
#勝手に社内リレーPLAYBACK vol.36
光文社新書のTwitterで月〜金につぶやいている「#勝手に社内リレー」を厳選プレイバックしていくこちらの連載。光文社古典新訳文庫のツイートを受け、光文社新書が「勝手に」ひもづけて、あるいはこじつけて既刊本をご紹介していきます! 担当・田頭の「勝手な」ふり返り付き。
『書記バートルビー/漂流船』→『談志の十八番』
バートルビーくんと彼をとりまく人たちの不条理さは、家元が言うところの落語に出てくる長屋的イリュージョンという気がしないでもないのでこちら🙇♂️
— 光文社新書 (@kobunsha_shin) March 30, 2021
📖広瀬和生/談志の十八番: 必聴! 名演・名盤ガイド (光文社新書) https://t.co/rpnONf8tFj#勝手に社内リレー#毎度のっかってすみません https://t.co/Hw9ED4HNmQ
担当の自己採点★★★ 落語=イリュージョン論がよくわかる家元のネタといえば、やっぱり「やかん」になるのでしょうか。個人的には、それこそ何度でも泣ける「芝浜」をまた生の独演会で聞きたかったです。
『薔薇とハナムグリ』→『昆虫はすごい』
たとえば「ハナムグリ」と「コガネムシ」の違いを即座に言えてしまうような独特の世界観を楽しむならこちら🪲🐞🐝
— 光文社新書 (@kobunsha_shin) March 31, 2021
📖丸山宗利/昆虫はすごい (光文社新書) https://t.co/8EoYZZGd13#勝手に社内リレー#毎度のっかってすみません https://t.co/rdO2Artjfc
担当の自己採点★★★★ 了見の狭いことにあまり虫を見て心躍らせるタイプではなく、『昆虫はすごい』について書くべき資格を持たないのですが、モラヴィアについては好きな作品があります。河出文庫から出ていた『軽蔑』という暗い小説で、フランス文学者の河盛好蔵がなぜか共訳者に名を連ねているという一冊。これは映画版ともどもご覧いただきたい傑作です。
『オリヴィエ・ベカイユの死/呪われた家』→『新・居酒屋百選』
一方の(かなりの!)長篇の代表作といえば『居酒屋』なのでこちら🍶🍺
— 光文社新書 (@kobunsha_shin) April 2, 2021
📖 太田和彦/新・居酒屋百選~名酒放浪編~ (光文社新書) https://t.co/3v17cHO7wU#勝手に社内リレー#毎度のっかってすみません https://t.co/ASQhadLvZE
担当の自己採点★★★ 『居酒屋』は続編の『ナナ』と併せるとかなりの長篇ですが、時折無性に読みたくなります。たしかに短篇も長篇もどれもおもしろい。本棚に余裕があるなら、全集で揃えたくなる作家ですね。
『椿姫』→『リンボウ先生のオペラ講談』
小説からではなくオペラから入った身としては、個人的に偏愛しているジュリーニ盤が紹介されていて嬉しいのでこちら🎻🎺🎶
— 光文社新書 (@kobunsha_shin) April 6, 2021
📖林望/リンボウ先生のオペラ講談 (光文社新書) https://t.co/fl8DNxDm4n#勝手に社内リレー#毎度のっかってすみません https://t.co/b2pQvQvFR7
担当の自己採点★★★★ ジュリーニ/スカラ座盤(1955)は、レコード時代からリマスターが繰り返し発売される名盤中の名盤ですが、マリア・カラスだけじゃなく、ディ・ステファノやバスティアニーニといった他の配役も素晴らしいんですよね。こんな名演のせいで「マリア・カラスの呪い」と呼ばれるジンクスが生まれて、以後スカラ座で『椿姫』が上演しづらくなったというのも納得です。
『ソクラテスの弁明』→『論より詭弁』
ソクラテスの語りの見事さを、修辞学的に読みとける一冊はこちら🤔
— 光文社新書 (@kobunsha_shin) April 7, 2021
📖香西秀信/論より詭弁~反論理的思考のすすめ~ (光文社新書) https://t.co/2vpi7JzaN9#勝手に社内リレー#毎度のっかってすみません https://t.co/Cd8r7ltOXN
担当の自己採点★★★ ポイントは、語りは騙りにもなりうる、というより有効に活用すべきということになろうかと思いますが、香西先生、早逝されたことが本当に残念でなりません。