光文社新書
知的刺激に満ちた必読の新刊「新書」を選び抜いて紹介。あらゆる分野の専門家がコンパクトに仕上げた新書で、多種多彩な世界に「視野」を広げます。
毎月の新刊についての記事をまとめたマガジンです。なお、光文社新書では毎月16〜19日くらいに、5冊前後の新刊を発行しています。
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人生は辛い。未来への不安は消えない。世の中って甘くない。 けれども、そんな日々の中にだって「幸せ」は存在する。 いつでもどこでも、美味しいお酒とつまみがあればいい――。 混迷極まる令和の飲酒シーンに、颯爽と登場した酒場ライター・パリッコが、「お酒にまつわる、自分だけの、つつましくも幸せな時間」について丹念に紡ぐ飲酒エッセイ、待望の連載再開!
数々の極地・僻地に赴き、想像を超える景色に出会ってきたネイチャー・フォトグラファーの上田優紀さん。ときにはエベレスト登山に挑み、ときにはウユニ塩湖でテント泊をしながら、シャッターを切り続けてきました。振り返れば、もう7大陸で撮影してきているかも!? そこで、本連載では上田優紀さんのこれまでの旅で出会った、そして、これからの旅を通して出会う、7大陸の数々の絶景を一緒に見いきます。まだ見ぬ景色を求めて——。いざ出発!
【11/7 19時00分~】 光文社新書『ロジカル男飯』の樋口直哉さんによる講演イベントが、11月7日(木)の19時より紀伊国屋書店新宿本店にて開催されます! 参加無料です!「ロジカル」な料理のお話をぜひ! 詳細はこちら↓ https://store.kinokuniya.co.jp/event/1728374524/
「死にたい」が綴られた143のサイト2023年4月13日午前4時前、制服を着た女子高生2人が手を繋いで裸足で立っている動画がTwitter(X)に配信された。2人が携帯カメラの前に立っている場所は、千葉県松戸市の巨大複合マンション最上階10階のテラス端である。 一人が「怖い、怖いよ」と何度か繰り返すが、もう一人が励ますように「大丈夫。行こう」と言う。そして「せーので行くよ」と叫び、「せーの」の掛け声で2人は後ろ向きに倒れて姿が消える。数秒後に「ドシッ」という地面との衝突音が
1 spring[春]
ゴッホに好きな星はあったのか?オランダ生まれのフィンセント・ファン・ゴッホ(1853ー1890:ファンは苗字の一部なのでファン・ゴッホとするのが正しいが、本書ではゴッホとさせていただく)。フランスのポール・ゴーギャン(1848ー1903)やポール・セザンヌ(1839ー1906)らとともに、ポスト印象派を代表する画家である。 ゴッホといえば、思い浮かぶ絵は《ひまわり》かもしれない。また、《自画像》も有名である。しかし、他にも顕著な特徴を持つ作品をゴッホの絵に見出すことができる
はじめに 「女の子はおとなしくていいよね。男の子は本当に大変だから」 子育てをする親同士の会話で、よく耳にしそうな言葉です。 子どもにかかわるときに、私たちは色々なことの原因を、子どもの性別に求めます。実際には、育てやすい男の子もいれば、手のかかる女の子がいるにもかかわらずです。 これ以外にも、子どもの能力や行動、得意不得意を、性別によって決めてしまう大人の傾向は珍しいものではありません。女の子はピンク色が好きだとか、男の子のほうが数学は得意であるとか、口にしたこ
「ネット世論」は「世論」ではない古代ギリシャ哲学者プラトンの「洞窟の比喩」によれば、人間とは、洞窟の中で暗い壁の方向しか見えないように縛られた囚人のようなものである。洞窟の外では太陽が光り輝いていて、そちらは「イデア」の世界である。ところが、洞窟の中にいる人間は、入ってきた光の影が壁に映るのを見ることしかできない。人間が認識するのは、イデアの「影」の世界にすぎないというのである。 たとえば「完全な正三角形のイデア」は、人間が直接見ることができない洞窟の外にある。人間がいくら
屋台飲みの制約 自分でも知らず知らずのうちに心のなかに蓄積されていって、あるとき一気にそれがあふれ出してしまう現象、人生においてたまにありますよね。 いや、別にそんなに深い話をしたいわけではなくてですね、今まさに僕に起こっているそんなあふれが、ずばり“おだんごへの愛”なんです。 これまでの人生において、ほぼ興味を持ったことがなかった。そりゃあ、食べたことがないわけではない。子供のころなんか特に、親が買ってきてくれたみたらしだんごなんかを食べて「うん、美味なるものである」と
