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理系男子も魅了された! 「辞書」と「ことば」の奥深さが知れる1冊

光文社新書の新メンバーです

はじめまして。光文社新書の河合と申します。

まだまだフレッシュでありたいと願う入社2年目。大学・大学院時代は花卉(かき)園芸学研究室で、遺伝子組み換え技術を駆使してストックという花の花びらを人工的に増やす方法を模索していた理系男子です。

はてさて、新書編集部に異動でやってきました私ですが、じつは光文社新書はずっと入りたかった念願の部署。就活の面接でも「科学系の新書を作りたい」と連呼してました。

そんな憧れの部署で恒例となっている「#私の光文社新書」。新参者の私もやらせていただこうと思います。

記念すべき? 「#私の光文社新書」1冊目は・・・

紹介したいのはコチラです。

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熱意あふれる辞書作りの日々を綴った飯間浩明先生の『辞書を編む』です。

タイトルを見て、別の作品を思い出した方もいるのでは? 飯間先生と同じように情熱を捧げて辞書作りに励む男性を描いた、三浦しをん先生の『舟を編む』。私も書店で見つけたときに、ハッと浮かび上がりました。

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じつは『舟を編む』に描かれているエピソードは、実際に飯間先生が編纂に携わった『三省堂国語辞典 第七版』の製作に影響を与えているそうで、『舟の編む』のおかげで「愛」ということばの説明が変わったそうです。一ファンとして嬉しいコラボですね。

辞書を作る人たちは〝トコトン人間〟

話がそれてしまったので、もとに戻しましょう。私が『辞書を編む』を読んでまず思ったのは、辞書を作る人たちは〝トコトン人間〟だということ。

例えば飯間先生が、辞書に載せることばの候補を集める用例採集という作業をしていたとき。履物店のサンダル売り場で「ヘップ(サンダル)」ということばを見つけたそうです。

初めて出会ったことば――。さっそく意味を調べてみると、いくつかの国語辞典にはすでに掲載されていて、オードリー・ヘップバーンが映画の中で履いていたことが由来であると分かりました。

ただ、どの映画なのかは引用元によってバラバラ。『麗しのサブリナ』と書かれていることもあれば、タイトル名が記載されていないこともあり、より詳細な由来がはっきりしませんでした。

すると飯間先生。わざわざレンタルショップで借りてきて、映画をこと細かに見たというのです。オードリーの足元ばかりを目で追って・・・(にも関わらず、映画中にヘップサンダルらしきものはなかったそうです)

そこまでやるかと思ってしまうほど、辞書のために調べられる〝トコトン人間〟。私もそんなトコトン人間になりたいですね。

「右」を簡潔に説明するにはどうしたらいいか

もう一つ。辞書作る人のトコトンさが垣間見える『語釈』の話をさせてください。あと少しお付き合いいただけますと嬉しいです。

『語釈』というのは、ことばに説明をつけていく作業。飯間先生によると、この語釈でとくに難しいのが「いつも」「ふだん」「愛」などの応用範囲が広く、よく使われていることばだそうで、なかでも「右」は多くの辞書編纂者を悩ませてきたそうです。

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そこで、私もその一端を体験しようと、私なりの「右」の語釈を考えてみました。

必ず右側にあるものはないだろうか。車の運転席、マウス、デジカメのシャッターボタン。ほかに右と深く関わりがあるものはなんだろうか――。考え続けて2日。浮かんだのがコチラ。

みぎ【右】①自身の体を中心で縦に2つにわけたとき、心臓のない側。

どうでしょう。思いついたときは、これならと自負してしまいました。ただ、念のため事実確認をしてみたら、「心臓の位置は胸のほぼ中央」との情報が・・・。私の「右」の語釈は土台から崩れてしまいました。

一方で、飯間先生が考えた「右」の語釈は、

みぎ[右](名)①横に(広がる/ならぶ)もののうち、一方のがわをさすことば。「一」の字では、書き終わりのほう。「リ」の字では、縦の長いほう。「向かって―・―がわ通行」

わ、分かりやすい!なんといっても予備知識なしで右がどっち側か分かる。この語釈ができあがるまでには、6年間もかかったそうで、飯間先生のトコトンさには感服です!

辞書やことばの奥深さが知れる1冊

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。つらつらと私の好きなエピソードだけを紹介しましたが、いちど読んでいただければ、もっと辞書さらにはことばの奥深さが知れる一冊です。

皆さんも機会があればぜひ、手にとってみてください。





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