【名言集】光文社新書の「#コトバのチカラ」 vol.43
内田樹『街場のメディア論』
「読者は消費者である。それゆえ、できるだけ安く、できるだけ口当たりがよく、できるだけ知的負荷が少なく、刺激の多い娯楽を求めている」という読者を見下した設定そのものが今日の出版危機の本質的な原因ではないかと僕は思っています。
薬師院仁志『日本とフランス 二つの民主主義』
平等を最重要価値とする民主主義は、中央集権的統制と矛盾するものではない。むしろ、格差を調整するためには、集権の程度はともかく、全体を見渡して上から統括する公的システムが不可欠なのだ。もちろん、独裁と中央集権を混同することなど、論外である。
服部正『アウトサイダー・アート』
世の中がわかりやすいことばかりだと、きっと退屈してしまう。というか、そんな社会は薄っぺらいと思う。そもそも、わかりやすいことや聞き心地の良いことこそ、疑ってかかるべきなのだ。私は、アウトサイダー・アートからそのことを学んだ。
河本敏浩『名ばかり大学生』
塾にはできないが、小学校や中学校、高校にできることは学力の底上げである。これは目立たないが、極めて重要なことである。なぜならそういう手厚い教育を受けた子供は、学校を信じ、社会を信じ、そして大人になったときに子供を学校や勉強に積極的に関与させるだろうから。
夏井睦『患者よ、医者から逃げろ』
悪意より怖いのは、疑うことを知らない無批判な善意だ。十字軍の暴虐も魔女狩りもホロコーストも民族浄化も、根底にあるのは「教えの無謬性に対する絶対的信頼」であり、批判精神の欠如だ。疑うことを知らない無垢で無辜な底なしの善意だからこそ、この世を地獄に変えられたのだ。
内田東『ブランド広告』
ブランド広告に特別な定義はない。企業が発信する広告はすべてブランド広告だと言ってよい。広告は商品広告や企業広告などに分類されることがあるが、どんな広告もブランドづくりに貢献するブランド広告の傘の下に入る。
サンドラ・へフェリン『体育会系』
ブラック企業に限らないことですが、「しかるべき時に、しかるべき人に嫌われる」ということも人生において大事です。