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高橋昌一郎の「視野を広げる新書」

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知的刺激に満ちた必読の新刊「新書」を選び抜いて紹介。あらゆる分野の専門家がコンパクトに仕上げた新書で、多種多彩な世界に「視野」を広げます。
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記事一覧

「政教一致の独裁国家」で庶民はいかに生きるのか?|高橋昌一郎【第43回】

腐敗した政権下における庶民の生活アメリカに留学していた頃、イラン人留学生のパーティに招か…

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なぜ「死にたい」とネットに書き込むのか?|高橋昌一郎【第42回】

「死にたい」が綴られた143のサイト2023年4月13日午前4時前、制服を着た女子高生2人が手を繋い…

光文社新書
12日前
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ネット社会における「世論」とは何か?|高橋昌一郎【第41回】

「ネット世論」は「世論」ではない古代ギリシャ哲学者プラトンの「洞窟の比喩」によれば、人間…

光文社新書
3週間前
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なぜ「ナチズム」が台頭したのか?|高橋昌一郎【第40回】

ワイマル共和政の終焉1934年8月2日、ワイマル憲法下のドイツでは、パウル・フォン・ヒンデンブ…

光文社新書
1か月前
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そもそも「アメリカ大統領」とは何か?|高橋昌一郎【第39回】

巨大国家アメリカの「大統領」2024年11月5日、アメリカ合衆国第47代大統領選挙が行われる。民…

光文社新書
1か月前
33

なぜ「袴田事件」が生じてしまったのか?|高橋昌一郎【第38回】

「冤罪」を生み出す「認知バイアス」終戦直後の日本では荒廃した社会を反映した犯罪が増加し、…

光文社新書
1か月前
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なぜ「経済学」に疑念が生じるのか?|高橋昌一郎【第37回】

「効率性」と「公平性」の二本立て構造読者が小学生だとする。先生が「お楽しみ会」のゲームを2つ提案した。「第1のゲーム」は生徒が各自サイコロを振って、偶数ならばキャンディを貰えるが、奇数ならば何も貰えない。「第2のゲーム」は生徒の中から代表を選び、その代表がサイコロを振って、偶数ならば全員がキャンディを貰えるが、奇数ならば全員が何も貰えない。なお、この代表はくじ引きで選ぶとする。先生が第1と第2のどちらのゲームをやりたいかと尋ねた。読者はどちらを選ぶだろうか? 私の家族に尋ね

「生命誕生」は奇跡なのか、必然なのか?|高橋昌一郎【第36回】

待ち遠しい「ドラゴンフライ計画」「生命の起源」に関しては多種多様な議論があるが、多くのデ…

光文社新書
2か月前
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「デジタル不老不死」は可能か?|高橋昌一郎【第35回】

「マインド・アップロード」!2020年5月、AmazonがSFのコメディ・ドラマ「Upload(日本語版タ…

光文社新書
2か月前
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そもそも「アファーマティブ・アクション」とは何か?|高橋昌一郎【第34回】

「多様性」と「アファーマティブ・アクション」の矛盾「アメリカ合衆国第36代リンドン・ジョン…

光文社新書
3か月前
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なぜ「戦争ミュージアム」に存在意義があるのか?|高橋昌一郎【第33回】

「地図から消された島」毎年春になると旅行社から大学に各種「ゼミ合宿」のパンフレットが送ら…

光文社新書
3か月前
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なぜ「BBCだけ」が伝えてNHKが伝えないのか?|高橋昌一郎【第32回】

不偏不党の「公共放送」の意味1999年から2000年にかけて、『週刊文春』が「芸能界のモンスター…

光文社新書
3か月前
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なぜ「教師の疲弊」が見過ごされているのか?|高橋昌一郎【第31回】

義務教育の現場中学校・高等学校の英語の教員免許を取得した優秀な卒業生がいる。彼女は、東京…

光文社新書
4か月前
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なぜ「オリンピック」が腐敗してしまうのか?|高橋昌一郎【第30回】

オリンピックの魅力と腐敗普段はテレビを見ない私も、オリンピックが始まるとテレビの前から離れられなくなる。1964年の東京オリンピックを見た評論家の小林秀雄は、「こんなに熱心にテレビを見たことは初めてである。オリンピックに特に関心があったわけではなかったのでこれは自分にも意外な事であった。オリンピックと聞いて嫌な顔をしていろいろ悪口を言っていた人も案外テレビの前を離れられないのかも知れない」と語っているが、まさにその通りである。なぜそうなるのか? 小林は『私の人生観』で次のよ