【名言集】光文社新書の「#コトバのチカラ」 vol.33
仲正昌樹『日本とドイツ 二つの全体主義』
日本にパッチワーク的に輸入された"教養"においては、共通の基礎となる「型」の部分が具体的にどのように構成されるべきかはっきりしなかったため、とにかく"偉大な西洋の思想家"の書いたものを雑然と読んで参考にしてみる、ということになりがちであった。
松原隆彦『図解 宇宙のかたち』
現代の宇宙観を何百年後の人類が見たらどう思うだろう。天動説を信じていた時代と五十歩百歩というところではないだろうか。現代の私たちも、何か大きな思い違いをしているのかもしれないのである。
宮下規久朗『食べる西洋美術史』
優れた美術作品は個人的な心情を許容する大きさと深さを備えている。そして、それらはときに悲しみに沈んだ者を救いあげ、浄化する力をも発揮するのである。そんなとき、美術はもはや趣味的な鑑賞の対象などではなく、宗教そのものに化しているといってよい。
土田美登世『やきとりと日本人』
ふと思う。こんなに多様化しているとはいえ、やきとり屋とは本来、串にさした肉を焼いて提供するだけの店である。こんなシンプルなものを多様化させていけるのは、シンプルの向こうに潜む奥深さを見つけ出す日本人気質なのではなかろうかと。
石野雄一『ざっくり分かるファイナンス』
経営者は、常に「現在の投資」と「将来のリターン」のバランスをとる必要があるということです。投資なくして、将来のリターンがないのはあたりまえです。
福岡伸一『できそこないの男たち』
私たちにとっての媒体とは何か。それは、時間である、と私は思う。時間の流れとは私たちの生命の流れであり、生命の流れとは、動的な平衡状態を出入りする分子の流れである。つまり時間とは生命そのもののことである。
田中一明『ラーメン超進化論』
食べ手は、インターネットを通じ、ありとあらゆるラーメン店の情報を知り、実際に足を運ぶようになる。(中略)情報源の主力が完全にインターネットへと移行したことにより、食べ手が入手できる情報の総量は劇的に増えた。