誰が、なぜ、どのように「小学校受験」を選択しているのか…?? 教育学者が当事者の声を含めリアルに報告|望月由起
はじめに
子どものために「よい教育環境」といわれる場があれば、多くの親はそれを我が子にも与えたいと願うだろう。現代の日本社会では、学歴社会や受験競争の弊害がしばしば指摘される一方で、子どもを育てる当事者目線でみれば、我が子の将来、学力、受験、通塾などは依然として大きな関心事であり、教育費の負担のみならず、生活全般に影響を及ぼしている家庭も少なくない。
近代以降の日本社会は、「業績主義(能力や努力の結果に基づいて、社会的地位や処遇を決定すべきという考え方)」と「職業選択の自由