光文社新書

光文社新書の公式noteです。創刊は2001年10月17日。光文社新書の新刊、イベント…

光文社新書

光文社新書の公式noteです。創刊は2001年10月17日。光文社新書の新刊、イベント情報ほか、既刊本のご紹介や連載をアップしていきます。お気に入りの一冊について書いていただいたnoteを収録するマガジン「#私の光文社新書」では、随時投稿をお待ちしています!

マガジン

  • 馬場紀衣の「読書の森」

    書物の森は、つねに深いものです。林立する木々のあいだで目移りするうちに、途方に暮れてしまうことも珍しくないでしょう。新刊の若木から、自力では辿り着けない名木まで。日頃この森を渉猟しているライター・馬場紀衣さんの先導に添いながら、「読書の森」の深遠に分け入ってみませんか。

  • 酒場ライター・パリッコの「つつまし酒」

    人生は辛い。未来への不安は消えない。世の中って甘くない。 けれども、そんな日々の中にだって「幸せ」は存在する。 いつでもどこでも、美味しいお酒とつまみがあればいい――。 混迷極まる令和の飲酒シーンに、颯爽と登場した酒場ライター・パリッコが、「お酒にまつわる、自分だけの、つつましくも幸せな時間」について丹念に紡ぐ飲酒エッセイ、待望の連載再開!

  • 高橋昌一郎の「視野を広げる新書」

    知的刺激に満ちた必読の新刊「新書」を選び抜いて紹介。あらゆる分野の専門家がコンパクトに仕上げた新書で、多種多彩な世界に「視野」を広げます。

  • 七大陸を往く|上田優紀

    数々の極地・僻地に赴き、想像を超える景色に出会ってきたネイチャー・フォトグラファーの上田優紀さん。ときにはエベレスト登山に挑み、ときにはウユニ塩湖でテント泊をしながら、シャッターを切り続けてきました。振り返れば、もう7大陸で撮影してきているかも!? そこで、本連載では上田優紀さんのこれまでの旅で出会った、そして、これからの旅を通して出会う、7大陸の数々の絶景を一緒に見いきます。まだ見ぬ景色を求めて——。いざ出発!

  • 新刊情報【まとめ】

    毎月の新刊についての記事をまとめたマガジンです。なお、光文社新書では毎月16〜19日くらいに、5冊前後の新刊を発行しています。

ウィジェット

  • 商品画像

    在宅緩和ケア医が出会った 「最期は自宅で」30の逝き方 (光文社新書)

    髙橋 浩一
  • 商品画像

    日本のヴァイオリニスト 弦楽器奏者の現在・過去・未来 (光文社新書 1292)

    本間 ひろむ
  • 商品画像

    日本のクラシック音楽は歪んでいる 12の批判的考察 (光文社新書 1290)

    森本 恭正
  • 商品画像

    「生命の40億年」に何が起きたのか 生物・ゲノム・ヒトの謎を解く旅 (光文社新書 1291)

    林 純一

リンク

馬場紀衣の「読書の森」

書物の森は、つねに深いものです。林立する木々のあいだで目移りするうちに、途方に暮れてしまうことも珍しくないでしょう。新刊の若木から、自力では辿り着けない名木まで。日頃この森を渉猟しているライター・馬場紀衣さんの先導に添いながら、「読書の森」の深遠に分け入ってみませんか。

くわしく見る
  • 64本

股間若衆|馬場紀衣の読書の森 vol.63

信号機も電信柱も看板も街のなかにあるものはすべて街のなかにあるものらしく、その場所に馴染んでいるように見える。晴れの日も曇りでも風が強く吹いていても、そこにあるのが当然という雰囲気でそこにあり、そこにあることで安心感すら与えてくれるものたち。街を街らしくするための小道具はたくさんあるけれど、その中でも裸体彫刻というのは、すこし異質な存在だなと常々思っていた。 それはおそらく、この人たち自身(裸体彫刻)が困っているようにもとぼけているようにも見える表情をしているせいだと思う。

土と内臓|馬場紀衣の読書の森 vol.62

肉眼では見ることができないというのは、だからといって存在しないわけではなく、見えないというだけで確かにそこにはあるのだ。それはなんてドラマチックで胸の躍ることだろう。海の底、宇宙。行ってみたいけれど行きたくない(なぜなら帰って来ることができないかもしれないので)と思わせる世界の果てがいくつかあって、この度、ここに、土の中が新しく加わったことを報告します。植物について書かれた本を読むたびに、植物の世界は人類が登場するはるか昔から自給していたのだ、という当たり前の事実を、私は新鮮

