光文社新書 2019年の年間売り上げベスト10
こんばんは。編集部の高橋です。
皆さん、年末年始はどのようにお過ごしでしょうか? 私の年末の楽しみは明後日からの「バビロン」第3章です。そして年始は劇場版が楽しみな「SHIROBAKO」の一挙放送を見てから、続々と始まる冬アニメのチェックですね!(「恋する小惑星」「映像研には手を出すな」「ID:INVADED」はマストで見つつ、掘り出し物を探すつもりです)
さてさてアニメの話は置いといて、本日は年末企画・・・鉄板のランキングネタをやります! 超シンプルに、光文社新書の年間ベスト10を発表します。
正確な数字は数えていませんが、編集部からは年間で60冊くらいの新書と10数冊の翻訳書や写真集、小説などが刊行されており、その中のベスト10なので、えりすぐりの精鋭たちですね(売り上げが作品の優劣を決めるわけでないというのが持論ですが、売れて嬉しくない本はありません)。
※2019年1月1日~2019年12月13日の売り上げデータを基に作成しています。2017年以前に刊行された本はランキングから除外しています(それらについては別途紹介します)。
では早速、10位から4位まで!(COUNT DOWN TVを思い浮かべてください)
10位 『人生100年、長すぎるけどどうせなら健康に生きたい。』藤田紘一郎
タイトルが秀逸な本ですね。著者の藤田先生は御年80歳!説得力があります。
『LIFE SHIFT』のヒットを境にあちこちで使われるようになった「人生100年時代」。確かに「正直、なげ~よ!」と感じる方もいると思います。
収入や人間関係など必要な資産は様々ですが、すべての根本に「健康」があることは論を待たないでしょう。
9位 『死に至る病』岡田尊司
ベストセラーの『愛着障害』シリーズで知られる岡田尊司さんの最新作。内容紹介が印象的です。表紙もインパクトがありますね。
死に至る病とは絶望のことである、と、かつて哲学者キルケゴールは書いた。
絶望とは、神を信じられないことを意味した。
だが今日、死に至る病の正体は、「親の愛さえも信じられない」こと、
つまり「愛着障害」に他ならない――。
8位 『「家族の幸せ」の経済学』山口慎太郎
サントリー学芸賞を受賞したり、「週刊ダイヤモンド」の「経済学者・経営学者・エコノミスト107人が選んだ 2019年『ベスト経済書』」で1位に輝いたりと、今勢いに乗っている一冊。これからもっと売れる可能性が大です!年末年始で実家へ帰省したり親族で集まったり、何かと「家族」を意識することが多いこの時期にぜひご一読を。
7位 『運気を磨く』田坂広志
こちらもベストセラー作家の田坂広志先生の最新刊がランクイン。科学をバックボーンに持つ田坂さんが「運」をテーマに書くというだけでも面白いこと間違いなしですね。
筆者は、大学の工学部で長く研究者の道を歩み、科学的教育を受けた人間である。それゆえ、基本的には唯物論的な世界観によって研究に取り組んできた人間である。ただ、一方で、筆者は、これまでの六八年の人生において、「運気」と呼ばざるを得ない出来事を数多く体験しており、それゆえ、この「運気」と呼ばれるものの存在を決して否定できないと感じている。従って、自身の科学研究者としての立場から、この「運気」というものの科学的根拠が存在するならば、それを明らかにしたいと考えており、本書においては、そうした視点からの「科学的仮説」についても紹介している。その一つが、「量子真空」と「ゼロ・ポイント・フィールド」の仮説である。
6位 『秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本』J・ウォーリー・ヒギンズ
6位は日本をこよなく愛する「撮り鉄」ヒギンズ氏による、昭和30年代の写真集。新書形式の写真集はなかなか珍しくて、このあたりにも編集部の「多様性」という方針を感じるなと思います。厳選382枚が入っております。
そして先週、この本の続編が発売されました!こちらはなんと544枚!
