
世界114都市、写真602点収録!! 夜景写真の第一人者による世界の絶景!!
夜景の世界に魅せられ、国内だけではなく海外に足を運ぶようになってから、30年になります。(中略)僕の夜景フォトグラファーとしての活動は、まだ折り返し地点くらいでしょうか。世界中で命の営みが続く限り、地球上から明かりが消えることはないでしょう。この先どれだけの夜景に出会えるかわかりませんが、活動開始から30年という節目に、『世界夜景紀行』をお届けできることを大変嬉しく思います。
夜景写真&夜景評論の第一人者による『世界夜景紀行』が発売を迎えました。世界114都市、写真602点、480ページという圧巻の写真集です。本書の刊行を記念して、本文に掲載された写真を抜粋してお届けいたします。
目次
1 ヨーロッパ
2 中東
3 北アメリカ
4 南アメリカ
5 オセアニア
6 アジア
7 アフリカ
1 ヨーロッパ

フランス南部に位置する港湾都市マルセイユは、プロヴァンス地方の中心都市。
旧港北側の高台からは、丘の上で輝くノートルダム・ド・ラ・ギャルド・バジリカ聖堂と、
港に係留された多くのヨットが望める。
(2024年5月撮影)

160本以上の運河を持つオランダの首都アムステルダム。
滞在から3日目、アムステル川沿いの遊歩道からムントの塔を望むと、
夕暮れの美しいシークエンスに出会えた。
クルーズ船から眺めるマジックアワーも格別だろう。
(2017年3月撮影)

アンドラ公国はスペインとフランスの国境に位置する小国で、
スキーリゾートや免税ショッピングで知られている。
中心地のホテルを出て、街の北西側にある山に登ると、雲ひとつない美しい夕景に出会った。
(2022年1月撮影)

3000年以上の歴史をもちダイナミックな遺跡が残るアテネ。
中でもアクロポリスの丘に建つパルテノン神殿には圧倒される。
市街地で最も標高が高いリカヴィトスの丘に登ると、
茜色に染まる空が出迎えてくれた。
(2019年2月撮影)

カタルーニャ地方の都バルセロナはスペインの中でも活気溢れる都市だ。
中心地のカタルーニャ広場からバスに乗り、グエル公園の北側にあるカルメル要塞を訪れた。
日が暮れた後も、思い思いのひとときを楽しむ若者たち。
(2022年1月撮影)

トレドはスペイン中部に位置する城塞都市で、今も中世の街並みが残る。
タホ川南側の高台から眺める旧市街は、
この地で後半生を過ごしたギリシャ人画家エル・グレコが、当時描いた風景に重なった。
(2014年7月撮影)

中世の面影を残すエストニアの首都タリン。
城塞に囲まれた旧市街は高低差があり、山の手(トームペア)には眺めの良い場所が点在する。
雰囲気の良いコフトウッツァ展望台からの夕景。
聖オレフ教会のライトアップが点灯しはじめた。
(2014年6月撮影)

ベルゲンはノルウェー南西部の海岸沿いに位置する港湾都市。
標高320mのフロイエン山に登ると、
フィヨルド地方独特の入り組んだ海岸線を持つ街が一望できた。
徒歩でも登れるが、ケーブルカーを使えば、わずか6分だ。
(2014年6月撮影)

フィヨルド観光の拠点として知られる美しい港町オーレスン。
アクスラ山の頂上からは、アールヌーボー様式の建物が並ぶ美しい街並みが一望できた。
厚い雲の隙間から差し込む幻想的な光。
(2006年11月撮影)

ベルギーの第3の都市ゲントは、中世には中心都市として栄えた歴史をもつ古都で、
旧市街の街並みが美しい。
レイエ川沿いの遊歩道から望む聖ミカエル橋と聖ミヒエル教会。
漆黒の闇に浮かび上がる重厚な姿。
(2017年3月撮影)

ドイツ西部のライン川流域に位置するケルン。
以前訪れた時と別の場所から撮影しようと思い、川岸近くの展望台へ向かった。
日没と同時に小雨が降りはじめたが、水滴の少ないガラス越しから、なんとか撮影に成功した。
(2016年5月撮影)

ドイツ北東部に位置する首都ベルリンは、同国最大の都市。
旧ソ連とアメリカが対立していた冷戦時代には、ベルリン内で東西に分離していた。
18世紀に建てられたブランデンブルク門はベルリンのシンボルで、東西ドイツ統一の象徴。
(2008年5月撮影)

2 中東

カッパドキアはトルコ中央部に位置し、
世界に類を見ない不思議な形の岩が広がる景観で知られている。
ギョレメ市街南端の丘から見下ろす奇岩群。
空に走る稲妻が、大自然がつくり上げる神秘を、よりいっそう引き立てた。
(2015年6月撮影)

7つの首長国からなるアラブ首長国連邦のひとつドバイ。
未来的な建築や巨大ショッピングモール、人工島リゾートなど、
進化を止めない砂漠の大都市だ。
世界一の高層ビル(2024年時点)ブルジュ・ハリファからの摩天楼。
(2016年6月撮影)

アラブ首長国連合の首都アブダビ。
事前の撮影許可は出ていたものの、
イスラム教徒が断食を行うラマダン時期のため、敷地内での撮影はNGに。
なんとか頼み込んで数枚撮影できたシェイク・ザーイド・グランド・モスクでの貴重な1枚。
(2016年6月撮影)
3 北アメリカ

