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#勝手に社内リレーPLAYBACK vol.77

光文社新書のTwitterで月〜金につぶやいている「#勝手に社内リレー」を厳選プレイバックしていくこちらの連載。光文社古典新訳文庫のツイートを受け、光文社新書が「勝手に」ひもづけて、あるいはこじつけて既刊本をご紹介していきます! 担当・田頭の「勝手な」ふり返り付き。

『海に住む少女』→『雲を愛する技術』

担当の自己採点★★★★ 表題作もすばらしいのですが、本書の最後に収録された3ページ程の掌編「牛乳のお椀」が味わい深いです。喪失に対して不合理ながらとらざるを得ない人間の行動……ぜひ読んでみてください。


『ゴルギアス』→『論より詭弁』

担当の自己採点★★★★ ゴルギアスは、プラトンが嫌いなソフィストの代表格ですね。ソフィストについてさらに知りたい向きには『プロタゴラス』を併せてどうぞ。同じソフィストでも、ゴルギアスとプロタゴラスの微妙な違いも面白いです。


『ヒューマン・コメディ』→『秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本』

担当の自己採点★★★ サローヤンは人生のほろ苦さを描かせたら本当にうまい人ですね。品切れ中なのが残念ですが、『ワン デイ イン ニューヨーク』(新潮文庫/ちくま文庫)は、人生に疲れたおとうさんには必ず刺さる話だと思います。


『千霊一霊物語』→『育児は仕事の役に立つ』

担当の自己採点★★★ その気になる大デュマの育児ですが、事実は明らかで、息子デュマの教育にお金はかけたものの、時間や愛情を注ぎ込んだとは言い難いものでした。多作で、精力的で、多分に山師的なキャラクターが同時代の友人でもあるバルザックと重なる印象もある人ですが、まあ納得という気がします。それにしても息子さん、グレずに、父と同じ領域で結果を残したのはお見事というほかありません。


『みずうみ/三色すみれ/人形使いのポーレ』→『ひとりフラぶら酒』

担当の自己採点★★★★ 大人がシュトルムを読んでジーンとくるのは、自分が「汚れつちまつた悲しみ」を実感して、無垢な日々に戻れないことを悟るからでしょうか。


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