坂本・岡本・丸のコアの2020年振り返りと2021年の展望
熱烈な巨人ファンで、多くの野球マニアや選手たちからフォローされるゴジキさん(@godziki_55)が巨人軍を分析。
昨シーズン、巨人のリーグ制覇に大きく貢献し揃ってベストナインを受賞した坂本・丸・岡本の「コア」。しかし彼らの実力からすれば物足りなさの残る成績でもありました。21年シーズンはどのような活躍が求められるのか。そして、彼らの前後を打つ選手には誰がふさわしいのでしょうか。
ベストナインを受賞するも求められるレベルには達しなかった2020年
巨人軍の主軸である坂本勇人・岡本和真・丸佳浩の3選手の2020年は、結果的にベストナインに輝いたものの、2019年と比較すると、安定感のなさが目立つシーズンとなった。特に坂本と丸はシーズン開幕直後は調整不足が露呈され、岡本が孤軍奮闘する結果となったが、その岡本もシーズンが進むにつれ調子を落とす時期がしばしばあった。
ただその後、8月下旬から9月にかけては3選手がそろって調子を上げていき、息を吹き返した。この時期に巨人がセ・リーグの他球団を突き放す主たる原動力になったのは間違いない。彼らコア3選手の調子がチーム状態に大きな影響を及ぼすことは自明である。
本調子ではなくてもセの他球団からすれば充分な脅威
昨シーズンは期待以上のパフォーマンスを残せなかったとはいえ、試合数が20試合ほど減少された中で77本塁打(坂本19本・岡本31本・丸27本)(※2019年は坂本40本・丸27本・岡本31本で計98本)を記録したコアは、他球団からすれば充分に脅威だったに違いない。他球団の打線のコアと比較しても、その実績は一目瞭然だ。
昨シーズンの成績を見ると、3割打者こそ不在ながらも、本塁打数はもちろんのこと、打点もリーグの中で圧倒的な数字を残していることがわかる。
今シーズンは、坂本・岡本・丸が並ぶ3年目になるが、ここ2シーズンと同様、彼らの調子がチーム状況と連動する可能性は高い。巨人のリーグ3連覇のためにも、他球団と比較して圧倒的な成績を残すことは必要不可欠だろう。
2019年のような2番坂本からの並びが理想型
昨シーズンに続き、今シーズンも打順の組み方は一つの鍵となる。昨年は松原聖弥が2番に座っていたが、一時期は調子を落とす場面もあった。結果的に松原が上手く適応していき、9月中旬から調子を取り戻したものの、今シーズンは得点のさらなる効率化をしていきたいところだ。
2番打者に松原のような「小回りが効く」イメージのある選手を置いた状態でもある程度勝ててしまっているので、変えづらい状況ではある。しかし、2019年のように2番打者からチームの主軸である坂本・岡本・丸を並べることによってチャンスでの巡り合わせも早くなり、昨年以上に得点を積み重ねられる可能性が高まり、楽な試合運びができるだろう。
さらに、将来のリターンを考えると、1番には昨シーズン初の規定打席に達した吉川尚輝を置くことや、パンチ力がありチームを勢いづける北村拓己を、制約のかからない下位打線で打たせることによって成長させていくことも必要だ。
コア3選手の後ろを任せられる打者は誰か
また、直近2シーズンを見る限り、坂本・丸・岡本の後ろを任される打者の重要性は高い。2019年は阿部慎之助やアレックス・ゲレーロ、大城卓三といった選手が5番に座り、各選手のタイプごとにバリエーションのある得点パターンを生み出していた。特に、阿部とゲレーロが揃った打線には火力があり、相手から見ても相当に嫌だったのは間違いない。
2020年は前述のようにコアの打順を一つ下げ、その後ろを中島裕之やゼラス・ウィーラーらが担い、状況によっては得点を生み出していた。しかし、2019年と比較すると火力不足だったのは否めない。
今シーズンは、新外国人のジャスティン・スモークやエリック・テームズといった、MLBで実績のある選手はもちろんのこと、昨シーズンDeNAでキャリアハイとなる打率.323 19本塁打 53打点 OPS.913を記録した梶谷隆幸などの新戦力を試しながら、一番合う打順を模索して多くの得点パターンを作り出していくことが重要だ。