光文社新書

光文社新書の公式noteです。創刊は2001年10月17日。光文社新書の新刊、イベント…

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光文社新書の公式noteです。創刊は2001年10月17日。光文社新書の新刊、イベント情報ほか、既刊本のご紹介や連載をアップしていきます。お気に入りの一冊について書いていただいたnoteを収録するマガジン「#私の光文社新書」では、随時投稿をお待ちしています!

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  • 全文公開【まとめ】

    一冊まるまる公開、もしくは本の一部を全文公開している記事をまとめたマガジンです。すべて無料!

  • 新刊情報【まとめ】

    毎月の新刊についての記事をまとめたマガジンです。なお、光文社新書では毎月16〜19日くらいに、5冊前後の新刊を発行しています。

  • 高橋昌一郎の「視野を広げる新書」

    知的刺激に満ちた必読の新刊「新書」を選び抜いて紹介。あらゆる分野の専門家がコンパクトに仕上げた新書で、多種多彩な世界に「視野」を広げます。

  • 馬場紀衣の「読書の森」

    書物の森は、つねに深いものです。林立する木々のあいだで目移りするうちに、途方に暮れてしまうことも珍しくないでしょう。新刊の若木から、自力では辿り着けない名木まで。日頃この森を渉猟しているライター・馬場紀衣さんの先導に添いながら、「読書の森」の深遠に分け入ってみませんか。

  • 酒場ライター・パリッコの「つつまし酒」

    人生は辛い。未来への不安は消えない。世の中って甘くない。 けれども、そんな日々の中にだって「幸せ」は存在する。 いつでもどこでも、美味しいお酒とつまみがあればいい――。 混迷極まる令和の飲酒シーンに、颯爽と登場した酒場ライター・パリッコが、「お酒にまつわる、自分だけの、つつましくも幸せな時間」について丹念に紡ぐ飲酒エッセイ、待望の連載再開!

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    在宅緩和ケア医が出会った 「最期は自宅で」30の逝き方 (光文社新書)

    髙橋 浩一
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    日本のヴァイオリニスト 弦楽器奏者の現在・過去・未来 (光文社新書 1292)

    本間 ひろむ
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    日本のクラシック音楽は歪んでいる 12の批判的考察 (光文社新書 1290)

    森本 恭正
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    「生命の40億年」に何が起きたのか 生物・ゲノム・ヒトの謎を解く旅 (光文社新書 1291)

    林 純一

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  • 236本

「100歳で食事作り」は宝くじの当たりみたいな人――憧れと現実|『長寿期リスク』春日キスヨ

「100歳でも食事づくり」に感じる憧れと安心 女性が家事役割を担うのが当然、どんなに高齢であっても女性は料理をする力を持ち、喜んでそれを行うものだ、という考えは、社会に満ち満ちている。 テレビ番組などでは、著名人でもない、一般の元気な長寿期女性高齢者が登場する場合、その人の料理能力が「元気さ」を支える原動力であるとして、毎日の献立などとともに紹介されることが多い。 それはたとえば、「○○おばあちゃんのおいしい長生きレシピ」という具合に。 そして、その食材の買い物は他の

80代女性「食事づくり」にともなう数々の困難|『長寿期リスク』春日キスヨ

買い出しから調理まで…高齢者を待ち受けるさまざまな苦労 親・子両世代が別々に暮らす家族が増えるなか、命と暮らしを守るための家事、なかでも食事づくりを、長寿期になっても自分たちでするしかないひとり暮らし、夫婦二人暮らしが増え続けている。 そして、加齢とともに、足腰もまだ丈夫で、車の運転もできた60代や70代前半までには考えてもみなかった食事づくりの困りごとが増えてくる。 70代半ば過ぎから80代半ばまでの女性たちの集まりで、「70代前半ぐらいまでの元気なときには考えてもみ

お盆と正月、結婚式、家族旅行……ハレの日のつき合いだけでは、気づくことができない「親の老い」|『長寿期リスク』春日キスヨ

「元気な頃の親のイメージ」のまま、ハレの日だけのつき合い 親が何らかの支えを必要とする年齢になっていても、離れて住む息子・娘との関係は、親がまだ若く元気だった60代、70代の頃の形にとどまっている。 そういう家族がけっこう多い。なぜだろうか。 知人の50代後半の男性が、「親は80歳過ぎですが、僕が持つ親の年齢イメージは、親が60代ぐらいの元気な頃でフリーズしていますねえ」と語っていた。 都会の大学に進学したのをきっかけに、卒業後もそのまま都会で暮らし、実家に帰るのは盆

