グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフトのメタバースを巡る争い
見出し画像

グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフトのメタバースを巡る争い

4章① GAFAMのメタバースへの取り組み

光文社新書編集部の三宅です。

岡嶋裕史さんのメタバース連載の21回目。「1章 フォートナイトの衝撃」「2章 仮想現実の歴史」「3章 なぜ今メタバースなのか?」に続き、「4章 GAFAMのメタバースへの取り組み」を数回に分けて掲載していきます。今回はその1回目です。

ウェブ、SNS、情報端末などの覇者であるGAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)はメタバースにどう取り組んでいくのか? 果たしてその勝者は? 各社の強み・弱みの分析に基づいて予想します。

下記マガジンで、連載をプロローグから順に読めます。 

4章① GAFAMのメタバースへの取り組み

 ここまでメタバースがどういうものなのか、メタバースの先駆けとなる事例や企業について見てきた。メタバースが今後私たちの生活に根付いていくだろうこと、重要な収益源となるであろうことはIT業界においてはほぼ合意されている状態であり、その認識が一般企業にも拡がっていくだろう。

 メタバースのことを、「インターネットの次のインフラ」とする言い方があるが、本当は少し違う。SNSにしろ、メタバースにしろ、インターネット上で展開されるサービスなので、インターネットに代わってメタバースが台頭するわけではないのだ。インターネットは今後も重要なインフラであり続ける。

 では、インターネットや、インターネット上で展開されるウェブ、SNSで、この上なく上手に覇権を勝ち取ってきた企業は今後どうするのだろう? 指をくわえて見ているわけはない。

 メタバースはインターネットの代わりではないが、ウェブやSNSの代わりにはなり得る。2000年代、インターネットの情報流通のほとんどはウェブでなされ、そこで王者として君臨していたのはグーグルだった。

 これが2010年代になると、情報流通の主戦場はSNSへ移行していった。グーグルは売上も利益もいまだ盤石な企業だが、このとき失ったものは大きい。いま、一番面白い話題にはウェブ検索ではたどり着けないかもしれない。

 SNSのグループに入り、プッシュ通知を受けることではじめて到達できる情報がある。若年層の情報摂取行動は、検索から通知へと大きく変容している。グーグルはSNSの大波がやってきたときそれに乗り損ね、フェイスブックに情報流通の少なくない部分を持って行かれたのだ。グーグルは未だに自社のSNSを確立するに至っていない。

 何かが流通するとき、その全体を俯瞰し、管理する立場にある者や企業は大きな利潤を得る。そう考えるならば、ウェブでうまくやったグーグルも、SNSで名を成したフェイスブックも、情報流通の端末をブランド化することに成功したアップルも、メタバースの商機を見逃すことはできない。

 それは単に大もうけの機会を逃すに留まらず、新しく構築される人類の共通基盤において敗者のポジションを確定させる行動になるからだ。潤沢な資金と技術を持つあのマイクロソフトでさえ、ウェブ検索の出遅れを挽回することはできなかった。『1984』のビッグブラザーになぞらえられることすらあるグーグルも、SNSで支配的な地位につくことはないだろう。インフラを巡る抗争は、一度負けると取り返しがつかないのだ。

 この章ではGAFAMとくくられ、称される各社が、どうメタバースと向き合い、戦おうとしているのかを見ていこう。(続く)

下記マガジンで、連載をプロローグから順に読めます。


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
光文社新書

よろしければサポートをお願いいたします。もっと読んでいただけるコンテンツを発信できるように、取材費として大切に使わせていただきます!

アランちゃんともども心から感謝しています!
光文社新書の公式noteです。2021年10月17日に創刊20周年を迎えます。光文社新書の新刊、イベント情報ほか、既刊本のご紹介や注目の連載をアップしていきます。お気に入りの一冊について書かれたnoteを収録するマガジン「#私の光文社新書」は、投稿をお待ちしています!