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カマラ・ハリスが崇め、オバマ夫妻が愛した”アメリカの寅ちゃん”RBGの4回目の命日に寄せて

アメリカが、ひときわ騒がしくなってきましたね。

さて、民主党大統領候補のカマラ・ハリス、そしてハリスを推すオバマ元大統領夫妻が強く支持していたリベラル派の最高裁判事、ルース・ベイダー・ギンズバーグ氏(通称RBG)のことを、みなさまはご存じでしょうか。本日2024年9月18日は、アメリカ合衆国連邦最高裁判事のまま87歳で亡くなったRBGの4回目の命日です。

オバマ元大統領とハリス候補の言葉

わたしたちは、彼女のレガシー(遺志)を守るために戦うことを改めて誓います。法の力を信じるすべての人にとって、ギンズバーグ判事は常に巨人であり続けるでしょう。

カマラ・ハリス

https://www.elle.com/culture/career-politics/a34084660/kamala-harris-rbg-tribute/

ギンズバーグ判事は、男女平等のための戦士でした。法の下の平等な正義は、すべての国民に適用されてこそ意味があると信じていた人物でした。彼女は、性別に基づく差別が女性だけを傷つけるものではないこと、そしてそれが私たち全員に影響を及ぼすものであると教えてくれました。

バラク・オバマ

https://barackobama.medium.com/my-statement-on-the-passing-of-justice-ruth-bader-ginsburg-5a925b627457

これは、女性として史上2人目となる連邦最高裁判事のRBGが亡くなった際、ハリス氏とオバマ夫妻が発表した弔辞の一部です。カマラ・ハリスもオバマ夫妻も、かつては検事や弁護士として活躍した法律家でした。彼らのRBGへの尊敬の念はとても深かったようです。

RBGがアメリカでは誰もが知るほどの有名人になったのは、彼女が法廷で述べた「反対意見」がきっかけです。黒人への差別を肯定するような最高裁の判決を、痛烈に批判したのです。最高裁判決に怒り、RBGの反対意見を支持したロースクールの学生が「NOTORIOUS RBG」というSNSページを立ち上げ、それが大きなムーブメントへと成長したのでした。

このSNSを立ち上げたシャナ・クニズニクと、彼女に共感したジャーナリストのイリーン・カーモンによる評伝が『NOTORIOUS RBG』です。このたび、光文社よりその日本語版『アメリカ合衆国連邦最高裁判事 ルース・ベイダー・ギンズバーグの「悪名高き」生涯』を発行いたしました。本書の帯文は連続テレビ小説「虎に翼」の脚本家、吉田恵里香さんにお願いしました。

「虎に翼」脚本家・吉田恵里香さんの言葉

本書の担当編集者は「虎に翼」が大好きで、毎日の放送をとても楽しみにしています(もうすぐ終わっちゃうのが本当にさみしい!)。みなさんご存じの通り、「虎に翼」の主人公・寅子のモデルは日本で初めての女性裁判所長、三淵嘉子氏です。

三淵さんとRBGはともに、女性が圧倒的にマイノリティであった法曹界で、社会を少しでも平等な場所にするために戦ってくれた女性です。「虎に翼」の脚本を担当する吉田さんは、本書の原稿もしっかりと読み、感想を帯に寄せてくださいました。

『アメリカ合衆国連邦最高裁判事 ルース・ベイダー・ギンズバーグの「悪名高き」生涯』帯
『アメリカ合衆国連邦最高裁判事 ルース・ベイダー・ギンズバーグの「悪名高き」生涯』帯

「虎に翼」ファンの方々は、きっとRBGの人生にも感じるものがあると思います。不平等な社会に疑問を抱き、権利をはく奪された人々のために戦い続けた女性、ルース・ベイダー・ギンズバーグ。とはいえ、本書は彼女の人生の戦いの面だけにフォーカスしたものではありません。

ジェンダー問題識者・治部れんげさんの言葉

本書には、あまり知られることのなかったRBGの非公式の姿も描かれます。ジャーナリストで東京工業大学東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授の治部れんげさんも、感想を寄せてくださいました。

本書はRBGのあまり知られていない魅力も伝えています。特に、最高裁判所のスカリア判事との友情、家族ぐるみの交際を描く場面からは、希望を感じるでしょう。自分とは価値観、政治的立場を異にする相手とも、対立ではなく人間的な付き合いができること、これは今の社会が必要としていることです。

また、正確で分かりやすく慎重な文章を重視したというRBGの仕事ぶりから、彼女が最高裁判所の果たすべき役割をどのように考えていたのか、よく分かります。特に敗訴する側にも配慮を怠らず、司法の公正さを重視したエピソードや、判決が一般人に及ぼす影響を常に考える姿勢は印象に残ります。

専業主夫として子育てに責任を持つ男性調査官を採用し、彼が当たり前に育児をする様を心から喜んでいたというエピソードも印象的です。RBGにとって男女平等は目指す理想であったことは、公式な場だけでなく非公式な場でのエピソードからも分かるのです。

東京工業大学東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授・治部れんげ氏からの感想

仕事に対してつねに真摯に向き合う姿勢には本当に頭が下がりますが、家事・育児・妻の世話まで引き受ける最高(としか言えない!)の夫・マーティーとの信頼と尊重に支えられたパートナーシップだったり、真面目すぎるがゆえに逆に面白くなっている言動だったり、2人の子どもたちへ向けた素顔だったり、シックなファッションだったり、秘書や調査官への温かい心遣いだったり……。本書は、RBGの魅力を全方位から伝える書籍になっています。

RBG、そしてこの社会を少しでも平等に近づけるよう力を尽くしてくださった先達へのわたしからの御礼を、本書の中にも小さく記しました。

『アメリカ合衆国連邦最高裁判事 ルース・ベイダー・ギンズバーグの「悪名高き」生涯』より

この日本語版が、わずかにでも彼女のレガシーを守る一助となることを願いつつ、『アメリカ合衆国連邦最高裁判事 ルース・ベイダー・ギンズバーグの「悪名高き」生涯』を出版いたします。

発売日は9月26日です。Amazon予約受付中! 


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