「腹の虫」の研究|馬場紀衣の読書の森 vol.61

「腹の虫がおさまらない」というのは腹が立って仕方がなくて気持ちが昂っている状態をさすのだろうけれど、この場合、興奮しているのは私なのか、それとも腹の中にいる虫のほうなのかどっちだろう。そんなことを考えていると可笑しくなってきて、しまいには笑ってしまうのだけれど、この場合も笑っているのは私ではなくて、腹の中にいる虫だったりするのだろうか。「虫が好かない」とか「虫がいい」とか「虫の知らせ」とか、虫にまつわるいろんな言い回しがあるけれど、一体全体虫って何のこと。それって、どんな虫な

チベット高原に花咲く糞文化|馬場紀衣の読書の森 vol.60

森林限界よりも標高の高い場所。冷たく、乾燥したチベット高原に暮らす人々にとってヤクの糞(牛糞)はもっとも重要な生態資源だ。ヒトと動物の暮らしの関係を考えるとき、動物の毛皮や乳や肉が取りあげられることはあっても糞に注目することはそう多くないのではないだろうか。さらにいえば、牛糞の有用性についてこれほど詳しく書いた本というのも珍しいように思う。 この資源の乏しい高冷地において、牛糞の果たす役割は想像以上だ。牛糞なくして人は生き抜けない、と言ってもいい。それほどまでに牛糞は人々の

酒場ライター・パリッコの「つつまし酒」

人生は辛い。未来への不安は消えない。世の中って甘くない。 けれども、そんな日々の中にだって「幸せ」は存在する。 いつでもどこでも、美味しいお酒とつまみがあればいい――。 混迷極まる令和の飲酒シーンに、颯爽と登場した酒場ライター・パリッコが、「お酒にまつわる、自分だけの、つつましくも幸せな時間」について丹念に紡ぐ飲酒エッセイ、待望の連載再開!

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  • 188本

夢の牛タン三昧カレー|パリッコの「つつまし酒」#238

牛タンの特別性 前々回のこの連載の冒頭で、僕が吉祥寺の駅前で呆然と立ちつくしていたと書いた理由。それが、最近その存在を知ってどうしても行ってみたくなったある飲食店に足を運んでみたところ、自分のうっかりでランチ営業のラストオーダーがぎりぎり終わっており、入れなかったからだったんですが。  え〜今回、そのお店に無事行くことができました。結果、めちゃくちゃ好きでした。満を持して、ご紹介させてください。  そこというのが、牛タンが売りの店なんです。  牛タンって、うまいですよね。焼肉

スーパー塩辛探訪記|パリッコの「つつまし酒」#237

堂々と宣言できる自分になりたくて 一度はっきりさせちゃったら楽になるんだけどな……。  って思うこと、ありません? あ、いやいや、色恋沙汰の話ではなくてですね、たとえば、自分がいちばん好きなめんつゆ、いちばん好きなそうめん、いちばん好きな牛丼チェーン、とか。  いつも漫然と目についたものを選び、それに対して特に不満も抱かないんだけれども、あれ? 前回すごく美味しいと思ったのってどれだっけ? とたまに感じては、思い出せず、もしかしたら一生をそんな感じで過ごすことになるのかもしれ

四文屋回帰|パリッコの「つつまし酒」#236

「ただいま……」 吉祥寺の駅前で、しばらく呆然と立ちつくしていました。  すごくおもしろそうな飲食店の情報を見つけ、やってきたんですよ。吉祥寺に。この連載のネタにもぴったりだろうと思って。ところがいつもの僕の無計画さで、ランチと夜営業の間の中休みの時間にきてしまったらしく、「すいません、ちょうどラストオーダーが終わってしまったところなんです……」とのこと。  やばい。原稿の締め切りはもう目の前。大急ぎでなにか別のネタを考えないと。なんだかこんなこと前にもあったような気がするん

万能!昆布水|パリッコの「つつまし酒」#235

昆布水初体験 地元で好きなラーメン屋「らぁ麺 和來」の前を通ったら、夏季限定で「冷やし 昆布水 塩らぁ麺」というメニューが出ていたんです。その日は猛暑日で、身体が涼と塩気を欲していたこともあり、自然と店内へ吸い込まれてしまいました。  到着を待つ間、ぼんやりと考えます。僕はそんなにラーメン業界に詳しいほうじゃないけれど、近年やたらと聞くよな、「昆布水」というワード。確か、つけ麺の麺がそれに浸して提供される「昆布水つけ麺」が定番だった気がする。  どれどれ、ちょっとスマホで調

