ゴジキが振り返る2021年夏の甲子園(後編)
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ゴジキが振り返る2021年夏の甲子園(後編)

熱烈な巨人ファンで、多くの野球マニアや選手たちからフォローされるゴジキさん(@godziki_55)。実は高校野球ウォッチャーというもうひとつの顔を持っています。
昨年は新型コロナウイルスの影響で春夏ともに中止となった甲子園ですが、今年は(残念ながら不戦敗などもでありましたが)なんとか開催。雨天順延によるタイトな日程の中、選手たちは戦い抜きました。2年ぶりの開催で改めて感じられる「甲子園の価値」とはどういうものでしょうか。

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コロナウイルスで辞退・不戦敗の賛否

今年も、不開催に終わった昨年に引き続いて新型コロナウイルスの影響があったため、感染者が出た学校は大会中でも辞退を余儀なくされた。
センバツ優勝校で春夏連覇を目指していた東海大相模もその一校だ。神奈川県大会では準々決勝で不戦敗という残念な結果となった。

さらに、甲子園でも宮崎商や東北学院が不戦敗という形で大会を去った。

世界的に感染拡大が問題視されてはいるが、最後の大会で不甲斐ない結果を学生に突きつけてしまうことは、残念としか思えなかった。これに関しては個人的な意見を述べると、残りのメンバーで大会をやり抜いてほしかった部分はある。しかし、集団感染のリスクを考えると不戦敗という形に仕方ない面もあるのは否めない。この状況が今後も続くのであれば、昨年の交流大会のように、学生に部活を通して成長させる別の機会を提供する打開策も必要になっていくだろう。

さらに今大会は雨天順延が続いたため甲子園の使用期間ギリギリの29日に終幕しただけでなく、日程がかなりタイトになった。毎日のように試合があるプロとは違い、学生の部活動としてプレーしている選手たちからすれば、非常にタフな大会となったに違いない。加えて先述したようなコロナウイルスに対する配慮も求められたため、長期間における調整の難しさのある大会だっただろう。そのことも含めて、最後までやり抜いた選手たちには拍手を送りたい。

「高校野球」のコンテンツ性を再認識させられた夏

2年ぶりに開催された今年の甲子園は、侍ジャパンが金メダルを獲得した東京五輪の直後ということもあり、注目度が高かった。昨年は新型コロナウイルスの影響で春夏連続で大会中止となったが、その時の反響からしても高校野球の世間における注目度、話題性は他のアマチュア競技と比較しても一目瞭然だった。

個人的には大会開催に向けて動いてほしいと思っており、そうした発言を繰り返していたが、当時はマイノリティな意見だったこともあり反発もあった。しかし結局のところプロ野球や大学野球も、延期を重ねながらも無観客などの策を取りつつ徐々に公式戦が開催されていった状況を見ると、高校野球も開催自体は可能だっただろう。当時は緊急事態宣言が誰にとっても初めての慣れないことで、難しい判断だったのは理解できるが、選手たちは学生であり、一生に一度の機会だ。高校野球に限らずインターハイなども中止になり、学生の大きな目標をすぐさま無くしてしまったことには反省が必要だ。今後二度とあってはならない。

また、昨年はインターハイ中止後に「高校野球は特別扱いだ」と反発が起きたが、これも甲子園大会の開催が協議されていた時期のみであり、独自大会や交流試合といった代替となる大会や試合に対する反発は少なかった。日本人特有の、マイノリティな取り組みに対して風当たりを強くする、同調圧力の悪い部分が顕著に出たのではないだろうか。個々の好き嫌いはあるだろうが、様々な側面で日本のスポーツの主役である「野球」が、いかに早く大会を開催するかどうかは、スポーツ界全体の動行を握る鍵だったと言える。プロ・アマ問わずスポーツの中で野球界が率先してポジティブな方向へ動いていくことによって、他のスポーツにより良い影響を与えることができたと考えられる。今後も、野球界は自らのコンテンツ力に自覚的になり、さまざまな難しい状況下でもスポーツ界全体を引っ張ることを考えたふるまいに期待したい。

今年の甲子園の総括 

今大会に話を戻すと、チーム力がずば抜けている学校はないと感じたが、近畿勢が圧巻の強さを見せた。前回の記事でも書いた通り近年の強さは明らかだったが、今年は4強を独占するほど地域全体での強さ、悪く言えば地域間格差が垣間見られた。

また、今年は一般の観客を入れない方向での開催だったため、関係者以外は甲子園で試合を見られない状況だった。 プロ野球やJリーグは制限を設けた上で有観客で開催されているが、直近の感染拡大に加えて東京五輪が無観客だったことや、学生の部活であること、国体の中止等が逆風となったに違いない。

これについてはこの御時世を鑑みると仕方ない部分ではあるが、高校野球の場合は当事者である学生の応援と一般層の声援に調和があり、毎試合独特の盛り上がりを見せる。それがいわゆる「夏の風物詩」と言われるゆえんだろう。その盛り上がり度合いを考えても、あくまで人数等に制限はした上で、多少は一般層の観客の入る光景が見たかったと個人的には思う。もちろん草の根で競技人口が拡がることも大事な一方、甲子園大会はアマチュア野球ながらも強い文化や伝統がある。野球界の未来を考えても、高校野球のトップクラスを披露する場はこれからも大切にしていくべきだろう。古き良き時代のものとして残すべきものは残していきながら時代に適応し、今後さらにドラマ性ある試合を歴史とともに作り上げていってほしい。 


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