土と内臓|馬場紀衣の読書の森 vol.62
肉眼では見ることができないというのは、だからといって存在しないわけではなく、見えないというだけで確かにそこにはあるのだ。それはなんてドラマチックで胸の躍ることだろう。海の底、宇宙。行ってみたいけれど行きたくない(なぜなら帰って来ることができないかもしれないので)と思わせる世界の果てがいくつかあって、この度、ここに、土の中が新しく加わったことを報告します。植物について書かれた本を読むたびに、植物の世界は人類が登場するはるか昔から自給していたのだ、という当たり前の事実を、私は新鮮