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【年末のご挨拶】一人のファンとして野球を見て感じていること

熱烈な巨人ファンで、多くの野球マニアや選手たちからフォローされるゴジキさん(@godziki_55)。
今回はゴジキさんから読者の皆様へ、光文社新書note1周年記念を兼ねて、年末の挨拶をさせていただきます。

「お股クラスタ」への感謝

みなさまこんにちは、ゴジキ(@godziki_55)です。
昨年から、光文社のメディア『本がすき。』をはじめ、さまざまなメディアで発信の機会をいただいています。

その中で特に、お股ニキ(@omatacom)さんをはじめとした「お股クラスタ」の方々からは多くのツイートや記事を参考にするなど、大きな刺激を受けており大変感謝しています。シーズン中の解説はもちろんのこと、(まさに今の時期がそうですが)オフシーズンの分析や考察も面白く、日々勉強させていただいてます。来シーズン以降も、「お股クラスタ」各人の先見性やセンスにあふれた発信を楽しみにしています。

「プロ」でなくても野球に携われる喜びを感じた2020年

光文社が運営するサイト『本がすき。』には昨年から寄稿していましたが、今年はREAL SPORTS、THE DIGEST(Slugger)などの媒体でも記事を書かせていただきました。このような、スポーツに特化した専門メディアで書く機会をいただけたことは非常に光栄です。

そして、このnoteを連載している光文社さんに関しては、今年だけで『本がすき。』とnoteを合わせて、89本(12月21日時点)もの記事を執筆しました。また、9月から『巨人軍解体新書』という名で連載枠も持たせてくださり、大変恐縮です。
このような御時世だからこそ、来年以降もどんどんメディアを通して発信したいと思っています。

自分にとっての「最適なバランス」を考え抜いた1年

さて、年内で80本以上の記事を書かせていただいたわけですが、(一般的な基準値はわからないのですが)これはなかなかの本数ではないかと思います。ですが、個人的には無理して書いた記憶はなく、楽しくやらせてもらいました。窮屈な感じやハードワークをしている感じも特にしませんでした。

少し話が飛びますが、世の中の色々な仕事/職場の話を見たり聞いたりしていると、目の前のことに意識がいきすぎて「本業が第一」であったり、「プライベートな時間を削ってでも仕事をする」生き方が美徳のようになっている印象を抱きます。

ですが、自分はそうありたいとは思いませんし、死に物狂いで頑張ることは(もちろんそれが必要な瞬間もありますが)、全ての局面で必要だとは限らないと考えています。仕事が重要でないとは言いませんが、それが全てとも思えない。
だからと言って切羽詰まっているわけでもなく、記事を書くときもある程度は自分のペースでゆとりを持って書かせていただいているからこそ、様々な編集者さんからお声がけされるようになっていたのかなと、手前味噌ながら考えています。

選手として巨人軍のV9時代を支え、指揮官として西武の黄金期を支えた森祇晶氏は「普段、チャランポランな性格の選手の方が、いざというとき意外に頼りになる。」という言葉を残しています。

特に勝負事や重要な試合などにおいては、いわゆる「ヤンキー理論」に近いのですが、こうしたパーソナリティを持つ選手が頼りになる傾向は確かにあると思います。つまりは要所における力の入れどころが重要であり、常に力を入れ続けることは困難なわけです。だからこそ、自分に合った「最適なバランス」を意識して来年以降も取り組んでいきたいと思っています。

カテゴリ問わず「感性」が問われる時代に

ここまで個人的な話をしてきましたが、野球の話もしたいと思います。
近年、野球を見るにあたり、さまざまな視点から汲み取れるデータが普及しているのはみなさんもご存知でしょう。人間も、(かなりざっくりとした言い方ではありますが)論理を重視する「左脳派」と直感を重視する「右脳派」で分かれるとすれば、これまで基本的に左脳派が重宝されてきました。ただ、昨今はより右脳的な、感性やセンスで物事を把握していくスタイルも必要になってきていると感じます。

データに基づいたマニュアル的な指導法にも当然よいところはありますが、感性的な指導の場合は「伸び代に限界が生じない」という大きなメリットがあります。強く言いたいことですが、データだけではわからない点は多々あるでしょう。

具体例を挙げます。2020年の巨人軍打線は、145km/h以上や150km/hに対する打撃成績を見てみると、12球団トップクラスの打率でした。ですが実際のところ、球速だけでは測れない「強度のあるボール」に対しては明らかに力負けしていました。これは巨人の多くの試合を見てきた私の実感ですし、ソフトバンクとの日本シリーズを見た方なら直感的に納得いただけると思います。

別の例を挙げてみます。横浜DeNAに移籍した田中俊太と柴田竜拓は、成績やポジションで見ると似たようなタイプと思われがちです。しかし、田中はシーズン終盤の大事な時期にコンディションを上げていく、実践型でありながら旧型の2番打者です。一方で柴田は2番打者のタイプでない。これも正直、ぱっと見の「直感」でわかることです。

その他にも、中田翔の「打点を生み出す能力」やここ一番の勝負強さも彼のプレーを見て感じ取れることです。中田は得点圏打率が坂本勇人のように特別高いわけでもないですが、生まれ持った感性で打点を生み出している部分があります。

選手のひとつひとつのプレーがデータを超えたときにドラマが生まれ、最高のエンターテインメントとなる。それこそが野球の醍醐味ではないでしょうか。データを把握することは大前提ですが、その上で感性も活かした「感覚値」に統合して落とし込むことが、データ以上の成果を導くための鍵になっていくと考えています。

お股ニキさんや、たとえば野球以外のジャンルであれば山口周さんといった方が著作に書かれる通り、「直感」や「感性」で「気づき」を得ることは、カテゴリを問わず非常に重要なものになっていく一方です(繰り返すと、この方たちは論理やデータが不要だとは一言も言っていません。どうやってその一歩先へいくか、という話です)。

これまでの成功や失敗の体験、その積み重ねで得られた知見によって、言葉やデータでは表せない「直感」「感性」が生まれ、実際に機能するようになります。
ロジックやエビデンスはいつか「限界値」に達してしまうので、それだけだと「直感」を持つ相手に劣ってしまうケースも生まれます。今後もデータの精密化はどんどん進んでいき、(プロだけではなく)多くの選手/チームへ普及され続けていくでしょう。その中で、真のトップに立つ選手/チームは、思わず「芸術点」をあげたくなるようなドラマチックなプレーをすることが、勝利のためにもファンのためにも重要になっていくと思います。(例えば、2017年WBCの日本対オランダのような) 「魅せる野球」が求められている、と言うこともできます。

長くなりましたが、2021年も巨人軍を中心に色々な野球記事を楽しく書かせていただければと思います。読者の皆様には、これからもお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

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