80代は70代と違う…80代になってみないとわからないこと|春日キスヨ

80代と70代は違う 私は2014年から現在まで10年ほど、隔月で開かれる高齢女性の集い「Hカフェ」に参加し続けている。人数は、参加者の入れ替わりはあるものの、毎回15人ほど。ひとり暮らしの人もいれば、夫婦二人暮らしの人もいる。 初回に70歳前後だった人たちも、すでに80代。そんな変化のなかで、それぞれの「老いの体験」や「倒れたときへの備え」などが語られる。 そのなかでしばしば出るのが、「80代と70代は違う」「〝80歳の壁〟は確かにある」という言葉で始まる、自分の年齢観

新刊情報【まとめ】

毎月の新刊についての記事をまとめたマガジンです。なお、光文社新書では毎月16〜19日くらいに、5冊前後の新刊を発行しています。

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  • 406本

「100歳で食事作り」は宝くじの当たりみたいな人――憧れと現実|『長寿期リスク』春日キスヨ

「100歳でも食事づくり」に感じる憧れと安心 女性が家事役割を担うのが当然、どんなに高齢であっても女性は料理をする力を持ち、喜んでそれを行うものだ、という考えは、社会に満ち満ちている。 テレビ番組などでは、著名人でもない、一般の元気な長寿期女性高齢者が登場する場合、その人の料理能力が「元気さ」を支える原動力であるとして、毎日の献立などとともに紹介されることが多い。 それはたとえば、「○○おばあちゃんのおいしい長生きレシピ」という具合に。 そして、その食材の買い物は他の

80代女性「食事づくり」にともなう数々の困難|『長寿期リスク』春日キスヨ

買い出しから調理まで…高齢者を待ち受けるさまざまな苦労 親・子両世代が別々に暮らす家族が増えるなか、命と暮らしを守るための家事、なかでも食事づくりを、長寿期になっても自分たちでするしかないひとり暮らし、夫婦二人暮らしが増え続けている。 そして、加齢とともに、足腰もまだ丈夫で、車の運転もできた60代や70代前半までには考えてもみなかった食事づくりの困りごとが増えてくる。 70代半ば過ぎから80代半ばまでの女性たちの集まりで、「70代前半ぐらいまでの元気なときには考えてもみ

お盆と正月、結婚式、家族旅行……ハレの日のつき合いだけでは、気づくことができない「親の老い」|『長寿期リスク』春日キスヨ

「元気な頃の親のイメージ」のまま、ハレの日だけのつき合い 親が何らかの支えを必要とする年齢になっていても、離れて住む息子・娘との関係は、親がまだ若く元気だった60代、70代の頃の形にとどまっている。 そういう家族がけっこう多い。なぜだろうか。 知人の50代後半の男性が、「親は80歳過ぎですが、僕が持つ親の年齢イメージは、親が60代ぐらいの元気な頃でフリーズしていますねえ」と語っていた。 都会の大学に進学したのをきっかけに、卒業後もそのまま都会で暮らし、実家に帰るのは盆

80代は70代と違う…80代になってみないとわからないこと|春日キスヨ

80代と70代は違う 私は2014年から現在まで10年ほど、隔月で開かれる高齢女性の集い「Hカフェ」に参加し続けている。人数は、参加者の入れ替わりはあるものの、毎回15人ほど。ひとり暮らしの人もいれば、夫婦二人暮らしの人もいる。 初回に70歳前後だった人たちも、すでに80代。そんな変化のなかで、それぞれの「老いの体験」や「倒れたときへの備え」などが語られる。 そのなかでしばしば出るのが、「80代と70代は違う」「〝80歳の壁〟は確かにある」という言葉で始まる、自分の年齢観

