昔はこんな駅だった!? カラーで楽しむ60年前の懐かしの全国駅前風景
光文社新書で1年ぶりに続編が登場し、話題沸騰中の、昭和30年代の日本のカラー写真を集めた新刊『続・秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本』。第1弾の新書(382枚)を遙かに超える、544枚の写真が掲載され、内容・ボリュームともにパワーアップしています。
著者のJ・ウォーリー・ヒギンズさんは、米国出身で、日本と日本の鉄道を愛するあまり、日本に移住してしまった、現在92歳の老紳士です。
ここでは、大好評の同書の中から、コラムの一部を特別公開します!
写真と文/J・ウォーリー・ヒギンズ
【コラム:旧駅舎】
駅舎の写真はあまり撮っていない。鉄道ファンではあっても、鉄道建築の専門家ではないからだ。私の関心は常に列車にある。列車の写真を撮るには、どうしても駅に入らなければならない。建物の外ではなく、中にだ。
だから、カメラのフレームに駅舎が入ってくることはあまりなく、結果的に駅舎そのものの写真はほとんどない。
とは言え、奇跡的にフレームの一部に入った、今はなき旧駅舎の姿を、数は少ないながらもご紹介したい。
三ノ宮駅(兵庫県)1964年12月20日
大阪駅(大阪府)1957年10月 右奥に見える駅舎の使用が始まったのは1940年。大阪一帯は激しい空襲にあったが、駅舎自体は破壊されなかった。
札幌駅(北海道)1957年5月23日 奥にある長四角の建物が駅舎だ。
金沢駅(石川県)1957年6月2日 右手奥の白い建物が金沢駅だ。上階には国鉄の事務所が入っていた。
博多駅(福岡県)1959年9月14日 路面電車の奥の緑色の屋根の建物が駅舎。
長崎駅(長崎県)1964年3月16日 大きな三角屋根の駅舎に赤く「長崎駅」の表示が見える。
岡山駅(岡山県)1962年5月20日 右奥に「岡山駅」と書かれた白い建物が見える。
高知駅(高知県)1962年5月26日 ここから、この小さな「特急」国鉄バスで松山まで向かったが、結構な悪路だった。
豊橋駅(愛知県)1964年7月11日 新幹線が通る前の駅の様子。
津駅(三重県)1959年11月26日 ホームには砂利が敷かれ、貨物移動用の勾配がついている。
南橋本駅(神奈川県)1963年9月27日 相模線。この後、駅の脇には一時三菱マテリアルの社屋があったが、現在は住宅地になっている。パステルカラーの待合室。
習志野駅(千葉県)1963年10月12日 新京成電鉄。駅舎自体が一時的なものだったのではないかと思われる。右側の線路だけ、線路の敷石が白くて新しいのは、複線化のために新たに線路を敷設したためだ。右側はホームも新しく、上にはコンクリートミキサーがある。当時、路線拡大に取り組んでいた鉄道会社としては、新しい住民を呼び込もうとしていた。ピンクの駅というのが、住民にアピールする作戦の一環だったかどうかは疑問だが。
沼津駅(静岡県)1957年2月 右側の白い建物が国鉄沼津駅。左側が沼津と三島を結ぶ駿豆電鉄(この後、伊豆箱根鉄道になる)の路面電車の駅だ。
鳴子駅(宮城県)1964年3月16日 蒸気機関車の上を通っている橋が貨物用だったか、乗客用だったか、今となってはわからない。タイムマシンがあれば乗って行って確認したい場所がたくさんある。これもその一つだ。
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全国の旧駅舎のカラー写真、お楽しみいただけましたでしょうか?
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