高橋昌一郎の「視野を広げる新書」

知的刺激に満ちた必読の新刊「新書」を選び抜いて紹介。あらゆる分野の専門家がコンパクトに仕上げた新書で、多種多彩な世界に「視野」を広げます。

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  • 38本

なぜ「袴田事件」が生じてしまったのか?|高橋昌一郎【第38回】

「冤罪」を生み出す「認知バイアス」終戦直後の日本では荒廃した社会を反映した犯罪が増加し、刑法犯の認知件数は1948(昭和23)年にピークの160万件に達した。司法では戦前の「自白第一主義」の傾向が続き、被告人の自白調書を根拠に重罪が課されることもあった。 当時の静岡県警察にいたのが、後に「冤罪王」として知られるようになる刑事・紅林麻雄である。彼は難事件を次々と解決する「名刑事」としてその名を日本中に轟かせた。警察上層部から351回も表彰されているというから、呆れる。 実際

なぜ「経済学」に疑念が生じるのか?|高橋昌一郎【第37回】

「効率性」と「公平性」の二本立て構造読者が小学生だとする。先生が「お楽しみ会」のゲームを2つ提案した。「第1のゲーム」は生徒が各自サイコロを振って、偶数ならばキャンディを貰えるが、奇数ならば何も貰えない。「第2のゲーム」は生徒の中から代表を選び、その代表がサイコロを振って、偶数ならば全員がキャンディを貰えるが、奇数ならば全員が何も貰えない。なお、この代表はくじ引きで選ぶとする。先生が第1と第2のどちらのゲームをやりたいかと尋ねた。読者はどちらを選ぶだろうか? 私の家族に尋ね

「生命誕生」は奇跡なのか、必然なのか?|高橋昌一郎【第36回】

待ち遠しい「ドラゴンフライ計画」「生命の起源」に関しては多種多様な議論があるが、多くのデータを検証した結果、時期的には今から約44億年前の地球に最初の生命が誕生したという点でおよその意見が一致している。この時点の原始地球の大気は、主として水素とメタンとアンモニアであり、そこに彗星や小惑星が衝突を繰り返した。とくに水分を含んだ大量の隕石が落下した結果、海が形成されたと考えられている。 1953年、シカゴ大学の化学者スタンリー・ミラーは、水素とメタンとアンモニアを無菌化したガラ

「デジタル不老不死」は可能か?|高橋昌一郎【第35回】

「マインド・アップロード」!2020年5月、AmazonがSFのコメディ・ドラマ「Upload(日本語版タイトル:アップロード~デジタルなあの世へようこそ~)」を配信して話題になった。2022年3月に「シーズン2」、2023年10月に「シーズン3」が配信されている。 このドラマの舞台はアメリカの未来社会である。主人公ネイサンは、陰謀によって、事故を起こすはずのない自動運転車の事故で重体になる。彼の恋人イングリッドは、ネイサンの人格や記憶を含む「マインド」をホライズン社のコン

七大陸を往く|上田優紀

数々の極地・僻地に赴き、想像を超える景色に出会ってきたネイチャー・フォトグラファーの上田優紀さん。ときにはエベレスト登山に挑み、ときにはウユニ塩湖でテント泊をしながら、シャッターを切り続けてきました。振り返れば、もう7大陸で撮影してきているかも!? そこで、本連載では上田優紀さんのこれまでの旅で出会った、そして、これからの旅を通して出会う、7大陸の数々の絶景を一緒に見いきます。まだ見ぬ景色を求めて——。いざ出発!

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  • 5本

【第5回】〝世界の果て〟を歩く|パタゴニア編(前編)

数々の極地・僻地に赴き、想像を超える景色に出会ってきたネイチャー・フォトグラファーの上田優紀さん。ときにはエベレスト登山に挑み、ときにはウユニ塩湖でテント泊をしながら、シャッターを切り続けてきました。振り返れば、もう7大陸で撮影してきているかも!? そこで、本連載では上田優紀さんのこれまでの旅で出会った、そして、これからの旅を通して出会う、7大陸の数々の絶景を一緒に見ていきます。第5回はパタゴニア。130kmにおよぶトレッキングの最中に、思わぬ出会いがありました。 〝世界の

【第4回】空と大地を満たす那由多の星々|ウユニ塩湖編(後編)

数々の極地・僻地に赴き、想像を超える景色に出会ってきたネイチャー・フォトグラファーの上田優紀さん。ときにはエベレスト登山に挑み、ときにはウユニ塩湖でテント泊をしながら、シャッターを切り続けてきました。振り返れば、もう7大陸で撮影してきているかも!? そこで、本連載では上田優紀さんのこれまでの旅で出会った、そして、これからの旅を通して出会う、7大陸の数々の絶景を一緒に見ていきます。第4回は引き続きウユニ塩湖編。やっとのことでキャンプ地にたどり着いたものの、一向に雨は降らず……。

