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巨人軍歴代最多1067勝。原辰徳が「若大将」から「名将」になるまでの監督キャリアを振り返る

熱烈な巨人ファンで、多くの野球マニアや選手たちからフォローされるゴジキさん(@godziki_55)が巨人軍を徹底分析。
今回のテーマは先日、巨人軍歴代最多となる1067勝をあげた原辰徳氏について。これまで3度あった原政権にはそれぞれどのような特徴があり、原監督の采配はどこが優れているのでしょうか?

第一次政権から光っていた若手の抜擢

「若大将」と称された原辰徳。最初に監督就任した「第一次政権」の1年目(2002年)から、若手選手を積極的に起用するなどしてリーグ優勝、日本一を成し遂げた。

原氏の手腕として就任当初から光っていたのは、自ら見出した若手や中堅の選手を積極的に起用していく采配や運用力である。これまで対左投手の先発試合ではベンチに座ることも多かった清水隆行を1番打者に抜擢して固定。阿部慎之助も2年目ながら正捕手そしてクリーアップを任せられるほどに成長させた。

また、中軸であった清原和博の離脱による穴を斉藤宜之の起用によって埋め、万年怪我に悩まされていた河原純一を先発から抑えに回したことも上手くハマった。

勝利と育成の二兎を追いかけた第二次政権

2003年に一度身を引いた後、チームの再建が急務となり2006年に監督復帰。この年こそ4位に終わったが、続く2007〜2009年の3シーズンは王朝を築く。

小笠原、ラミレス、阿部ら主軸の安定した活躍に加えて「代打の切り札」大道典良や「代走の切り札」鈴木尚広の力で勝利を掴み取り、同時に坂本勇人と山口鉄也をはじめとした若手の育成を行なった。その結果、投打ともに勝利×育成が噛み合い、リーグ3連覇と日本一を成し遂げた。

2010年、2011年のシーズンは優勝を逃したが、これまで燻っていた西村健太朗が成長し、2010年のルーキー長野久義、2011年のルーキー澤村拓一というドラフト1位選手が着実に結果を残した。そうした意味でこの2シーズンは、2012〜2014年の3連覇を達成する期間への土台を作ったと言っても過言ではない。

そして2012〜2014年は、スコット・マシソン、山口鉄也、西村の勝ちパターン「スコット鉄太朗」を確立し、接戦に強いチームを作り上げて3連覇を成し遂げた。野手陣も、2012年は右の代打矢野謙次、左の代打石井義人を起用し、競った展開でランナーが塁に出たら鈴木尚広を投入してプレッシャーをかけていく場面が多々見られた。

しかし、2014年〜2015年にはチームの欠点が浮き彫りになった。実績ある選手の怪我や衰えを以前のように若手の成長でカバーできなくなったのである。それにより、勝ち星のペースは年を重ねるごとに落ちていった。特に2015年は第二の坂本や山口のような存在がなかなか出てこなかったことや、選手の成長スピードの遅さが顕著に現れた。シーズンを2位で終えたのち、CSファイナルステージでヤクルトに1勝4敗で敗退し、監督を退任した。

成熟した采配でリーグ独り勝ち状態の第三次政権

その後、様々な研鑽を積み2019年シーズンから今に至る第三次政権が始まった。
シーズンオフには2年連続リーグMVPの丸佳浩を獲得し、「丸・坂本・岡本」というチームの土台となるコアを確立させた。実際、2019年はこの3選手だけで、100本近い本塁打数(98本)を記録している。

投手陣では、エース菅野智之の不調を山口俊が埋める形となり、2007年に上原浩司を抑えに回したように、田口麗斗や大竹寛、澤村といった先発ローテーションクラスの投手を中継ぎに回す運用が的中。彼らが先発登板時には出し切れていなかった出力の高さや投球術を披露し、抑え不在やマシソンの衰えなどでシーズン前に囁かれていた救援陣の不安を解消した。

そして今シーズンは復活した菅野と新星・戸郷の2枚看板と盤石なリリーフ陣を中心としたディフェンス力の高い野球で、リーグ首位を独走している。

原辰徳と坂本勇人が共に歩んだ「キセキ」

原氏の監督キャリアを振り返る上で欠かせない選手が坂本勇人である。二人はまさに師弟関係だろう。
もちろん阿部慎之助の存在も大きかったが、阿部の場合はルーキーの時、この年が監督最終年となった長嶋茂雄が我慢しながら、自身が叩き台となり育てあげた。その結果、翌年(原氏の監督1年目)の活躍に結びついたため、長嶋・原の共同で育てあげた選手と言える。

ただ坂本の場合、キャリアの最初から現在までほとんど原氏が見ている。ルーキーイヤーの中日戦でタイムリーを放ち、2年目は遊撃手として見出される「奇跡」的な巡り合わせで、二岡智宏の不祥事もあり、それ以降はずっと巨人軍の中心選手として活躍している。

原政権において坂本は、打撃型遊撃手として台頭した3年目、4年目の若手時代から守備型遊撃手になりつつあった中堅時代、そしてバランス型として最高水準に達してシーズンMVPに輝いた2019年シーズンとさまざまなスタイルに変貌しながら共に「軌跡」を歩んできた。

監督通算1067勝を挙げた試合での原氏の発言も興味深い。

「勇人は入団した時から知っていて、私が手塩に掛けながら育てると。一緒に泥んこになりながら練習したり、彼を助けてきた自負がありました。しかしここ数年は彼に頼ってると。今日もあの場面でホームランというのは、昔は私が育てたけど、今は彼に育ててもらってるなと頼もしく思ってます」

坂本をチームの柱として全面的に信頼していることがわかるコメントである。今後も、監督原辰徳と選手坂本勇人のキャリアを歩んでいく「キセキ」(軌跡・奇跡)に注目したい。

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