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データスカウティングの現在(前編)|サッカースカウトが見る現場目線のフットボール vol.5

お知らせ

この連載をもとにした書籍『スカウト目線の現代サッカー事情』が2024年2月15日に発売されます!書下ろしも含めて大幅な加筆修正を行いました。ぜひチェックしてみてください!

イングランドのプロクラブでサッカースカウトとして活動する田丸雄己(@scoutyuki)さん。
現場目線でフットボールの今を伝える連載の第5回は、スカウトが「データ」といかに向き合っているか、最前線の事情を語ってもらいました。もはやデータは使う/使わないの議論ではなく「いかに効果的に使うか」の段階に入っており、単純な数値ではなくプレーの複雑な「質」にまでメスが入るようになっています。こうしたデータのどのように用いているのか、具体的なスカウティングでの活用法は必読です!

【これまでの連載は↓↓↓から読めます】


テクノロジーをめぐる議論は「最大限活用するには」へ

近年では、DAZNをはじめとした様々なメディアで、テクノロジーを使用して取得した選手のパフォーマンス情報を目にすることが珍しくなくなった。それもポゼッション率やパスの平均成功数といったシンプルな数値だけではなく、xGやxTなどのアドバンストメトリクスと呼ばれる、より込み入ったデータなどにも触れる機会が増えている。

データの複雑さや正確さは日々進化を遂げており、10年前は一部のクラブ関係者しかアクセスできなかった情報が、今ではファンの方たちもスマホ片手に検索できるようになった。スカウトの業界では、データの使い道や問題点、どのようにスカウトの業務サイクルに適合させるかなど、テクノロジーとの関わり方や活用事例、折り合いの付け方にもスポットライトが当たるようになった。肌感覚として、「テクノロジーを使用するべきか、しないべきか」というゼロヒャクの議論はイングランドではほぼ無くなり、今は「最大限活用するためにはどうすれば良いか」へと議論が移ってきている。

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