「強運」のリーダーは、チームにも「強運」を呼び込む――田坂広志著『運気を引き寄せるリーダー 七つの心得』より
光文社新書編集部の三宅です。
多くの読者から「人生観が変わった!」「生き方が変わった!」との声が寄せられた衝撃的な著作『運気を磨く』(現在、紙と電子版合わせて14万部)の続編が刊行されました。タイトルは『運気を引き寄せるリーダー 七つの心得 – 危機を好機に変える力とは』。
現在進行中のコロナ危機において、経営者や様々な立場のリーダーの方々は、これを乗り越えるために悪戦苦闘されてきたことでしょう。本書は、そうした方々に向けた著者渾身のメッセージです。
タイトルの「リーダー」という言葉を見て、自分は無関係と思った方もいるかもしれません。しかしそれはあまりにももったいない。なぜなら、我々は誰もが自分の人生を導くリーダーだからです。
本書はコロナ禍を生きる全ての方々に向けて、ピンチをチャンスに変える方法論を記した一冊とも言えます。
本記事では、『運気を引き寄せるリーダー 七つの心得』から目次、序話、第一話を公開します。さらに内容が気になりましたら、ぜひ本書で続きをお読みください。
上は前作『運気を磨く』から、「量子真空」と「ゼロ・ポイント・フィールド」について抜粋した記事です。これをさらに深めた内容を、新刊『運気を引き寄せるリーダー』では読むことができます。
それでは、まずは目次からご覧ください。
運気を引き寄せるリーダー 七つの心得 – 危機を好機に変える力とは
目 次
序 話 二一世紀の「新たな運気論」
その五つの特長
第一話 危機や逆境において、
リーダーに求められる「究極の力」
第二話 「運も実力のうち」という無条件の覚悟が、
運気を引き寄せる
第三話 「強運」のリーダーは、
メンバーやチームにも「強運」を呼び込む
第四話 人生において「良い運気」を引き寄せる、
古今東西、唯一の方法
第五話 なぜ、その唯一の方法を実行しても、
運気が向上しないのか
第六話 「肯定的な想念」を持つのではなく、
「絶対肯定の想念」を持つ
第七話 「多重人格のマネジメント」が、
良い運気を引き寄せる
第八話 なぜ、「死」を直視した人間が、
「強運」になるのか
第九話 「強運」のリーダーを育てる、
三つの「生死の体験」
第一〇話 「明日、死ぬ」という修行で開花する
「秘められた力」
第一一話 いかなる危機も逆境も肯定できる
「絶対の信」とは何か
第一二話 歴史を変えたリーダーの誰もが、
無条件に信じていたもの
第一三話 最先端の量子科学が解き明かす
「大いなる何か」の神秘
第一四話 「大いなる何か」の正体は、
量子真空の「ゼロ・ポイント・フィールド」
第一五話 我々の人生を導いているのは、
実は、我々の心の奥深くの「真我」
第一六話 どうすれば、メンバーやチームに
「強運」を呼び込めるのか
第一七話 「強運」のリーダーは、
「言葉以外」でメンバーに語りかける
第一八話 リーダーとメンバーは、
「無意識の世界」で対話をしている
第一九話 なぜ、「使命感」や「志」を語るリーダーは、
強運なのか
第二〇話 「大いなる何か」は、
「逆境」を通じて我々の人生を導く
第二一話 人生の「幸運」は、
「不運」の姿をしてやってくる
第二二話 なぜ、人生の転機は、
「不思議な偶然」によって導かれるのか
第二三話 強運の人間は、
「大いなる何か」が囁く「小さな声」に気づく
第二四話 「大いなる何か」の声に耳を傾ける
「賢明なもう一人の自分」
第二五話 心を浄化し、「絶対肯定の想念」を生み出す
「三つの技法」
第二六話 最も短く、最も効果的な
「心の陽転技法」とは何か
第二七話 瞬時に「絶対肯定の想念」を生み出す
「祈りの技法」
第二八話 いかにして「全託の祈り」を、
日々、実行するか
第二九話 「祈り」によって開花する、
秘められた「七つの力」
第三〇話 なぜ、「感謝の祈り」が、
不思議な運気を引き寄せるのか
終 話 二一世紀の「新たな運気論」では、
「運気」という言葉が消えていく
序話 二一世紀の「新たな運気論」その五つの特長
いま、この『運気を引き寄せるリーダー』という本を手に取られた、あなた。
あなたは、いま、こう思われているのではないだろうか。
「『運気』について語った本は、書店に溢れている。
この本は、そうした類書と、何が違うのだろうか?」
もし、あなたが、その疑問を抱かれているならば、筆者として、謙虚に、しかし、明確に、こう申し上げたい。
この本は、これまで世の中に上梓された、数多くの「運気論」の本とは、根本的に違った思想の本である。
その違いを、敢えて一言で述べるならば、この本で述べられている「運気論」は、
二一世紀の「新たな運気論」
とでも呼ぶべきものである。
言葉を換えれば、「従来の運気論」は、「神秘的運気論」とでも呼ぶべきものであった。