アメリカ西海岸に位置するロサンゼルスは、
美しいビーチや映画産業で知られる同国屈指の大都市。
ハリウッドの小高い丘の上にあるグリフィス天文台からは、
ダウンタウンの高層ビル群をはじめ、ロサンゼルスの街並みが一望できる。
(2017年5月撮影)

ラスベガスはネバダ州の砂漠の中につくられた、
カジノやエンターテインメントで有名な都市。
東に位置するサンライズマナーからメイン通りであるストリップの華やかな光群を望む。
前日に吹き下す強風で三脚が倒れ、レンズが割れてしまった。
(2006年10月撮影)
4 南アメリカ

リオ・デ・ジャネイロは「世界三大美港」に数えられるブラジル南東部の都市。
複雑に入り組む海岸線と奇岩がつくり出す独特な夜景を、
ポン・ジ・アスーカルの展望台から望む。
右の山上で白く輝くのはコルコバードの丘のキリスト像。
(2015年4月撮影)

ワカチナはペルー南西部に位置する小さなリゾート地。首都リマからはバスとタクシーを乗り継ぎ5時間ほどで到着した。撮影のため急いで機材を担ぎ砂丘の頂上へ。あたりが闇に包まれると、雲を越えた月が夜空を照らしはじめた。(2016年4月撮影)

アンデス山脈の盆地にあるボリビアのラ・パスは、
標高3500m以上で世界最高所にある首都だ。
西側の高台から市街地を望むと、すり鉢状に広がる街の向こうに、
雪に覆われた6438mのイリマニ山が見えた。
(2002年4月撮影)

5 オセアニア

オークランドはニュージーランド北島北部の街。
ヨットやボートの所有者が多いことから〝シティ・オブ・セイルズ〟(帆の街)と呼ばれている。
中心地の対岸に位置するマウント・ビクトリアから。
一日の中でも色彩豊かな美しい時間帯。
(2015年12月撮影)
6 アジア

ワット・プララームはアユタヤの中央に位置するアユタヤ王朝初期の寺院。
初代のウートン王の葬儀が営まれた場所と言われ、
トウモロコシ型の大きな仏塔を中央に、本堂と7つの礼拝堂の跡が残っている。
(2007年1月撮影)

パタンはカトマンズ盆地の南西に位置するネパールの古都。
マッラ王国が栄えた時代には首都であった。
眺めの良いレストランとテラスからダルバール広場を見下ろす。
地元の人たちの憩いの場として賑わいを見せていた。
(2014年12月撮影)

ホーチミンはベトナム南部に位置する同国最大の都市であり、経済の中心地。
約2000軒ものショップが集まるホーチミン最大級のベンタイン市場の夕暮れ。
目の前の巨大ロータリーを、オートバイが颯爽と通り過ぎていく。
(2015年3月撮影)

韓国南東部に位置する港湾都市の釜山は、国内有数のリゾート地としても知られる。
中心地から直線距離で3㎞ほど東にある荒嶺山は、都市夜景が楽しめる好立地の夜景スポット。
標高427mから見下ろす釜山最大の繁華街「西面」のビル群。
(2019年6月撮影)

九份はかつて金鉱発掘の街として栄えた歴史をもつ、台湾東北部の山あいの街。
石段や狭い路地、提灯などがつくり出すレトロな雰囲気を求め、多くの観光客が訪れる。
茶屋のテラスから眺める九份の代名詞ともいえる風景。
(2014年11月撮影)

ミャンマーの旧首都であったヤンゴン。
市街北部のシングッダヤの丘には、
ミャンマー最大の聖地である黄金の寺院「シュエダゴン・パゴダ」が燦然と輝く。
高さ約100mのパゴダ(仏塔)の荘厳な姿には圧倒される。
(2018年5月撮影)
7 アフリカ

テーブルマウンテンから眺めるケープタウンの大パノラマ。
山頂は自然保護が徹底された国立公園で雰囲気も抜群。
強風や山にかかる雲(テーブルクロス)でロープウェイは運休することも多々ある。
左の尖った山はライオンズヘッド。
(2019年3月撮影)

モロッコ最初のイスラム王朝の都であったフェスは、
外敵の侵略から守るため、周囲に堅固な城壁を巡らせた。
マリーン王朝の墓地からは、旧市街フェズ・エル・バリが一望。
夕方に流れるアザーンに街全体が包まれた。
(2006年11月撮影)
著者プロフィール
丸田あつし(まるた・あつし)
夜景フォトグラファー
1968年生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業、同大学院中退。1994年から、グラフィックデザイナーに加え、夜景フォトグラファーとしても本格的に活動をはじめる。世界各地の夜景撮影をライフワークに、写真専門誌への執筆、フォトイベントのセミナー、週刊誌グラビア他で活動中。実兄である夜景評論家・丸々もとおの全夜景関連出版物をはじめ、2014年からはパナソニック株式会社エレクトリックワークス社の社用カレンダー「世界の景観照明」の撮影を担当している。
丸々もとお(まるまるもとお)
夜景評論家
1965年生まれ。立教大学社会学部観光学科卒業。1992年、『東京夜景』を上梓。日本で唯一無二の夜景評論家として本格的活動を始める。「夜景」の美しさを景観学、色彩心理学などをベースに評論する等、夜景の本質を浮き彫りにする独自の「夜景学」の構築に取り組んでいる。夜景演出では世界でただひとりギネス世界記録を3つ保持。夜景に関する著書は60冊以上。