【名言集】光文社新書の「#コトバのチカラ」 vol.15
飯間浩明『辞書を編む』
本当に必要なことばを集めるためには、まず、あらゆることばを「おもしろい」と思うこと。未知のことばはもちろん、当然知っていることばでも、改めて別の面から眺めてみて、価値を再発見する。そういう姿勢が不可欠です。
鈴木隆美『恋愛制度、束縛の2500年史』
ヨーロッパとは全く違った文化的土壌、そこから生み出された特有の言語文化をもった日本人は、ヨーロッパの地で熟成された精神的恋愛を、表面的になぞることはできても、本当に理解できるはずはなかったのです。
浜本隆志『謎解き アクセサリーが消えた日本史』
大多数の農民の生活では、水の管理、イネや穀類の育成、収穫時などに、共同作業がつきものであった。この村落共同体の生活のなかで、アクセサリーによって他者との違いを顕在化させることは、結束を乱すという意味においてあまり好ましいこととみなされなかった。
長沼毅 藤崎慎吾『辺境生物探訪記』
両極や砂漠、地底、深海といった一見、住みにくそうな場所へ行く人間もめったにいないが、それは他の生物でも同じである。「普通の」生き物は、ぬくぬくと住みやすいところを選ぶ。あえて辺境に暮らしている生物には、やはり変わった連中が多い。
難波功士『ヤンキー進化論』
80年代前半に類型化されたヤンキー・スタイルは確かに退潮にあるのだろうが、その後も「広い意味でのヤンキー」や「ヤンキー的なもの」は意匠を変えつつ現れ続け、「ヤンキー」の語は延命し続けたのである。
安城寿子『1964東京五輪ユニフォームの謎』
最初に日の丸ありきの発想ではなく、「わがヒノモトの国」というフレーズから、まず、日本と太陽の結び付きを思い、そこからの連想で、日本国旗が日の丸であることにも思い至るというのが望月の辿った思考の流れだった。
柏井壽『京料理の迷宮』
遠い海の恵みと、身近な川魚。これらを料理するには京都の水、そして先人が智恵を絞り、工夫を重ねて来た技や、多くの手間が必要なのだ。その下拵えを施された魚と、京都の水と土が育てた野菜を出会わせることで、京都独特の「食」が生まれ、連綿と続いてきたのである。