ヒギンズさんって一体、何者・・・?と感じる方も多いと思います。
刊行に際して、その正体(ご存命です)と写真の裏話を紹介していますので、こちらもあわせてお読みくだされば嬉しいです。
5位 『世界の危険思想』丸山ゴンザレス
PARCOでのイベント「丸山ゴンザレス 地球のカオス展」など、今年も大忙しだった丸山ゴンザレスさんの著書が5位に。
熱狂的な支持を集めたTBS系「クレイジージャーニー」は残念ながら終了してしまいましたが(それにしてもニャオペは衝撃でした)、今後もその活動から目が離せません。次はどこの危険地帯へ行くのでしょうか。
そしてこのタイトル、ひとつの「トリック」になっています。仕掛けの中身は、最後まで読むとわかります。本当に危険な思想とは、実は・・・?
ちなみに、丸山さんは酒の席でのトークも抜群に面白いです。ここでは書けない話しかありませんが(笑)
4位 『残業学』中原淳+パーソル総合研究所
「あるある話」や「武勇伝」で語られがちな「残業」。その組織的な構造と背景にある心理を、2万人規模の調査データを基に分析した稀有な書籍です。
平日と比較して土日に圧倒的な売り上げを誇る、特徴的な売れ方をしています。きっと平日に買う暇がないのでしょうね(涙目)
この本は私も(一部ですが)担当しましたので、大変思い出深い一冊です。
当時は、新書編集部へ異動してきて数カ月。右も左もわからない中(今でもよくわかっていませんが)、色んな人に叱咤激励されながら作った記憶があります。校了間近、「『残業学』を作るために残業する」という大いなる矛盾を体験。長時間労働がいかに人間の創意工夫を奪い生産性を低下させるか、身をもって味わいました(笑) ※以降はなるべく残業しないで済むようにしています
ヤギワタル(@yagiwataru)さんの素敵でわかりやすいイラストや、膨大なデータを基に作成された表やグラフなど、文章以外にも見どころたっぷりの一冊です。
それでは、ここからはベスト3!!
3位 『セイバーメトリクスの落とし穴』お股ニキ(@omatacom)
野球界に旋風を巻き起こした通称「#お股本」。この本も私の担当です。
千賀滉大投手や金子弌大投手など名だたる選手に愛読してもらうなど、想定外の事態が続きました。
他にも人気野球漫画『BUNGO』『ダイヤのA』などで取り上げていただき、そのご縁もあって現在は「ダイヤのA」仕様の帯になっています。
著者のお股ニキさんは正体不明の謎の野球評論家ですが、私は少しだけその素顔を知っています。もちろん秘密です。
2位 『認知症の人の心の中はどうなっているのか?』佐藤眞一
「認知症になって記憶が失われても、心が失われるわけではない」
とは、よく聞くフレーズです。
では、その「心」とは、一体どのようなものなのでしょうか?
それを本書では、できる限り具体的に示したいと考えています。
心の内を知り、その人の内なる世界を尊重することが、
認知症の本質である「生活の障がい」と「孤独」の軽減につながり、
幸福につながると信じるからです。
これもタイトルが秀逸な本ですね。
日常会話によって認知症の人を知り、会話を増やすためのツール「CANDy」を知ることができます。身の回りに認知症のお知り合いや御親族がいらっしゃる方はもちろん、純粋に気になっている人もぜひご一読を。
それにしても、表紙半端ないって。
さて、いよいよ1位がやってまいりました。・・・1位はこちら!
1位 『死にゆく人の心に寄りそう』玉置妙憂
これは売れましたね~。今も売れています。特に、クローズアップ現代+への出演をきっかけに売り上げが爆発的に伸びました。7位の『運気を磨く』と同様、科学と神秘を兼ね備えた視座が人気の理由なのでしょうか。
以上、2019年の光文社新書売り上げベスト10でした!皆さんの読んだ本は入っていたでしょうか? 気になる本があれば、ぜひ読んでみてくださいね!(いかがでしたかブログの香りを添えて)