前半戦最後の天王山! 巨人vs阪神3連戦の振り返り
熱烈な巨人ファンで、多くの野球マニアや選手たちからフォローされるゴジキさん(@godziki_55)が巨人軍を分析。
首位阪神を相手にまたも2勝1敗と勝ち越し、ゲーム差を「1.5」にまで縮めた巨人。大白熱の3連戦の内容と結果をおさらいします。
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巨人vs.阪神 1戦目(1-4)
今シーズン、最大で8ゲーム差がついた首位阪神と巨人だが、3連戦を前にその差は2.5にまで縮まっていた。そし、このカードも鎬を削りあう試合内容となった。
前回の3連戦と先発投手は変わらなかったが、阪神は前回と比較すると、ローテーションの順番は異なっていた。初戦は巨人が戸郷翔征、阪神が秋山拓巳の両先発。天王山3連戦に水を差すかのように、天候は決していいとは言えない状況だった。
この試合は3回、2失策で出たランナーを近本光司・糸原健斗の1,2番が返し阪神が2点を先制。巨人は5回にゼラス・ウィーラーのホームランで1点を返すが、阪神もその裏に近本のタイムリー、さらに6回はジェフリー・マルテのホームランで突き放した。巨人は直後の7回にノーアウト2,3塁のチャンスを迎えるが、天候の問題もあってこのタイミングで降雨コールドゲームに終わり、阪神が4-1で初戦を制した。
巨人vs.阪神 2戦目(8-1)
続く2戦目は、CCメルセデスと伊藤将司の両左腕が先発。巨人は初回から伊藤を攻め立てて初回に4点を奪う。さらに、先発のメルセデスも100球を越えても球威は一切落ちず、この上ないぐらいの投球を見せて、7回1/3を投げて1失点。6失点で降板した前回対戦の雪辱を果たした。巨人が8-1と快勝し、ゲーム差を元に戻した。
ただ残念なことに、この試合で梶谷隆幸が死球を受けて骨折し、離脱を余儀なくされた。
巨人vs.阪神 3戦目(1-0)
3戦目は、高橋優貴と西勇輝による投手戦となった。高橋優貴に関しては、先週のDeNA戦で5回を投げ切れずにマウンドを降りたこともあり、非常に気合いが入っているように見えた。松原聖弥や坂本勇人の好守もあり、阪神打線を1安打に抑える素晴らしい投球を披露。打線の援護を待つ形となった。
すると8回、巨人は亀井義行の二塁打を足掛かりにチャンスを広げ、大城卓三がタイムリーを放ち待望の先制点を挙げた。その後は大江竜聖からチアゴ・ビエイラへの継投で、1-0のしびれる投手戦を制した。
この3連戦では前回と同じローテーションで挑んだ巨人だが、阪神戦に強いメルセデスや高橋はもちろんのこと、不安定ながらも阪神への苦手意識はない戸郷を並べ、最悪の3タテは免れる戦略だったように映る。チーム状態は若干落ち着き始めたが、この3連戦は地力の差が見える結果とも言えた。
交流戦終了時には阪神に8ゲーム差まで広げられた巨人軍だが、そこで踏みとどまり徐々にゲーム差を縮めている現状は、追われている阪神にとっては嫌な気しかしないはずだ。加えて、要所での巨人戦に勝ち切れないことも、無駄に意識することに繋がっているだろう。
巨人はブルペン陣が整備されつつあるが、梶谷の離脱により、野手陣の打力がさらに下がることが想像される。早い段階で、現有戦力で戦うか新戦力を獲得するかの意思決定が必要になるだろう。その点、投手陣はエースの菅野智之の調子がなかなか上がらないものの、早い段階で山口俊を獲得したことにより、メルセデスの復帰とあわせた相乗効果が出ているのではないだろうか。後半戦も、巨人と阪神という伝統球団が首位を争う直接対決に要注目だ。