利用率ほどには接触されていません

LINEでは、友達と会話をするチャット機能が最も使われますが、チャット機能を使っていても基本的に広告に接することはありません。フェイスブックのように個人が日記的なものを書き込める「タイムライン」という機能の中で、またはLINE NEWSの中で、広告に触れる設定になっています。この「タイムライン」を利用していない若年層も多い、というのが原因でしょう。

先ほど、若年層の利用者が急増しているモノの一つとして、インスタグラム・ストーリーズを挙げましたが、利用率自体はまだそれほど高くないものの、利用者の多くが広告に接触していることが分かります。

ストーリーズ広告は、友達が投稿したストーリーズを見ていると、いつの間にか広告が表示される仕様になっており、「広告と気づかずについ見てしまう」「さり気なく広告が流れるので、広告を無理矢理見せられている嫌な感じがあまりしない」と言った声がZ世代からは聞かれます。

SNSの中でもよりリアリティ感を覚えやすいTikTokやインスタグラム・ストーリーズに触れることが多くなっているZ世代は、コンテンツのみならず広告にもリアリティを求めるようになっているようです。

「Z世代白書2020」でも「広告臭がする、やらせっぽく感じるものは苦手だ」(Z世代71・9%)、「好きなブランドでも広告っぽいと見たくない」(Z世代38・5%)に対する回答が高い数値になっており、また、「誤魔化しのないリアルなメッセージは信用できる」という質問に対するZ世代の回答の数値は上の世代より高く(Z世代83・0%、25歳以上68・0%)、「作られて完成」された広告に慣れた上の世代と、「リアルと共感」を求めるZ世代の間に大きな差があることが分かりました。

いずれにせよ、Z世代を広告プロモーションのターゲットに設定する場合、マスメディアではテレビ、基本的にはYouTubeやSNSを中心に考えるというのが基本戦略です。(了)




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