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高橋昌一郎の「視野を広げる新書」

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知的刺激に満ちた必読の新刊「新書」を選び抜いて紹介。あらゆる分野の専門家がコンパクトに仕上げた新書で、多種多彩な世界に「視野」を広げます。
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記事一覧

なぜ日本は「詭弁社会」になってしまったのか?|高橋昌一郎【第21回】

「ウソ」と「詭弁」という「二匹の怪物」「【聞かれても答えない国家】国会の答弁拒否。過去最…

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東大入試に「女性枠」を設けるべきか?|高橋昌一郎【第20回】

「アファーマティブ・アクション」の論争私事で恐縮だが、長女が今春から東京大学に進学したば…

光文社新書
2週間前
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なぜ「法の番人」が腐敗してしまうのか?|高橋昌一郎【第19回】

警察・検察・法務省・裁判所の腐敗日本で新たに警察職員となった者は、次の宣誓書を任免権者に…

光文社新書
3週間前
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何が「暗殺」に駆り立てるのか?|高橋昌一郎【第18回】

自殺者の隠れた動機1903年5月21日、飛び級で通常よりも1年以上早く旧制第一高等学校(現在の東…

光文社新書
1か月前
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なぜ「報道の自由」が弾圧されるのか?|高橋昌一郎【第17回】

命を賭けて弾圧と闘うジャーナリスト現在、日本には約800の「記者クラブ」がある。国会や省庁…

光文社新書
1か月前
41

ストレスと戦う「自律神経」とは何か?|高橋昌一郎【第16回】

「ストレス」に晒される人間「見ればただ 何の苦もなき 水鳥の 足に暇なき 我が思いかな」…

光文社新書
1か月前
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なぜ「高学歴難民」が生じるのか?|高橋昌一郎【第15回】

博士課程難民・法曹難民・海外留学帰国難民ミシガン大学大学院に留学していた頃、同期で最も優秀だった院生がジム・ジョイスである。彼は私と同じように学部で数学と哲学を専攻し、10年かけて哲学博士号を取得して、現在はミシガン大学の哲学・統計学の教授になっている。 ミシガンで哲学博士号を取得するためには、11のプログラム・ユニットを完結し、6つの専門分野試験に合格して、博士論文を完成させ、5人の権威者で構成される学位審査試問に合格しなければならない。順調でも8年はかかるカリキュラムで

「国連」で働くとはどのようなことか?|高橋昌一郎【第14回】

世界に羽ばたく国際公務員1917年(大正6年)3月、会員制の経済団体「日本工業倶楽部」が設立さ…

光文社新書
2か月前
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もはや「恋愛結婚」は終焉するのか?|高橋昌一郎【第13回】

「恋愛」と「結婚」の多様化「愛」とは何か。一見身近で誰でも知っている概念のように映るが、…

光文社新書
2か月前
85

なぜ「原爆初動調査」の真実が隠されたのか?|高橋昌一郎【第12回】

「放射性残留物」の隠蔽1942年9月、46歳のレズリー・グローヴス准将が原子爆弾プロジェクトの…

光文社新書
3か月前
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なぜ「高齢女性受刑者」が急増しているのか?|高橋昌一郎【第11回】

「小集団」の中で生きる人々アルカイダのテロリスト数百人を追跡調査した結果、75%は結婚し67%…

光文社新書
3か月前
88

なぜ「新幹線」は世界に誇ることができるのか?|高橋昌一郎【第10回】

「世界で最も安全な高速鉄道」もしパーティが開かれたら、何時に訪問するかという「エスニック…

光文社新書
3か月前
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なぜ日本で「まともな議論」ができなくなったのか?|高橋昌一郎【第9回】

「白黒論法」と「単純化」一般に、物事をはっきりさせるために「白か黒か決着をつけよう」など…

光文社新書
4か月前
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なぜ「失われつつある現場」を撮影するのか?|高橋昌一郎【第8回】

アルベール・カーンとマルグリット・メスプレ読者がパリを訪れることがあったら、ぜひお勧めしたいのが「アルベール・カーン美術館」である。メトロ10番線の終点ポン・ド・サン・クルー駅から地上に出ると、目の前に銀色のアルミニウムのパネルに覆われた現代建築が浮かび上がる。もともとは1990年に「地球映像資料館」として公開されていたカーンの邸宅が、2022年4月に建築家・隈研吾の設計で生まれ変わったばかりである。 カーンは、1860年にアルザスの農村で生まれた。16歳でパリの仕立屋で働