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東京五輪メキシコ戦の振り返り&アメリカ戦の注意すべきポイント

熱烈な巨人ファンで、多くの野球マニアや選手たちからフォローされるゴジキさん(@godziki_55)。
東京五輪、侍ジャパンは初戦のドミニカ共和国、2戦目のメキシコともに逆転勝ちを収め、グループAを1位通過しました。明日から始まるノックアウトステージではグループB1位のアメリカと激突。メジャーリーガーが参戦していないとはいえ、自力では抜けています。金メダルまであと3勝、日本はどのように戦えばよいのでしょうか?

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逆転で快勝もやや課題の残ったメキシコ戦

初戦のドミニカ共和国戦を逆転サヨナラで制した日本。第2戦の相手となったメキシコは、エイドリアン・ゴンザレスやオリバー・ペレス、フェルナンド・サラス、ダニー・エスピノーサらの元メジャーリーガーや、ラミロ・ペーニャやエフレン・ナバーロ、ジョーイ・メセネスといったNPBでプレーを経験した複数の選手を擁するチームだ。

メキシコの先発は左腕のファン・オラマスだったが、投げているボール自体は速くなく、早めに仕留められると見ていた。しかし初回はチャンスを潰す形となり、その裏には甲斐拓也のリードが裏目に出て、この試合も先制点を許す展開となった。

だが、優勝候補である日本は、2回にすぐさま甲斐のタイムリーで追いつき、3回に相手のミスで逆転に成功する。さらに、山田哲人と坂本勇人のホームランで突き放した。坂本は好走塁も見せ、記録に残らない場面でも活躍。大技と小技のバランスの良さから危なげなく勝利し、グループAを1位通過。ノックアウトステージへの進出を決めた。

投手陣で目立ったのは、2番手の伊藤大海である。ランナーを出しながらも2イニングを危なげなく抑え、ノックアウトステージでも第二先発やセットアッパーとして期待できる内容だった。ただ結果的には快勝した試合だったとはいえ、森下暢仁や平良海馬が打たれた場面では甲斐のリードに対して疑問が強く残る。次戦以降の課題であるだろう。

野手陣は、プレミア12で大活躍をし今大会も4番に座る鈴木誠也が未だにノーヒットな点が不安材料だ。浅村栄斗や柳田悠岐はランナーを返せる状態のため、ノックアウトステージから鈴木の状態が上がってくることに期待したい。

ノックアウトステージ初戦でぶつかるアメリカ代表の底力

ノックアウトステージの初戦は、グループBを首位通過したアメリカ合衆国だ。これまでの五輪では、バルセロナ五輪とアテネ五輪以外はメダルを獲得しており、上位に勝ち上がる安定度には図抜けた国でもある。

韓国戦では、ソフトバンクに所属しているニック・マルティネスが先制点を許しながらも、5回1失点に相手打線を抑えた。マルティネスは次の日本戦での登板はおそらくないが、DeNAの打者タイラー・オースティンには要注意である。ここまで大会を通じて打率.444を記録しており、初戦のイスラエル戦ではホームランも放っている。さらに、ヤクルトのスコット・マクガフも勝ちパターンとして投げてくる可能性が高いので、相手にリードを許さなず優位な展開で試合を進めていきたいところだ。

アメリカの投手陣を見ると、ドミニカ共和国やメキシコのように、先発投手はよくても2番手以降の能力が一気に落ちていくことはないだろう。クローザーまでしっかりと繋げてくるため、これまで2戦のような「力技」で後半に逆転することが難しいチームであると言える。

また、注目したい選手は2014年のソチ冬季五輪でスピードスケートの代表に選ばれていたエディ・アルバレスだ。今大会は2番打者として打率.375を記録している。さらに、4番に座っているトリストン・カサスは、MLBのトッププロスペクトとしても注目されている選手であり、韓国戦では逆転ツーランを放っている。これまでも、U18や五輪予選を含めた国際大会では大舞台への勝負強さを見せており、この2番から4番には注意すべき打者が並んでいる。

アメリカというチームを総合すると、NPBに在籍している外国人選手はもちろんのこと、元メジャーリーガー、トッププロスペクトにあたる選手がバランスよく揃っており、日本にとってはこの五輪を制する上で一つの山場になりそうな相手だ。日本はフル代表の国際大会で2017年のWBC、2019年のプレミア12とアメリカに敗れている。先発が予想される田中将大を中心とした戦いで、雪辱を果たして準決勝に進出したいところである。

東京五輪オープニングラウンド全体の印象

東京五輪の野球を全体的に見ると、CCメルセデスやエンジェル・サンチェス、オースティン、マルティネス、マクガフ等の外国人選手が各国の主軸として活躍しており、 NPBのレベルの高さがわかる大会となっている。

日本代表は2戦ともに先制点を許しながらも、逆転勝ちを収めてきた。明日のアメリカ戦は、これまでの対戦国よりもワンランク上のレベルが要求されるが、それにはなんといっても鈴木誠也に一本が出てほしいところだ。山田・坂本の1,2番が当たっていることや、浅村・柳田の打順が1,2番から離れていることから、なおのこと鈴木誠也がランナーを返せるか否かがポイントになるだろう。ただ、もちろん打線全体で点を取っていくべきではあるし、野手陣のバランスはこれまでの五輪よりも良い。試合中における対応力の高さもこの2試合で見受けられた。

また先述の通り、投手陣をリードする甲斐の配球面に課題が残るため、安易なリードで先制点を許すことは避けていきたい。悲願の金メダルまであと3勝。チームとしての士気をここでもう一段高め、頂点を目指してほしい。

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