80代と70代は違う
私は2014年から現在まで10年ほど、隔月で開かれる高齢女性の集い「Hカフェ」に参加し続けている。人数は、参加者の入れ替わりはあるものの、毎回15人ほど。ひとり暮らしの人もいれば、夫婦二人暮らしの人もいる。
初回に70歳前後だった人たちも、すでに80代。そんな変化のなかで、それぞれの「老いの体験」や「倒れたときへの備え」などが語られる。
そのなかでしばしば出るのが、「80代と70代は違う」「〝80歳の壁〟は確かにある」という言葉で始まる、自分の年齢観(感)(「老い観(感)」ともいえる)の変化に関するものである。
70代までは元気高齢者を自負してきた人たちだが、80歳前後からの病気、社会活動からの引退、配偶者の死、などの出来事や生活変化が、体力・気力の低下をもたらし、「老い」への負のスパイラルが進む事実が語られている。
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以上、光文社新書『長寿期リスク――「元気高齢者」の未来』(春日キスヨ著)の序章「進む「超長寿化」と団塊世代の未来」より抜粋してお届けしました。
長年にわたる聞き取りを元に、長寿期在宅高齢者に起こっている問題を丁寧に描きます。
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