
【名言集】光文社新書の「#コトバのチカラ」 vol.39
橋本典久『2階で子どもを走らせるなっ!』
不安心理は、まさに疫病のようにさまざまなものに波及する。日本人の心の中にあった人間性善説ははかなくも消えうせ、他者に対する不信と警戒が心の中に巣食うようになる。警戒心は、近隣とのコミュニティ構造を自ずと変化させ、他者への攻撃性のポテンシャルを高めることになる。
木村草太 新城カズマ『社会をつくる「物語」の力』
民主主義が「感情の慰撫」の道具ではなく、正しい公共的な決定の手法たり得るには、適切な情報だけが流通するとか、選択肢として示される法案が洗練されているとか、国民が「法の支配」の意義を理解しているとか、いくつかの条件が必要なはずです。
吉田修『世界一旨い日本酒』
しっかりと造られた日本酒を熟成させ、それを燗にして飲む。そして、料理と合わせる。これぞ、本物の日本酒の味わいを十分に引き出す飲み方だ。生でも、吟醸酒でも燗をする。燗で駄目になる酒は熟成にも向いていない。燗して旨い酒が熟成して旨くなるのだ。
田村功『ベルギービールという芸術』
ベルギーの人々は、北部と南部の間で言葉がコミュニケーション機能を持たないからこそ、絵画の持つ豊かなイメージ性とメッセージ性を大切にしている。そのように考えると、ベルギービールのラベルが絵画的表現手法でデザインされている理由も、なるほどと納得できるわけです。
小宮信夫『犯罪は「この場所」で起こる』
一九八〇年代に、犯罪原因論に替わって台頭したのが「犯罪機会論」である。それは、犯罪の機会を与えないことによって犯罪を未然に防止しようとする考え方である。言い換えれば、犯罪機会論は、被害者の視点から、すきを見せなければ犯罪者は犯行を思いとどまると考える立場である。
廣中直行 遠藤智樹『「ヤミツキ」の力』
違う集団の人と力を合わせる。自分とは異質の集団のメンバーが持っている美点を讃える。そうすると「あちら側」の苦しみや喜びが「わたしたち」には共感的にわかる。そのために「一つのことにやみつきになる」プロセスが必要なのだ。
弘兼憲史『島耕作も、楽じゃない』
偶数ページからS字で読み、奇数ページへ移動する。最後までいくと、ページをめくって再び偶数ページに移る。奇数ページの最後のコマで、次はどうなるんだろう、ページをめくりたいと思わせなければならない。