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巨人・阪神・ヤクルトの三つ巴を制するのは? セ・リーグ優勝争いの行方を探る

熱烈な巨人ファンで、多くの野球マニアや選手たちからフォローされるゴジキさん(@godziki_55)が巨人軍を分析。
阪神・ヤクルトと三つ巴の首位争いを繰り広げる巨人は6連敗と大失速。ただそれでも首位の阪神とは3ゲーム差に踏みとどまっています。一方、ここにきて逆転優勝の芽が見えてきたのがヤクルト。3チームそれぞれの置かれた状況とは…。

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巨人にはリーグ優勝しか許されない

まず大前提として、過去2シーズンと比べて接戦となっているが、それでも巨人にはリーグ優勝が求められる。「CSに出られればOK」という発想はありえないし、巨人には優勝しか許されていない。どの球団よりも高い視座を持たねばならないのだ。シーズンを途中で「捨てられない」、つまりは勝ち続けた上で同時に若手選手を育てなければならない。巨人という球団は常に、「勝利」と「育成」の二兎を追う宿命にある。

リーグ優勝とは一つの「ミッション」であり、そのミッションがあるからこそシーズンごとの様々な環境の変化にも対応できている。さらに、選手たちに対する「当たり前」のハードルも高いため、スケールの大きなスターが育つことに繋がっている。現場の選手たちはAクラスは最低条件、優勝してようやく認められるようなプレッシャーと日々戦っているのだ。

チーム状態は良くないが選手層に勝る巨人

そんな巨人だが昨日の試合で広島に勝つまでは6連敗とチーム状態が非常に悪く、10試合も勝ち星が遠ざかっていた。ただそれでも、首位阪神とのゲーム差は3ゲームに踏みとどまっている。
一つのターニングポイントだった阪神との3連戦については前回の記事で詳しく書いたが、投手継投が裏目に出たことや早い段階で坂本を下げてしまったこと、守備の乱れなどもあり、1勝もできないまま終わった。そうした負の流れを以降のカードでも引きずっていたが、仕切り直していきたい。

守護神であるチアゴ・ビエイラが離脱したものの、先発陣やブルペン陣の物量は厚いため、交流戦明けのような無理な起用さえしなければ、逆転優勝の臨みはあるだろう。だからこそ、今更遅い部分はあるにせよ、中4日で回していくローテーションや回跨ぎした投手の連投、継投策のタイミングの悪さ、無意味なマシンガン継投を含めて、起用法は改めるべきである。

17日〜19日にヤクルトと2試合、阪神と1試合が組まれているが、ここで突き放されないためにも、無理のない戦いをしていくことが求められる。むしろゲーム差を詰め直して流れをもう一度引き寄せることで、原巨人3度目のリーグ3連覇を達成してほしい。

僅差で首位を走る阪神はサトテルを使い続けるべき

現在、首位を走る阪神に目を移すと、巨人には勝ち越した次のカードでヤクルトに1勝2敗と負け越してしまったが、首位にいる。今シーズンはルーキーの佐藤輝明が大活躍を見せてチームも躍進を遂げていたが、その佐藤が不調のため二軍へ落ちた。二軍落ちの前にはスタメンを外れる機会もあったが、来年以降はチームを主軸として引っ張っていく存在でもあるため、下位打線に置いてでも試合には出すべき選手だ。慣れない一発勝負の代打出陣によって、打撃の調子がさらに落ちた可能性も高い。

一時期は佐藤の不調により打順も本来の良さを消してしまう並びだったが、戻してからは巨人に勝ち越すなどした。特に巨人との2戦目(9月4日)、大山悠輔がサヨナラホームランを放った試合は、その後のシーズンが一気に阪神ペースになってもおかしくないような勝ち方だった。

続くヤクルトとのカードで負け越したためゲーム差を広げることが出来なかったが、シーズンを優位に進めていることには変わりない。今月は、ヤクルトと2試合、巨人と4試合あるため、この6試合で五分以上の結果を残せるかがポイントだ。

残り試合数が多いヤクルトは2015年の再現なるか

シーズン後半戦から首位争いに加わってきたヤクルトだが、残り試合数が阪神・巨人よりも6~7試合多いなど、実は優位な部分がある。ベテランの青木宣親が衰えを見せつつあるが、チーム得点数はリーグトップ。中でも、東京五輪の決勝で先生ホームランを放った村上宗隆は、下記の通り五輪後絶好調だ。

8月:打率.378  5本塁打  12打点  OPS1.376
9月:打率.361  2本塁打  14打点  OPS1.100

五輪ではチーム最年少の選手として下位打線で繋ぐ仕事をしながらも、最終的には長打を放ち金メダルに大きく貢献したが、その打撃は調子を上げている。前半戦は不調で心配されていたが、五輪を境に一気に洗練された。

その東京五輪でMVPに輝いた山田哲人も、自身5度目のシーズン30本塁打が間近となっている。個人の打撃成績を見ると岡本和真が頭一つ抜けているが、本塁打と打点2位の村上と本塁打4位・打点3位の山田が揃っているヤクルト打線の得点力は非常に強みである。加えて、新外国人のホセ・オスーナも9月は当たっており、相手チームからすれば厄介な打線となっている。

また野手陣ばかり目立つが、投手陣もこれまでのシーズンと比べれば悪くない。6年目の高橋奎二は登板数こそ少ないものの、安定した投球を見せており、2年目の奥川恭伸も6勝を挙げている。さらに大ベテランの石川雅規も、安定した投球ぶりだ。エースとして優勝を経験している小川泰弘あたりが、最後にもう一押しの頑張りを見せられるかがポイントになるだろう。

打線はリーグ優勝した2015年のような繋がりを見せているため、残りの試合数を考慮してもひっくり返せる可能性は高い。

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