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夜の図書館で、本たちが大騒ぎする絵本――『ぼくはなんのほん?』カロリーナ・ラベイ著、はせがわけい訳

夜の図書館で、本たちが動き出し、仲間の問題を解決する、本好きにはたまらない絵本が刊行されました。紹介文はこちら。

人がいない夜の図書館は、本たちのおしゃべりで大騒ぎ。
その中で一冊だけ、さびしそうな本がいます。
みんなからダスティーと呼ばれている本です。
彼は「誰もぼくを読んでくれない。
自分がなんの本かもわからない」と言います。
それを聞いた仲間たちは、本好きの子供にダスティーを読んでもらうべく、作戦を立てますが……。
――読めば絶対に本が好きになる。
本が好きな子はもっと好きになる。
図書館を舞台にした心温まる物語。

本記事で、最初の数ページを紹介しますので、気になったらぜひ、手に取ってみてください!


ぼくはなんのほん?
ここはとしょかん。
としょかんには いろんなおはなしのほんが たくさんあつまってきます。
たのしいおはなし、こわいおはなし、それに、もしかすると……
……あなたのおはなしが のっているほんも あるかもしれません!
そうそう、よるになって、みんながおうちにかえると……
としょかんには だれもいなくなります……
すると、ほんたちが たなからおりてきて おしゃべりを はじめるのです。
「このまえ ぼくをかりたひとはね、バスのいちばんまえのせきでよんでくれたよ」と、
〈とりのずかん〉のビリーが いいました。
すると、〈うちゅうのぼうけん〉のスージーも はなしはじめます。
「わたしは おひるごはんのときに よんでもらったわ。
スープがページにはねてね……おいしかった!」
ところが ダスティーだけは いちばんたかいほんだなのうえで 
ほこりをかぶってじっとしていました。
「だれも ぼくをよんでくれないや。 
としょかんへきたひに すぐにここにおかれちゃったからね。 
ぼくなんて、じぶんがなんのほんかも わからないんだ」
そういって、さびしそうに ためいきをつきました。
「ここにね、ソフィーっていう おんなのこが よくくるの――
あのこなら、あなたをよんでくれるんじゃないかしら」
〈さんすうパズル〉のマルタが いいました。
「でも、こんなたかいところにいるぼくを みつけてくれるかな?」
ダスティーはとてもしんぱいそう。
すると、〈とびだすえほん・パリ〉のポールがいいました。
「わたしにまかせなさい」
そして、ほかのほんたちにはしごをつくってもらって、
ダスティーのいるほんだなに のぼりました。

このあと、いったい、どうなっちゃうんだぁ~!


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