【インタビュー】「巨人軍解体新書」連載開始!ゴジキ(@godziki_55)の考えるジャイアンツの魅力
野球好きのみなさまに朗報です。「本がすき。」「REAL SPORTS」など様々な媒体で巨人軍を中心に記事を執筆し、Twitterでも多くのフォロワーを抱えるゴジキ(@godziki_55)さんによる新連載がこのnoteで始まります!
タイトルは「巨人軍解体新書」。ファンもアンチも認める巨人の強さはどこから来ているのか。伝統、育成、それとも金……?
連載開始にあたって、ゴジキさん本人へのインタビューを敢行。巨人ファンになったきっかけやSNSへのスタンス、最近の巨人の注目点などお話を伺いました。
■巨人ファンになったのは「自然なこと」
―ゴジキさんが何者なのかよく知らない人も多いと思いますので、色々と聞かせてください。まずは、巨人ファンになったきっかけを。ご両親がファンだったんですか?
両親も特に巨人ファンではないですね。僕が自発的に好きになっていきました。
―そうなんですね。「なんとなく見ている」段階から「ファンになる」までの間に明確な境目はありましたか?
いや、気づいたらって感じですね。野球を好きになるきっかけが巨人だったので。夏は朝から夕方まで高校野球を見て、夜は巨人戦を見て。中学校あたりから部活が忙しくて徐々に見られなくなりましたけど。
―野球部だったんですか?
はい。小1から高3までやってました。今もたまに遊び程度でやっています。
―おぉ、ガッツリですね。本気で甲子園を目指してた?
一応目指してはいましたけど、実際のところ強い高校は決まっているので…。結構、現実主義なので(笑)、建前上はという感じです。それなりに真剣にはやってましたけど。中学生の時に「このレベル以上は無理だな」と察しました。
―選手としての相対的なピークはいつ頃でしょうか。
小学生の頃ですね。軟式だけど関東大会までいったんですよ。自分も選抜チームに選ばれたりして。その頃は素直に夢見てましたね。
―ちなみに、ポジションはどこでしたか?
キャッチャーです。夏はクソ暑くてやばかったですね。炎天下で球児をプレーさせるのは今も問題視されていますけど、個人的には(日程をうまく調整して)ナイターでやればいいじゃんって思ってます。
―甲子園の4試合目が長引くとナイターになることがありますが、あれはいいですよね。
あの雰囲気は僕も好きです。延長とか良い展開の試合になっていき、ライトがついて。極端な話ですが、このまま炎天下の試合が続くと死者が出てもおかしくないですし。
―ちなみに、ずっとキャッチャーをやってたんですか?
小学生の時は色々やらされてましたね。うまいやつはピッチャー、キャッチャー、ショート。プロで活躍する人も大体はピッチャーやショート出身で、後から外野手になってますね。
最初はピッチャーをやってたんですけど、キャッチャーの子が転校しちゃって。監督から「お前、できるだろ?」と言われ…。最終的にはショートかキャッチャーかの二択を迫られた時に「ノックいやだなー」と思ってキャッチャーになりました。
―中学野球でもキャッチャーは配球、リードを考えるものでしょうか。
(下位打線や細身な打者は)ほぼほぼストレートで押していきますね。上位打線が相手なら変化球を混ぜますけど。高校野球はもっと丁寧にやる感じです。
―そういうのを考えるのは結構好きだったんですか?
そうですね、なんだかんだで(笑)
■王道スターが好きだけど、今の巨人は「裏ローテ」も面白い
―中高生の頃は部活も忙しかったと思いますが、どれくらい野球を見てましたか?
意外と減っていなかったかも。帰りの電車の中で端末などで見たりしてました。それでも3回表くらいから見れますし。
―今はどんなスタイルで見てますか?
