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【名言集】光文社新書の「#コトバのチカラ」 vol.14


仲正昌樹『〈宗教化〉する現代思想』

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自分の政治的な立ち位置を分かりやすく固定化してしまったら、自分で自分を縛ることになり、自由に哲学的に思考し続ける余地がなくなる。「答え」が予め決まっているので、そこに至るための「思考過程」はどうでもよくなる。


内藤陽介『外国切手に描かれた日本』

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切手に登場するようになった"日本"は、もはや、エキゾティックな極東の島国ではなく、欧米にとって脅威すら与える存在となっていたのである。その結果、欧米諸国では、"一等国・日本"の植民地政策や軍備拡張への警戒心が強まるとともに、日本趣味や日本ブームは急速に冷めていく。


大平健『食の精神病理』

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われわれが鳥やオオカミなどに妙な親近感を覚えるのは、おそらく彼らが共食するからだろうということです。絵本や童話で活躍するのは、野生の動物の場合、たいていが共食の動物ではありませんか。


山本博文『切腹』

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江戸時代の武士は、幕府や藩といった組織を離れては生きていけない存在となっていた。そのため、主君に腹を切れと言われれば、素直に腹を切った。それどころか、腹を切れと言われる前から、自らの罪に気付けば、腹を切って謝罪するようになったのである。


笹原宏之『訓読みのはなし』

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漢字を日本語の表記に適合させようとしてきた苦闘の歴史は、情報メディアが革命的に変化した今でもなお続いている。その重要な一角として、漢字を訓読みさせる方法が存在してきたのである。


宮下誠『カラヤンがクラシックを殺した』

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音楽とは、すなわち「どこにもない」ユートピアなのである。音楽とは、その成就が私たち人間の脳髄を措いてほかには存在を許されていない一つの特殊な芸術である。


小島毅『天皇と儒教思想』

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じつは祭祀・儀礼といった、古くからの伝統に由来しているはずの行為も、その多くがやはり明治維新の前後に新しく始まったものだった。洋装・洋館・洋食といった西洋化とは異質ながらも、それらもまた明治時代の近代天皇制を支える装置だった。



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