【名言集】光文社新書の「#コトバのチカラ」 vol.25
山森亮『ベーシック・インカム入門』
人の命がお金が無いために奪われることはあってはならない。そうした合意の上に、生存権の概念とか福祉国家という制度が築かれたはずだった。だが、実際に日本型の福祉国家が行ってきたのは、命を序列づけ選別することであり、低く見積もられた命の廃棄であった。
中尾政之『失敗は予測できる』
感性は論理的でない。仮に商品が売れた場合でも、ウケルはずという当初の企画書でさえ非論理的であるから、売れた理由も当然、非論理的である。つまり、デザインが良かったという成功の共通概念はなかなか抽出できないことが多い。
雨宮処凛 萱野稔人『「生きづらさ」について』
ひとは自分ひとりではなかなか自分の存在価値を確立できないものです。まわりから認められたり、受け入れられたり、自分のいっていることをちゃんと聞いてもらったりして、はじめて自分の存在を支えることができる。
池ノ辺直子『映画は予告篇が面白い』
予告篇は不思議な存在です。映画本篇とは独立した一つの作品であると同時に、本篇にお客さんをたくさん集めるための広告でもあります。だからこそ、予告篇は本篇よりも面白い(!)のです。
斎藤潤『東京の島』
幸せに安らかに暮らしたければ、科学技術の発展はもういらないのかもしれない。それよりも、精神的な進歩をもっと真剣に考えるべき時がきているのではないか。映画のシーンと重ね合わせながら硫黄島を久々に歩くうちに、脈絡もなくそんなことを思った。
大友博『エリック・クラプトン』
たしかに彼はロック系ギタリストとして頂点をきわめたが、しかし、ギターをうまく弾くことだけを目指してきたわけではない。ギターを弾くことで、ギターを弾きながら歌うことで、目標とするブルースマンたちに近づき、自分らしくなにかを表現することを一貫して追い求めてきたのだ。
山田隆司『最高裁の違憲判決』
少数者・社会的弱者の人権は、多数者による侵害に服しやすい。民主主義の過程による是正が難しく、裁判所による保護の必要性が高い。少数者らの自由と平等の保障については、政治部門の憲法判断を尊重すべきということにはならないはずである。