高橋昌一郎の「視野を広げる新書」

知的刺激に満ちた必読の新刊「新書」を選び抜いて紹介。あらゆる分野の専門家がコンパクトに仕上げた新書で、多種多彩な世界に「視野」を広げます。

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  • 39本

そもそも「アメリカ大統領」とは何か?|高橋昌一郎【第39回】

巨大国家アメリカの「大統領」2024年11月5日、アメリカ合衆国第47代大統領選挙が行われる。民主党候補は副大統領のカマラ・ハリス、共和党候補は元大統領のドナルド・トランプである。アメリカの大統領選挙は、50州とコロンビア特別区の全有権者が予備選で538名の選挙人を選出し、その選挙人による決選投票で過半数270名以上の票を獲得した候補者が大統領に選ばれるという二段階の間接選挙になっている。実際には、すでに40州以上の党勢で勝敗がついているので、ミシガン州やペンシルベニア州とい

なぜ「袴田事件」が生じてしまったのか?|高橋昌一郎【第38回】

「冤罪」を生み出す「認知バイアス」終戦直後の日本では荒廃した社会を反映した犯罪が増加し、刑法犯の認知件数は1948(昭和23)年にピークの160万件に達した。司法では戦前の「自白第一主義」の傾向が続き、被告人の自白調書を根拠に重罪が課されることもあった。 当時の静岡県警察にいたのが、後に「冤罪王」として知られるようになる刑事・紅林麻雄である。彼は難事件を次々と解決する「名刑事」としてその名を日本中に轟かせた。警察上層部から351回も表彰されているというから、呆れる。 実際

なぜ「経済学」に疑念が生じるのか?|高橋昌一郎【第37回】

「効率性」と「公平性」の二本立て構造読者が小学生だとする。先生が「お楽しみ会」のゲームを2つ提案した。「第1のゲーム」は生徒が各自サイコロを振って、偶数ならばキャンディを貰えるが、奇数ならば何も貰えない。「第2のゲーム」は生徒の中から代表を選び、その代表がサイコロを振って、偶数ならば全員がキャンディを貰えるが、奇数ならば全員が何も貰えない。なお、この代表はくじ引きで選ぶとする。先生が第1と第2のどちらのゲームをやりたいかと尋ねた。読者はどちらを選ぶだろうか? 私の家族に尋ね

「生命誕生」は奇跡なのか、必然なのか?|高橋昌一郎【第36回】

待ち遠しい「ドラゴンフライ計画」「生命の起源」に関しては多種多様な議論があるが、多くのデータを検証した結果、時期的には今から約44億年前の地球に最初の生命が誕生したという点でおよその意見が一致している。この時点の原始地球の大気は、主として水素とメタンとアンモニアであり、そこに彗星や小惑星が衝突を繰り返した。とくに水分を含んだ大量の隕石が落下した結果、海が形成されたと考えられている。 1953年、シカゴ大学の化学者スタンリー・ミラーは、水素とメタンとアンモニアを無菌化したガラ

馬場紀衣の「読書の森」

書物の森は、つねに深いものです。林立する木々のあいだで目移りするうちに、途方に暮れてしまうことも珍しくないでしょう。新刊の若木から、自力では辿り着けない名木まで。日頃この森を渉猟しているライター・馬場紀衣さんの先導に添いながら、「読書の森」の深遠に分け入ってみませんか。

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  • 65本

黒の服飾史|馬場紀衣の読書の森 vol.64

毎朝クローゼットから服を選ぶとき、どんなデザインの服を着るかよりも先に私の頭にうかぶのは、何色の服を着るか、だ。それが赤なのか青なのか黄色なのかでその日の気分が決まってしまうので、真剣にならざるをえない。ごく個人的に言って、何色の服を着るかは、これから始まる長い一日をどんな気持ちで迎えるかを決める至極重要な儀式なのである。 他人のクローゼットを片っぱしから開けてまわるなんて失礼なことはできないので、実際のところは分からないのだけれど、想像するに、誰のクローゼットにも必ず一着

股間若衆|馬場紀衣の読書の森 vol.63

信号機も電信柱も看板も街のなかにあるものはすべて街のなかにあるものらしく、その場所に馴染んでいるように見える。晴れの日も曇りでも風が強く吹いていても、そこにあるのが当然という雰囲気でそこにあり、そこにあることで安心感すら与えてくれるものたち。街を街らしくするための小道具はたくさんあるけれど、その中でも裸体彫刻というのは、すこし異質な存在だなと常々思っていた。 それはおそらく、この人たち自身(裸体彫刻)が困っているようにもとぼけているようにも見える表情をしているせいだと思う。

