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東京五輪の野球競技、世界各国の注目選手

熱烈な巨人ファンで、多くの野球マニアや選手たちからフォローされるゴジキさん(@godziki_55)が巨人軍を分析。
東京五輪でのメダルが期待される野球「侍ジャパン」。本日12時からドミニカ共和国との初戦がプレイボールとなりますが、相手の先発は巨人で活躍するCCメルセデスが予想されています。その他にも、今大会はNPBの選手の姿がチラホラ。日本以外の5か国にも要注目です。

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初戦のドミニカ共和国は巨人お馴染みの外国人が多数登場

この東京五輪では、NPB球団に在籍している多くの外国人が参加する。今日これから対戦するドミニカ共和国では、開会式でも話題にあがっていた巨人軍のCCメルセデスが、日本代表の初戦に立ちはだかると予想される。

メルセデスは今シーズン、怪我明けながらも6試合に登板して5勝1敗防御率2.31とキャリアハイといっても過言ではない、素晴らしい成績を残している。さらに、投手としての特徴が5回から6回まで試合をしっかり作れるという、短期決戦向きのタイプでもある。日本にとっては間違いなく、非常に厄介な投手である。またメルセデスと同様、巨人のエンジェル・サンチェスも代表に選出されている。

野手陣ではこれまた巨人に在籍経験のあるホアン・フランシスコが、アメリカ大陸最終予選でドミニカ共和国の4番として3試合連続ホームランなどの活躍を見せ、東京五輪出場に大きく貢献している。巨人在籍時は思うような成績を残せなかったフランシスコだが、注意すべき選手だろう。さらには元中日のラウル・バルデスも出場するため、日本野球には親しみがある相手である。2019年のプレミア12では対戦することのなかったドミニカ共和国だが、中南米の強豪でもあり、やりづらさはある。そのような相手だからこそ、初戦にしっかりと勝利すればチームは勢いづくだろう。

投打でNPB在籍外国人が揃うアメリカ合衆国

アメリカ合衆国は、2019年のプレミア12で日本が唯一敗戦した国である。NPBの球団からは、野手ではDeNAのタイラー・オースティンがメンバーに選ばれた。オースティンは、今シーズン打率.314  19本塁打  49打点  OPS1.017を記録している。会場が普段プレーしている横浜スタジアムである点でも、かなり脅威になる選手だろう。

またヤクルトのスコット・マクガフは今シーズン、39試合に登板して2勝1敗防御率2.39を記録しており、今大会はアメリカ代表のブルペン陣の一角として期待されている。ちなみに日本代表では巨人の坂本勇人がマクガフとの相性が良く、打率.500  1本塁打  1打点を記録している。もしアメリカと当たってマクガフがマウンドに上がった時には、ランナーを置いた状況で坂本に打順を回せるかがポイントになりそうだ。

さらにはソフトバンクのニック・マルティネスも選出されている。マルティネスも今シーズンは7勝2敗防御率2.03と、素晴らしい成績を残している。さらに、月別成績を見ても7月は2戦2勝で防御率1.29という最高の状態だ。五輪に向けてコンディションは仕上がっていると見ている。

NPB在籍外国人だけでなく元メジャーリーガーも参戦

ここまでNPB在籍選手を取り上げてきたが、この五輪では元メジャーリーガーも参戦する。
アメリカ代表には、選手としてのピークは過ぎているが、メジャーリーグで最多奪三振のタイトル獲得経験を持つスコット・カズミアーや、通算137セーブ・147ホールド・防御率2.90を記録しているデビット・ロバートソン、14球団を渡り歩き二桁勝利のシーズンも複数誇るエドウィン・ジャクソンといった大物投手が参加する。また野手ではシーズン40本塁打を記録した経験があるトッド・フレイジャーが選出され、シドニー五輪以来の金メダルを目指す。

イスラエル代表からは、WBCでチームを牽引したダニー・バレンシアが出場する。さらに、WBCでアメリカ代表を優勝に導いたイアン・キンズラーも今回はイスラエル代表としても出場する(2020年3月に市民権を取得)。WBCと同様、韓国と同一リーグとなるが、台風の目となるか注目である。

日本の初戦の相手であるドミニカ共和国からは、メジャーリーグで2年連続本塁打王に輝いたホセ・バティスタや、実績充分のメルキー・カブレラが出場する。

金メダルへ最大の壁になるか、宿敵の韓国

日本のライバルはなんといっても、前回五輪(2008年北京大会)で金メダルに輝き、プレミア12でも凌ぎを削った韓国だろう。北京五輪に出場し、その後も2度のWBC出場と2度のプレミア12を経験している元メジャーリーガーの金賢洙は、コンタクト力がずば抜けており、厄介な打者である。北京五輪では岩瀬仁紀から決勝タイムリーを放ち、2009年のWBCではベストナインにも輝いている。さらに2015年のプレミア12では大会MVPに輝いており、国際大会の勝負強さは頭ひとつ抜けている。間違いなく、最も注意すべき打者だ。また、阪神に所属していた呉昇桓は北京五輪だけでなく4度のWBCに出場しており、精神的支柱として投手陣を引っ張る。ベテランだけでなく、かつて中日に所属していた李鍾範の息子である李政厚にも注目だ。類稀なセンスを持った野手で、2017年に韓国リーグで新人王に輝き、プロ入りから3割を常に記録している。一方、注目株の1人であった金河成がサンディエゴ・パドレスに移籍したことで東京五輪に出場できない点は痛手となるに違いない。

近年の韓国代表は、世界のメジャーリーガーたちがしっかりと調整した上でWBCに参加するようになったことで、大会を通してなかなか上位に進出てきでいない。だが、北京五輪覇者としての意地を必ず見せにくるだろう。前哨戦であった2019年のプレミア12と同様に、東京五輪の決勝という舞台で日韓戦の再戦となるかにも注目だ。

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