ゴジキが振り返る2021年シーズンの巨人軍【6月】(投手編)
熱烈な巨人ファンで、多くの野球マニアや選手たちからフォローされるゴジキさん(@godziki_55)が巨人軍を分析。
2021年シーズンの6月は山口俊の復帰や高橋優貴の好調など、ニュースの多い月となりました。まずは投手陣の1カ月を振り返ります。
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山口俊の電撃復帰が投手陣に与える影響
2019年のシーズンオフにMLBのトロント・ブルージェイズへと移籍した山口俊だったがが、6月10日に正式に巨人へと復帰することになった。今シーズンは菅野智之が不調のため、先発ローテーションの柱は内容・結果ともにキャリアハイの活躍を見せる高橋優貴や、勝ち星がついている戸郷翔征になっているのが現状だ。
メジャーでの投球内容に気になる部分はあるが、山口俊はイニングイーターとしても優秀なため、中継ぎや抑えではなく、あくまでも2018年のように先発の一角として投げる姿に期待したい。実際、注目に応えるかのように、復帰初戦は得意の地方球場で5回2/3を投げて今シーズン初勝利を挙げた。この試合では、2019年に山口俊をキャリアハイの成績に導いた小林誠司がリードをし、上手く投球を組み立てる場面が多々見られた。
さらに、6月30日の広島戦では、野間峻祥に決勝ホームランを打たれて敗戦を喫したものの、8回1/3までノーヒットピッチングを披露した。
巨人移籍1年目の内容や素行問題によって過小評価されていた部分もある山口俊だが、今後貴重な戦力になっていくのは間違いない。
勝ち頭の高橋優貴は表ローテーションに回すべきか
今シーズンは菅野の離脱に加え、4月に好調だった今村信貴も調子の下降によって離脱をしている中、高橋優貴は開幕から好調をキープしている。13試合に先発し、リーグトップの8勝(6/30終了時点)。さらに、防御率もリーグ4位の2.64 (6/30終了時点)を記録している。左腕の高橋が登板する試合は他球団が右打者を並べることもあるが、右打者から見て打ちづらい投球スタイルということもあり、右打者の被打率は.201(6/30終了時点)を記録している。
これだけ調子が良いと東京五輪明けからは表ローテーションに回される可能性もあるが、個人的には現在のように裏ローテーションで回しながら、しっかりと勝ち星を積み重ねていくことが重要だと考える。
ブルペン陣の「勝ちパターン以外」は充実
今シーズンは、ブルペン陣の柱として期待され、東京五輪の日本代表にも選出されていた中川皓太が左肋骨の骨折のため離脱している。その中で、いつもの勝ちパターンではなく、リードされた時などに登板する投手が目立っている。具体的な名前を挙げると、昨シーズン中に支配下登録された田中豊樹と戸根千明は、こうした役割から勝利を呼び込む活躍をしている。
田中は、20試合の登板で防御率1.89 (6/30終了時点)を記録しており、特に6月は9試合に登板して防御率0.77の好成績。また、戸根も慣れない回跨ぎの起用に対応している。ただ、1イニングをしっかり任せる方向で起用していけばパフォーマンスはさらに向上するように思う。
また、田中や戸根のような「勝ちパターン以外」では戸田懐生や直江大輔ら期待の若手も、余裕のある展開で投げさせていきたいところだ。リリーフ全体の状態は上がってきているので、運用体制を含めてさらなる改善をした上で、阪神を猛追してほしい。
※各球団投手陣データ(参照:aozoraさん)
今シーズンの交流戦までは、昨シーズンから目立っていた起用法の粗さに想像を超えるものがあり、勝ちきれないだけでなく複数人もの中心選手が不調や怪我で離脱する結果になってしまった。残り試合数も少なくなってきたが、役割分担を改善し、逆転優勝する姿を見せてほしい。