土と内臓|馬場紀衣の読書の森 vol.62

肉眼では見ることができないというのは、だからといって存在しないわけではなく、見えないというだけで確かにそこにはあるのだ。それはなんてドラマチックで胸の躍ることだろう。海の底、宇宙。行ってみたいけれど行きたくない(なぜなら帰って来ることができないかもしれないので)と思わせる世界の果てがいくつかあって、この度、ここに、土の中が新しく加わったことを報告します。植物について書かれた本を読むたびに、植物の世界は人類が登場するはるか昔から自給していたのだ、という当たり前の事実を、私は新鮮

「腹の虫」の研究|馬場紀衣の読書の森 vol.61

「腹の虫がおさまらない」というのは腹が立って仕方がなくて気持ちが昂っている状態をさすのだろうけれど、この場合、興奮しているのは私なのか、それとも腹の中にいる虫のほうなのかどっちだろう。そんなことを考えていると可笑しくなってきて、しまいには笑ってしまうのだけれど、この場合も笑っているのは私ではなくて、腹の中にいる虫だったりするのだろうか。「虫が好かない」とか「虫がいい」とか「虫の知らせ」とか、虫にまつわるいろんな言い回しがあるけれど、一体全体虫って何のこと。それって、どんな虫な

酒場ライター・パリッコの「つつまし酒」

人生は辛い。未来への不安は消えない。世の中って甘くない。 けれども、そんな日々の中にだって「幸せ」は存在する。 いつでもどこでも、美味しいお酒とつまみがあればいい――。 混迷極まる令和の飲酒シーンに、颯爽と登場した酒場ライター・パリッコが、「お酒にまつわる、自分だけの、つつましくも幸せな時間」について丹念に紡ぐ飲酒エッセイ、待望の連載再開!

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  • 188本

夢の牛タン三昧カレー|パリッコの「つつまし酒」#238

牛タンの特別性 前々回のこの連載の冒頭で、僕が吉祥寺の駅前で呆然と立ちつくしていたと書いた理由。それが、最近その存在を知ってどうしても行ってみたくなったある飲食店に足を運んでみたところ、自分のうっかりでランチ営業のラストオーダーがぎりぎり終わっており、入れなかったからだったんですが。  え〜今回、そのお店に無事行くことができました。結果、めちゃくちゃ好きでした。満を持して、ご紹介させてください。  そこというのが、牛タンが売りの店なんです。  牛タンって、うまいですよね。焼肉

スーパー塩辛探訪記|パリッコの「つつまし酒」#237

堂々と宣言できる自分になりたくて 一度はっきりさせちゃったら楽になるんだけどな……。  って思うこと、ありません? あ、いやいや、色恋沙汰の話ではなくてですね、たとえば、自分がいちばん好きなめんつゆ、いちばん好きなそうめん、いちばん好きな牛丼チェーン、とか。  いつも漫然と目についたものを選び、それに対して特に不満も抱かないんだけれども、あれ? 前回すごく美味しいと思ったのってどれだっけ? とたまに感じては、思い出せず、もしかしたら一生をそんな感じで過ごすことになるのかもしれ

四文屋回帰|パリッコの「つつまし酒」#236

「ただいま……」 吉祥寺の駅前で、しばらく呆然と立ちつくしていました。  すごくおもしろそうな飲食店の情報を見つけ、やってきたんですよ。吉祥寺に。この連載のネタにもぴったりだろうと思って。ところがいつもの僕の無計画さで、ランチと夜営業の間の中休みの時間にきてしまったらしく、「すいません、ちょうどラストオーダーが終わってしまったところなんです……」とのこと。  やばい。原稿の締め切りはもう目の前。大急ぎでなにか別のネタを考えないと。なんだかこんなこと前にもあったような気がするん

万能!昆布水|パリッコの「つつまし酒」#235

昆布水初体験 地元で好きなラーメン屋「らぁ麺 和來」の前を通ったら、夏季限定で「冷やし 昆布水 塩らぁ麺」というメニューが出ていたんです。その日は猛暑日で、身体が涼と塩気を欲していたこともあり、自然と店内へ吸い込まれてしまいました。  到着を待つ間、ぼんやりと考えます。僕はそんなにラーメン業界に詳しいほうじゃないけれど、近年やたらと聞くよな、「昆布水」というワード。確か、つけ麺の麺がそれに浸して提供される「昆布水つけ麺」が定番だった気がする。  どれどれ、ちょっとスマホで調