ゴジキが振り返る2021年シーズンの巨人軍【3・4月】(投手編)
熱烈な巨人ファンで、多くの野球マニアや選手たちからフォローされるゴジキさん(@godziki_55)が巨人軍を分析。
2021年シーズンの3~4月、セ・リーグは阪神の好調ぶりと横浜の連敗が目立つ形に。巨人は昨年からの流れを汲む安定した戦いで、阪神と3ゲーム差の2位と好位置に(5/1終了時点)。野手陣に続いて投手陣の通信簿をお届けします。
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エース菅野が要所で見せた存在感
開幕直後に離脱があったものの、復帰後はエースに相応しい投球を見せている菅野。復帰後初勝利となったDeNA戦は完封、広島戦でも完投勝利と圧巻の姿を披露した。
特に4月23日の広島戦、ピンチの場面で西川龍馬を併殺打に打ち取った投球にはエースとしての「意地」が見られた。
リーグでもトップクラスの球威はもちろんのこと、このような抜群の制球力と緩急を自在に操る菅野には今年も引き続き注目だ。
菅野の離脱を埋めた2人の左腕
エース菅野の離脱があった中で、大きな働きを見せたのが、高橋優貴と今村信貴だ。
高橋に関しては、両リーグトップとなる無傷の5連勝で4月を締めくくった。これは、1989年の桑田真澄と2007年の高橋尚成に並ぶ快挙だ。防御率もリーグ3位(4/30終了時点)と、月間MVP最有力候補に間違いない。さらに、昨シーズン終盤から先発ローテーションの一角を担っている今村も、防御率はリーグトップ(4/30終了時点)を記録している。
この両左腕の働きもあり、菅野が離脱したにもかかわらず、4月はリーグトップのQS率を記録した。菅野が復帰して、さらにゲームメイク力がついた先発陣には5月も期待していきたい。
戸郷のパフォーマンスが懸念材料
今シーズン、開幕2戦目に任命された戸郷翔征は、内容と結果自体には合格点をあげられるものの、さらなるレベルアップは必須だ。求められるハードルが高いこともあるが、昨シーズンの序盤のような圧倒的な投球内容を見てしまっていると、今シーズンはどこか物たらなさがある。
現状は、序列から見ても菅野に次ぐ2番手としてある程度の重責があるだろうが、エンジェル・サンチェスや畠世周が昨シーズン終盤のような働きを見せれば、プレッシャーも和らぐことになるはずだ。それによってさらにパフォーマンスを上げる姿を見たい。
優勝にはCCメルセデスの復帰がキーポイント
阪神を追いかけるための一つの鍵が、CCメルセデスの復帰だ。今シーズン、序盤は左投手に苦戦をしている阪神打線へ対抗するためにも、2シーズンの間ローテーションの一角として投げてきたメルセデスの存在は不可欠だ。
メルセデスの阪神戦の投球成績
・2020年:2試合 2勝0敗 投球回数15回 防御率1.80
・2019年:4試合 1勝2敗 投球回数18回1/3 防御率2.95
※2019年CS:1勝 投球回数7回 防御率0.00
数字だけでなく投球の内容も良く、5回〜6回までしっかりと試合を作り、流れを引き寄せることができる点を考慮してもメルセデスの復帰は重要だろう。
加えて、阪神戦に強い高橋優貴は今シーズンがキャリアベストと言っていいぐらい調子がいい。イメージとしては、2008年の優勝争いの際に内海哲也(対阪神:8試合 4勝1敗 防御率1.49)とセス・グライシンガー(対阪神:5試合 4勝1敗 防御率1.80)を得意の阪神戦に当てたように、メルセデスと高橋を集中して当てていくのも一つの戦略だ。
阪神は好調なものの、4月20〜22日の3連戦では、巨人に対する苦手意識を払拭できなかったと見ている。巨人軍の今後の戦い方としては、阪神に対していかに「気持ち良く戦わせないか」も必要になっていくだろう。