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【名言集】光文社新書の「#コトバのチカラ」 vol.1

ページをめくっていると、何度も読み返したくなる一節に出会うことがあります。それは時に、その一冊を凝縮したかような力をもった言葉になるもの。この連載では、光文社新書のラインナップの中から選りすぐりの「一節」をご紹介していきます。

木原善彦『アイロニーはなぜ伝わるのか?』

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結局、アイロニーとは極小の虚構であり、語り手と聞き手との間で交わされる一種のごっこ遊びなのかもしれません。きっと人間は生来、ごっこ遊びが好きなのです。


石黒圭『段落論』

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引っ越しの小物を段ボール箱に入れて積みこむように、文もまた段落という箱に入れて読み手の頭に積みこむ必要があるわけです。段落がしっかりした構成でわかりやすく文章の内容を伝えられる理由が、ここにあります。


白洲信哉『美を見極める力』

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ほとんどの古美術は、消費対象ではない。僕らは時代の「一時預かり人」として、前時代からのモノたちを、次世代へバトンを渡す役割を担っている。


広瀬和生『21世紀落語史』

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落語は大衆芸能であり同時代人のためのエンターテインメント。「古典芸能」などと殊更にありがたがる必要はない。映画にも演劇にも漫画にも音楽にも駄作があるように、つまらない落語家はいっぱいいる。大衆は「面白いもの」だけを選べばいい。


伊藤公一朗『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』

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問題なのは、怪しい分析結果に基づく単なる相関関係が「あたかも因果関係のように」主張され、気をつけないと読者も頭の中で因果関係だと理解してしまっていることが多いという点です。


許光俊『世界最高のクラシック』

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本当にどれが最高かは、わかりっこない。決めようがない。万人が納得する答など、あり得ない。しかし、「世界最高」を問う中には、最高とは何なのか、さらなる可能性はないのか、といった絶えざる反省がある。


輪島裕介『創られた「日本の心」神話』

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「演歌」とは、「過去のレコード歌謡』を一定の仕方で選択的に包摂するための言説装置、つまり「日本的・伝統的な大衆音楽」というものを作り出すための「語り方」であり「仕掛け」であった、ということです。




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