【名言集】光文社新書の「#コトバのチカラ」 vol.46
倉島節尚『辞書と日本語』
自分では使わないし、学生やうちの子供には使わないほうがいいと指導はするが、「ら抜き言葉は規範に外れていてけしからん」と声高に咎めることはしない。個人の心情としては気に入らないが、これも結局は言葉の変化の一つの表れだと見ているからである。
小西行郎『早期教育と脳』
早期教育の価値観は、他人よりも少しでも抜きん出ることをよしとするものです。人間の幸福を、身分獲得やステータス、学歴社会における勝利に価値を置いたものです。しかし、これは「できる子」はよくて、「できない子」は悪いという偏見につながりかねません。
田崎真也『接待の一流』
「もてなし」=「ホスピタリティ」は無償ですが、「サービス」は有償なのです。
よくホスピタリティとサービスが混同して語られるケースがありますが、根本的な違いがあるのです。
井出草平『アスペルガー症候群の難題』
診断は、介入によって患者の生活や人生をよくするという目的のために行う。診断が臨床現場で重要なのは、診断が治療の指針となり、患者の人生を左右するものだからだ。
杉浦一機『墜ちない飛行機』
60年代の羽田空港には見送り客が大勢詰め掛けていた。滅多にチャンスのない海外旅行の門出を祝うためでもあったが、「永遠の別れ」も想定して水盃を交わしたり、手を取り合って涙を流す光景も珍しくなかった。「選ばれたエリートの名誉」と「空の危険」は、背中合わせだったのである。
NHK取材班『外国人"依存"ニッポン』
実は、外国人は義務教育の対象にはなっていない。憲法は「国民」に対して、子どもに小中学校の教育を受けさせる義務を課している。しかし、外国籍の保護者は「国民」にはあたらず、対象外としているからだ。
生島淳『駅伝がマラソンをダメにした』
選手の燃え尽き症候群。駅伝とマラソンがスケジュールとして共存し得ないこと。日本独自の競技である駅伝が肥大化することで、世界と競い合うトラック、マラソンが犠牲になっている。箱根の隆盛には、犠牲がともなっているのだ。