DAZNとかで見てます。土日はデイゲーム見てからナイターって感じです。やっぱり初回は試合の入り方とか気になりますね。
―つけっぱなしでTwitterやりつつ、という感じでしょうか。
実は、原稿の仕事が増えてからツイートはちょっと減ってますね。記事のネタにしたいなーとか思って。
―例えば巨人の先発が微妙な投手で、ほかのカードで千賀滉大(ソフトバンク)や山本由伸(オリックス)が投げてたりしたら、どっちを見ますか?
山本のほうを見たい気はありますけど(笑)、一応巨人戦を見ますよ。
ただ、今の巨人って裏ローテでも楽しく見られるレベルの投手が多い。たとえば1軍に上がってきたメルセデスとか直江、畠、今なら今村とか。
―菅野が先発してる試合以外もちゃんと見ると面白いんですね。ちなみに、巨人以外に気になるチームはありますか?
ベタですけど、巨人以外ならソフトバンクですね。野球を始めた時にホークスがずっと強かったので。タレント性もありましたし。ダイエー時代の井口、松中、城島……。
―100打点カルテットの時代。
巨人もホークスも、日本シリーズに出られない時期が続いて、そこから安定して強いですね。
―選手では誰がアイドルでしたか?
やっぱり、松井秀喜ですね……!(笑)
あとは阿部、高橋由伸とか。由伸は怪我の離脱とかもあったので「チームの軸」というイメージではなかったですけど。
―現役だと誰がいいですか?
坂本、菅野ですね。それと、岡本にはもうちょっと頑張ってほしい。
ゴジキさん私物の坂本のユニフォーム。坂本への愛は相当強いとのこと。
―他球団だと誰かいますか?
柳田、鈴木誠也……。
―失礼ですが、ものすごくベタですね(笑)いわゆる「王道スター」が好きなんですね。
若手だと(巨人なら)戸郷、あとは大江や太田龍、(フォローもしてくれた)ヤクルトの長谷川宙輝や中日の郡司などもいいですね。
―今のタイミングで「戸郷がいい」って言うと普通に感じますけど、ゴジキさんは彼がブレイクするだいぶ前から言ってましたよね。
そうなんですよ!コラム書く時も戸郷の話はほぼ毎回している。
高卒2年目で大事に扱われつつも頑張ってますね。
■Twitterで発信し始めてから記事を書くようになるまで
―今や14,000人以上のフォロワーを抱えていますが、Twitterはいつから始めたんですか?
2013年頃です。ただその時は忙しかったので、本格的に発信していったのは2015年から。たしかプレミア12が開催されていて、それについてつぶやいてました。日本シリーズはソフトバンク柳田対ヤクルト山田の「トリプルスリー対決」の時です。
―ゴジキさんは「お股クラスタ」としても知られてますが、クラスタの中で会ったことのある人はいますか?
※「お股クラスタ」……『セイバーメトリクスの落とし穴』などの著書を持つお股ニキ氏(@omatacom)をはじめとした、Twitterを中心に専門性の高い考察を発信する集団。
それが、いないんですよ(笑)ただの野球好き同士です。やり取りができればいいですし、今の時代っぽいですよね。ただ、皆さんの知識の豊富さや巨人の坂本のようにいい意味でゆるいところなどを尊敬しています。
―プロ選手からのフォローも増えてますか?
はい。昨年の今頃にある選手からフォローされて、そこから少しずつ増えていきましたね。
―別にフォロワーを増やしたいとかそこからアフィリエイトやりたいとかではなく、完全に好きなことを書いてるだけなのがいいんでしょうね。
だから自己紹介文にも「自己満です」と書いてます。クソリプは少ないけど、エアリプは多いです(笑) 明らかに同一人物が捨てアカ作ってつぶやいてたりしますね。
―そこから「本がすき。」「REAL SPORTS」などで記事を書くようになったわけですが、執筆を始めたことによる変化はありますか?
