【名言集】光文社新書の「#コトバのチカラ」 vol.19
豊﨑由美『ニッポンの書評』
極端な話、粗筋と引用だけで成立していて、自分の読解をまったく書かない原稿があったとしても、その内容と方法と文章が見事でありさえすれば立派な書評だと今のわたしは考えているのです。
岡本裕一朗『モノ・サピエンス』
近年ほど、個人の意見や見解というものが尊重される時代はないといえますが、それが欲望や衝動によるのだとしたら、そんな意見や見解といったものも、簡単に「使い捨て」られていくのではないでしょうか。
吹浦忠正『「平和」の歴史』
戦争を憎み、平和を希求してきた人類ではあるが、それでも戦争は絶えることなく続いてきた。そして、いつの時代も戦争は、皮肉なことに「平和」を掲げて行われる。
安達まみ『くまのプーさん 英国文学の想像力』
リテラシーの恩恵に浴している文化のなかでは、書物は、たとえ多くを失っても、いつでもどこでも楽しめ、いくつになっても再会を喜んでくれる友人なのだ。
黒田草臣『終の器選び』
「焼き上がりの色や肌ざわりの違い」を「土味」といい、その違いが、陶磁器の大きな持ち味となります。すなわち、よい土味の器は、使えば使うほど、その表情が豊かに、そして、より深い味わいになってくるのです。
今井芳昭『影響力』
ある行動を取った直後に賞が与えられると、私たちはその行動を再び取ろうとする傾向があるのですが、もともと興味、関心のあった行動に対して賞が与えられると、次第にその興味、関心が低下してしまうのです。
渡部陽一『戦場カメラマンの仕事術』
戦争の悲惨さを日本や世界の人にもっと知ってほしい。ここにいる子どもたちの声を伝えなければ、という思いが、僕が戦場へもどる原動力です。