【第3回】雨季でも干上がったままの天空の水鏡|ウユニ塩湖編(前編)

数々の極地・僻地に赴き、想像を超える景色に出会ってきたネイチャー・フォトグラファーの上田優紀さん。ときにはエベレスト登山に挑み、ときにはウユニ塩湖でテント泊をしながら、シャッターを切り続けてきました。振り返れば、もう7大陸で撮影してきているかも!? そこで、本連載では上田優紀さんのこれまでの旅で出会った、そして、これからの旅を通して出会う、7大陸の数々の絶景を一緒に見ていきます。第3回はアイスランドから舞台を移して南アメリカ大陸のボリビアへ。ウユニ塩湖で驚愕のチャレンジに挑み

【第2回】最終日に現れた夜空を割るオーロラ|アイスランド編(後編)

数々の極地・僻地に赴き、想像を超える景色に出会ってきたネイチャー・フォトグラファーの上田優紀さん。ときにはエベレスト登山に挑み、ときにはウユニ塩湖でテント泊をしながら、シャッターを切り続けてきました。振り返れば、もう7大陸で撮影してきているかも!? そこで、本連載では上田優紀さんのこれまでの旅で出会った、そして、これからの旅を通して出会う、7大陸の数々の絶景を一緒に見いければと思います。第2回はアイスランド編・後編。夜空を覆うオーロラを求めて、極寒の地で耐え忍びます。 待て

新刊情報【まとめ】

毎月の新刊についての記事をまとめたマガジンです。なお、光文社新書では毎月16〜19日くらいに、5冊前後の新刊を発行しています。

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  • 398本

失敗ナシ!ステーキはオーブンで温めてから焼け!|樋口直哉『ロジカル男飯』

ステーキは温度計があれば失敗しない  ステーキの焼き方には様々なアプローチがありますが、ロジカルに考えれば失敗しません。目指す先は一つ。  表面には香ばしい焼き色がつき、中心温度は好みによりますが56℃〜60℃程度を目指し、均一に火を入れるのが目標です。昔、多くの料理本やシェフは肉を調理する最初のステップはまず表面を焼くことと教えてきました。その後、中温度のオーブンに入れ、好みの具合まで火を通すのです。しかし、ここではまったく逆、最後に表面を焼くというアプローチをとっていま

焼き奉行必見!肉を焼くときは「肉汁」を見よ|樋口直哉『ロジカル男飯』

肉汁は中心温度が65℃を超えたサイン  適切に調理された肉はすばらしい料理の主役になります。肉を切ると断面から酸化や乾燥が進み、味わいが落ちるので、調理直前に塊肉から切り出すのが一番です。さて、切った肉をどれくらいまで加熱するか。これが肉料理におけるテーゼです。  安全性を確保しつつ、タンパク質が硬くならない程度に加熱する必要がありますが、豚肉の場合、中心温度で70℃が目安になります。タンパク質の温度が65℃を超すと肉汁の放出がはじまり、さらに長く加熱するとパサパサとした硬

白土三平、つげ義春、吾妻ひでお、諸星大二郎――4人のカリスマの作品と生涯、そして受け継がれた遺伝子|長山靖生

はじめに――神様とカリスマ 本書で取り上げたいのは、白土三平、つげ義春、吾妻ひでお、諸星大二郎の4人だ。 こう並べてみると、すぐに納得する人がいる一方、意外に感じる人もいるかもしれない。 いずれも個性的な作品を描き続けた漫画家で、今も熱狂的なファンを持っている、息の長く魅力的な作家という以外の共通点が思い当たらない人もいるかもしれない。 彼らは漫画というジャンルを超えて、折々の時代の若者文化をリードした漫画家である。 かつて漫画は、望ましくない子どもの娯楽として排撃

料理を「おいしく」する方法がわかる!ロジカルで楽しいレシピ集!

はじめに かつて「男の料理」という言葉がありました。1957年から現在まで放送されている NHK の料理番組『きょうの料理』で『男の料理』というコーナーがはじまったのが 1983 年。このコーナーは後に『男の食彩』(1991 年~ 2000 年)という番組に発展します。プレジデント社が『dancyu』という雑誌を創刊したのは 1990 年。この誌名は「男子厨房に入らず」を転じて「男子も厨房に入ろう」という意味から名付けられました。もちろんそれ以前から「男の料理」という言葉は使