ありがたいことに色々な依頼を受けるようになって、ネタが重なってきちゃいましたね。とはいえ媒体ごとに求められるものは違うので、そこにあわせて切り口を考えて、オリジナリティを出すようにしています。
■プロ・アマ問わず絶対に欠かせないのは「選手へのリスペクト」
―テレビだけではなく、スタジアムでも観戦しますか? 今はコロナの影響で減っているかもしれませんが。
東京ドームはよく行きますよ。個人的には静かに試合を見る派です。なので、今は快適かもしれません。初期の国際大会やメジャーリーグのように「応援なし」で試合を見ていたいですね。高校野球の応援なんかは好きですけど。
―吹奏楽とかすごいですもんね。ゴジキさんは巨人だけではなく高校野球にも精通していますが、いつから見てたんですか?
巨人と同じで、小さい頃から今までずっと見てますね。
―単純なレベルではプロ野球より劣るわけですが、どういう視点で観戦しているんですか?
高校野球でもプロに近いクオリティの選手やチームが見られることもありますよ。わかりやすい例だと2017年の大阪桐蔭対履正社とか、対秀岳館とか。高校生なのにあれだけ劣勢でも焦らない大阪桐蔭はすごい。
―メンタリティが違うんですね。
ノーアウト満塁のピンチや負けている場面でも平然とプレーしているのが半端ないです。普通の高校生なら押し出ししちゃう。
―今の選手ってすごいですよね。人間的に成熟していたり、頭を使った野球ができたり。
プロの選手でも例えば鈴木誠也は色々な練習方法を取り入れてるそうですし、あと大谷翔平はインタビューの受け答えなどを含めて完璧に近い選手ですよね。柳田も細かくフォーム改良をしてこの前の走塁もすごかったですし。
あとは菅野がめちゃくちゃすごいです。
―菅野は具体的にどのあたりがすごいんですか?
練習に対する意識もですけど、コロナ禍の際に球団が上げたこの動画がすごいです。1キロ単位で球速をコントロールできるんですよ。
自分の身体のことや投げ方をよくわかっているし、それを仕上げられるのが本当にすさまじい。あとは戸郷もすごいです。前の試合で浮かんできた課題を次の試合ですぐに改善してくる。
―PDCAを回せているんですね。
それを高卒2年目でできるのが素晴らしい。
―昔なら一流の素材でも不摂生したり反抗的な態度をとったり、その域に達するまで早くても5、6年はかかりましたからね。
完成度が高くなるほど菅野のような「負けない投手」になるイメージです。2013年の田中将大も。田中の場合、投げてる球の質自体は2011年のほうが上でしたけど、13年はそれ以上に「負けないすごみ」があった。お股ニキさんの著書『セイバーメトリクスの落とし穴』で「8割の力感」というキーワードがありますけど、それですね。菅野や田中、ダルビッシュは若手の頃からいい意味で「手を抜いている」んですよね。もちろん、その上で抑えている。
この前も菅野は中5日で阪神戦に登板して1-0で完封勝利しましたね(8月18日)。その時のコメントが本当にすごい。「中5日でへこたれたらピッチャーなんてできませんよ」と。正直、中5日で9回まで投げるのはキツイんですよ。それでもああいう発言をできるくらいの自信と実力。自らハードルを上げて、結果を残す。それに触発されて他のピッチャーも頑張る。
―ゴジキさんは試合以外の、ヒーローインタビューの発言やスポーツ紙の取材なんかもよく見ているんですね。
はい。いい選手、いい監督ってやっぱり印象に残る発言をするなと感じます。イチローの引退会見だって、誰しもの印象に残ったと思うんですよ。言語化能力も高いし、その言葉は野球が好きでない人にも突き刺さりますよね。
この後も原采配の魅力や対パリーグの展望、電撃トレードしたあの選手について……などなど、巨人軍をめぐるあれこれをたっぷり聞かせていただきました。今後の連載で少しずつ書いていただきますので、乞うご期待ください!