数々の極地・僻地に赴き、想像を超える景色に出会ってきたネイチャー・フォトグラファーの上田優紀さん。ときにはエベレスト登山に挑み、ときにはウユニ塩湖でテント泊をしながら、シャッターを切り続けてきました。振り返れば、もう7大陸で撮影してきているかも!? そこで、本連載では上田優紀さんのこれまでの旅で出会った、そして、これからの旅を通して出会う、7大陸の数々の絶景を一緒に見ていきます。第7回からはアジア大陸編。ヒマラヤで最も美しい山と言われるアマ・ダブラムの登頂を目指します。 最
[読了]音楽をものにしたいと志すも、なかなか上手くいかなった時期、崩れ落ちそうな精神を繋ぎ止める為、すがり付くように大江健三郎を読みあさっていた者としては読まざるを得ない一冊 大江さんの得体の知れない危うさにこれでもか踏み込んだ素晴らしい一冊だった 一昨日は文筆家、昨日はフランス文学研究者と出会い、そして本日こちらを読了。言葉の専門家3名の言葉を通しての深い洞察力、言葉による探究力の凄まじさを知った3日間でした
ワイマル共和政の終焉1934年8月2日、ワイマル憲法下のドイツでは、パウル・フォン・ヒンデンブルク大統領の死去により、アドルフ・ヒトラーに首相権限に加えて大統領権限が委譲された。8月19日に実施された国民投票では、ヒトラーを最高指導者としての「総統(Führer)」と認める賛成票が89.9%(投票率95.7%)で可決された。ここにワイマル共和政は崩壊し、ヒトラーの完全な独裁体制が成立した。 この結果だけを見ると、ドイツ国民は「民主的」な選挙によって「独裁制」を自ら選択したと
台所に立ち続ける90代女性――「しんどくて、ハアッって腰を伸ばしてまた取りかかる」 両親と離れて暮らす娘の立場の3人の女性たちが語る、母親の限界点での状況である。 MAさんの場合、その場に同席した母親が「私は台所仕事もこうやって(炊事場に寄りかかり、料理をする身振り)肘(ひじ)をついてしていました。食事だけは最後まで自分でつくりました。そうやって頑張ってきました」と、言葉を継いだ。 話された内容は、どの話も初めて聞く事実で、90歳を超えた女性たちがそんな状態で家事を担っ
「母さん、水」「ちょっと待ってねえ」 超高齢夫婦の暮らしについて、話を聞くうちにだんだんわかってきたのは、 夫婦二人で家事を分担し、互いに気遣い、配慮し合う夫婦や、夫の定年を機に、夫のための食事づくりをやめる選択をする女性などは、ほんの一部の人にすぎないということだ。 長寿期になっても、多くの夫婦は若い頃からの延長線での暮らしを続けている。 そんな暮らしの女性DIさん(86歳)は言う。夫は90歳だ。 また、娘の立場の女性EKさん(50代)も、実家の両親(父親87歳、母
「人生100年時代」の後半へ 人生100年時代と言われていますが、後半になって焦燥感にかられてきました。インスタを見て、意識高い系や能力開発系のセミナーを見つけるたび、ついクリックしてメルマガ登録したりオンラインセミナーを受けたりしています。 今の自分に足りていないのは、英語力や人前で自分の考えを話すプレゼン能力など……。そこでまず登録したのが「英語で年収1500万円を目指す」という外資系英語力アップスクールのメルマガです。動画を拝見すると有能オーラを放っている日本人女性
60代女性PKさんが姪の立場で関わることになった、叔母夫婦と息子たちの話である。 PKさんが、叔母夫婦に深く関わり始めたのは、叔母が83歳、叔父が91歳のとき。叔母夫婦は、若い頃から続ける社会活動に、80歳を過ぎても参加し続け、料理上手の叔母の自慢は「食事づくりも家事もちゃんとしている」だったという。 60代の息子2人は、県外に住んでいる。PKさんは、叔母が77歳の頃、「もの忘れがあるのでは」と感じたことがあったそうだが、「叔父がしっかりしているので大丈夫だろう」、そう思
いつも、すこしだけ空腹でいるように意識している。一日に三度も食事をする(というのがどうやら一般的らしい)というのがせわしなくて、私はしょっちゅう食事のタイミングをのがしてしまう。だから空腹状態という食べすぎの現代人にはちょうど良い習慣も、健康のため、美容のため、総じては自分のためにしてあげられる「健康的な選択」というよりも、なにしろ生きていくので精一杯なので、ふと気がついた時にはエネルギーが底をついているという状態なのだ。なにか食べなくては、と、とりあえず消化の良いものを選ん
はじめに このままだと、「テロ」が新しい政治参加の手段になってしまうのではないか。 2022年7月、安倍晋三元首相が銃撃され、そのように感じていたところ、嫌な予感は当たった。2023年4月15日、岸田文雄首相(当時)が衆院和歌山1区補選の応援演説会場を訪れた際、演説台に向かって爆発物が投げ込まれた。幸い、大きな事故にはつながらなかったが、危機一髪な状況であった。 報道によれば、当時24歳の容疑者は、日本の被選挙権年齢や供託金の高さに強い不満を持ち、2022年6月に訴訟も起