東京五輪準決勝・韓国戦の振り返り&決勝・アメリカ戦へのポイント
熱烈な巨人ファンで、多くの野球マニアや選手たちからフォローされるゴジキさん(@godziki_55)。
東京五輪の野球も決勝戦を残すだけになりました。準決勝は宿敵韓国を制し、明日アメリカとの頂上決戦に臨みます。熱戦を振り返るとともに、最後の戦いの展開を予想します。
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ライバル韓国との準決勝は北京五輪の雪辱を果たす
東京五輪準決勝は北京五輪と同様、韓国との対戦となった。
北京五輪では2戦2敗を喫した相手だ。実はこの2試合ともに日本が2点をリードする展開だったが、この準決勝も似たような流れで進んだ。
日本は相手先発のサイドハンド、高永表を攻めたてる。3回、ノーアウト1,2塁の場面で山田哲人にバントをさせて1アウト2,3塁にすると、今大会好調をキープする坂本勇人の犠牲フライで先制。5回には吉田正尚がタイムリーを放ち2-0となった。3回のチャンスでは打力のある山田だったが先制点を確実なものとするためにバントをさせるなど、緻密なプレーが目立った。
先発の山本由伸は初回こそピンチを招いたが、多様な変化球をうまく使いながら要所を抑え、5回途中までしっかりと試合を作った。だが6回に1点を失うと、なおもピンチの場面で代わった2番手の岩崎優が金賢洙に同点タイムリーを許し、スコアは2-2の同点に。
追いついた韓国に流れが傾きつつあった中、光ったのが3番手の伊藤大海だ。2イニングをしっかり無失点に抑え、日本に再度流れを引き寄せた。伊藤はメキシコ戦のリリーフといい、東京五輪では普段慣れない中継ぎのポジションながら良い結果を残しており、素晴らしいの一言である。また、試合中に韓国からロジンの使用法についてクレームがあった中、精神的にも動じなかった点も評価したい。
伊藤が好投をしていた中、8回裏にに日本は柳田悠岐のヒットから韓国のバッテリーミスなどもあり、2死満塁のチャンスを作る。そこで打席に立つのは、プレミア12決勝の韓国戦で逆転スリーランを放った山田哲人。この場面でも勝利を決める走者一掃の勝ち越しツーベースを放ち、見事に5-2で勝利を収めた。
日替わりヒーローが生まれる短期決戦の強さ
この試合では、ここまで打撃自体の調子はよかった山田が試合を決める活躍を見せ、メキシコ戦と同様に勝利へ貢献した。この東京五輪の日本代表は、試合ごとに日替わりでヒーローが生まれているのが強みだ。
初戦ではドミニカ共和国のCCメルセデスに苦戦しながらも救援陣を攻略していき、最終的には坂本勇人がサヨナラタイムリーを放った。
2戦目のメキシコ戦では山田が3ランホームランを打つと、坂本がアベックホームランを放ち、さらに伊藤大海がリリーフとして完璧な投球を見せた。
準々決勝のアメリカ戦では、1点リードされた9回裏に浅村栄斗が繋いで柳田が同点となるセカンドゴロで追いつき、タイブレークに突入後は栗原陵矢が一球目でランナーをしっかりと送り、途中出場の甲斐拓也がサヨナラタイムリーを放った。
このように、各試合で選手たちがさまざまな働きを見せ、勝利をもぎとっている。決勝も、それぞれの役割を果たしながら、一歩ずつ勝利に近づけていってほしい。
オールプロとして初の金メダル獲得へ挑む決勝のアメリカ戦
決勝戦の相手はアメリカに決まった。アメリカもこれまでの試合で敗れたのは日本戦のみであり、今大会を通して実力的には決勝の相手として申し分ない。
おそらく、アメリカはソフトバンクでプレーをしているニック・マルティネスが先発すると予想される。マルティネスは韓国戦にも登板しており、先制を許しながらも勝ち投手になっている。どこまで点をとっていけるか注目したい。また、野手ではチーム内で唯一今大会の打率が3割を超えているタイラー・オースティンを抑えられるかも鍵である。
前回の試合では両国12安打と最後までわからない打ち合いとなったが、最後は日本が大技と小技を融合したバランスの良い野球でサヨナラ勝ちした。決勝は最終戦ということもあり、これまでのデータや傾向を超えた、鎬を削り合う総力戦になることは間違いない。前の対戦と同様、あるいはそれ以上の総力戦が予想されるが、準々決勝、準決勝と先制点を奪っている日本はいかに早い段階で先制できるかがポイントになるだろう。
東京五輪は一年の延期もあった中、田中将大や坂本勇人といった1988年世代の投打の核が揃い、メンバーのほとんどが10年近く日の丸を背負って戦ってきている。年代的なバランスなども含め、この大会は集大成の意味合いもあるだろう。また、野球はこの東京五輪を最後に再び正式競技から外れることが予想されており、自国開催で有終の美を飾る姿を見たいところである。最後にベースボールの母国アメリカに日本の野球を魅せつけ、念願の金メダルを獲得できることを願っている。