【名言集】光文社新書の「#コトバのチカラ」 vol.29
中川佳子『「情報を見せる」技術』
デザインの世界では、まず、目的ありきです。何のために何をするのかということがはっきりしているものに対する行為を「デザイン」と呼ぶのです。
横尾忠則『本を読むのが苦手な僕はこんなふうに本を読んできた』
嫌々書いた本は一冊もない。どの本も誰かに読んでもらいたいと思う本ばかりだ。読書後の記憶はほとんど忘却しているが、これらの本を選択した意志は何らかの形で僕の創作と人生とは無縁ではないように思う。
川崎大助『教養としてのロック名盤ベスト100』
あらゆるものを取り込んで、いかようにも変化していける。しかも「どう変化しても」それがロックだと「わかる」ものこそがロックなのだ、という、まるで禅問答のような定義の繰り返しのなかにこそ、ロックの全歴史がある。
浅原須美『お座敷遊び』
長年にわたる付き合いの中で、強い結びつきが生まれ、それが土台となって花柳界という独特の世界を作り上げてきた。そこが、同じ芸者の世界でも、旅行先の温泉旅館でいわゆる温泉芸者を呼んで、一晩限りの宴会で遊ぶのとは根本的に違う「都市の花柳界の文化」だといえる。
荒木経惟『写真ノ説明』
撮った時の心境や周りの状況というものは当然あるんだけど、それをなぞるような見方じゃなくて、見るほうが自分なりに解釈すればいいの。ストーリーっつうか、人生っつうか、そういうものを見てくれればいい。
長野伸江『この甲斐性なし!と言われるとツラい』
「馬鹿野郎」は馬鹿な野郎をいうだけでなく、親愛の情や強い否定の気持ちなど、さまざまな場面で意味を変える。そのため「馬鹿野郎」の意味を正しく読み取ることは非常に難しい。しかし、つねに自分中心の立場から発することばでもある。
小笠原敬承斎『武家の躾 子どもの礼儀作法』
子どもが生まれてから初めて出会う社会は、家族との生活だ。この小さな社会こそが、礼儀作法を躾ける場であり、こころの成長にも欠かすことのできない重要な時期だ。家庭において、年長者を敬うこころや年下の人を大切にする配慮を学ばずして、バランスのとれた人間が育つはずがない。