【名言集】光文社新書の「#コトバのチカラ」 vol.35
出口治明『教養は児童書で学べ』
子どものころに本をたくさん読んでおくと、そのときはわからなくても大人になってから何かが結びつくことがたくさんあります。
そうした経験がたくさんあればあるほど、人生は楽しくなるのです。
篠宮龍三『素潜り世界一』
重力に身を任せて潜行していくこのとき、僕は無上の心地好さを覚える。海の青色が深まり、太陽の光が遠ざかっていく。海に吸い込まれ、全身が溶けていくようだ。考えることはただ一つ――心をまっさらにして、海に抗わないことだけである。
長山靖生『貧乏するにも程がある』
文化資本の中核部分は、ある人々にとっては生まれながらに備わっているが、他の人々には、生涯、獲得するのが不可能なものである。当人の努力や心がけでは、どうすることもできないという意味で、「文化」は金にも増して、決定的に排他的であり差別的なのだ。
仲村和代 藤田さつき『大量廃棄社会』
知ろうとする人が一人増え、さらに変えようと一歩踏み出す。それが少しずつ増えれば、いまの方向性は変えられる、と信じることは、あまりに楽観的すぎるだろうか。
でも、そうすることでしか、変えることはできない。大量廃棄社会の現実を変えられるのは、私たち一人ひとりなのだ。
山田英夫『ビジネス・フレームワークの落とし穴』
企業で使われる経営手法・フレームワークは、使い方によって両刃の剣であり、誤った使われ方によって意思決定が歪むこともある。また、作成者の主観や意志が入り込んでいることを知らずに意思決定していると、大きなミスをしてしまうこともある。
所澤秀樹『鉄道会社はややこしい』
地下鉄と郊外鉄道の相互直通は、日本ならではの特異な都市鉄道整備の手段・文化ということができよう。東京名物いろいろあれど、地下鉄の相互直通もその一派なりで、新幹線同様、世界にもっと誇ってもいいと思う。
河本敏浩『医学部バブル』
医師国家試験や大学の単位認定は非常に厳しいが、司法試験や国家一種試験ほどの難しさがあるわけではない。医学部生として標準的な勉強をしていれば、ほぼ医師になれるという現実は、社会的な称賛を得られる職業に就くハードルとしては破格に低い。