すなわち、「従来の運気論」では、「運気」というものに関して、どうすれば、それを引き寄せることができるのかについては、多くのことが語られているが、では、そもそも、なぜ、「運気」と呼ばれるものが存在するのかについては、明確な説明をしてこなかった。
いや、できなかったと言うべきであろう。なぜなら、それを敢えて説明しようとするならば、「神」「仏」「天」、さらには「霊界」といった「神秘的存在」を仮定しなければならなかったからである。
しかし、この「新たな運気論」は、そうした「神秘的存在」を仮定せず、あくまでも、最先端の科学的理論に基づいて、この「運気」というものの存在を説明しようとする思想である。
そして、この「新たな運気論」は、「従来の運気論」とは、いくつかの点で異なった特長を持つものである。それを、筆者は、「新たな運気論」の五つの特長と称しているが、本書の冒頭、その特長を簡単に述べておこう。
第一の特長 / 最先端の量子科学
いま述べたように、「従来の運気論」が、何らかの「神秘的存在」を前提として論じられているのに対して、この「新たな運気論」は、最先端の量子科学や量子脳理論に基づいて、なぜ、「運気」と呼ばれるものが存在するのかを、科学的仮説として説明している。
第二の特長 / 最前線の超個心理学
「従来の運気論」が、フロイト心理学などが想定する「潜在意識」や「無意識」の世界を前提として論じられているのに対して、この「新たな運気論」は、心理学の最前線のトランスパーソナル心理学(超個心理学)に基づいた「超個的無意識」や「超時空的無意識」の世界を視野に入れて「運気」というものを論じている。
第三の特長 / 心の浄化の具体的技法
「従来の運気論」は、運気を引き寄せるために、心の中に「ポジティブな想念」を刷り込むことの大切さを述べているが、この「新たな運気論」は、むしろ、心の奥深くにある「ネガティブな想念」を浄化することの大切さを述べ、その具体的技法を論じている。
第四の特長 / 深い人生観と死生観
「従来の運気論」は、運気を引き寄せるために、「前向きな発想」を持つことの大切さを述べているが、この「新たな運気論」は、人生において、死生観や逆境観、使命感といった「深い思想と覚悟」を定めることの大切さを述べ、その具体的技法を論じている。
第五の特長 / 科学的技法としての祈り
「従来の運気論」は、運気を引き寄せるために、「瞑想」の技法などを用いて、心を静めることの大切さを述べているが、この「新たな運気論」では、忙しい現代人でも、瞬時に深い心的状態に入ることのできる技法として、「祈り」の技法の大切さを述べ、その具体的技法を論じている。これは、従来の「宗教的技法としての祈り」ではなく、「科学的技法としての祈り」と呼ぶべきものである。
以上が、本書で述べる「新たな運気論」の五つの特長であるが、もし、あなたが、この説明で分かりにくいと感じられたならば、次話から始まる、三〇の話をお読み頂きたい。
この五つの特長について、著名人の様々なエピソードや著者の体験を交え、また、最先端の科学理論や最前線の心理学の噛み砕いた解説をしながら、分かりやすく説明している。
それゆえ、もし、あなたが、「従来の運気論」に関する書物を読まれて、次のような疑問を抱かれているのであれば、その答えを、本書の中に見出されるだろう。
「運気」というものに、科学的根拠は無いのだろうか?
色々な本で語られている「潜在意識」や「無意識」のさらに奥には、何があるのか?
心に「ポジティブな想念」を持とうと思っても、なぜ、なかなか、それができないのか?
人生に対して「前向きな発想」を持とうと思っても、なぜ、それが、難しいのか?
心を静めるために「瞑想」を行っても、なぜ、なかなか心が静まらないのか?
最後に、本書のタイトルには「運気を引き寄せるリーダー」とあるが、本書は、決して、経営者やリーダーだけに、読者を限定したものではない。
本書で述べる「リーダーの心得」は、企業や職場で人々を導く「リーダー」の立場に無い読者にも、必ず、役に立つだろう。
なぜなら、我々は、誰もが、自分の人生を導く「リーダー」なのだから。
そのことを述べて、早速、本題に入っていこう。
第一話 危機や逆境において、リーダーに求められる「究極の力」
さて、この『運気を引き寄せるリーダー』という本を手に取られた、あなた。
あなたは、なぜ、この本を手に取られたのだろうか。
もしかすると、あなたは、二〇二〇年から日本中、世界中の人々を混乱と逆境に陥れたコロナ危機のさなか、一つのチームや組織、一つの企業や団体を預かる立場のリーダーや経営者として、いかにして、この危機と逆境を超えるかについて、思い悩まれているのだろうか。
もしかすると、あなたは、それ以外の危機や逆境の中で、リーダーや経営者として、いかに処すべきかについて、思い悩まれているのかもしれない。
しかし、この本のタイトルに記されているのは、「運気を引き寄せる」という言葉。
この「運気」という言葉を掲げた本書を手にされたあなたは、目の前の危機や逆境に対して、すでに、様々な打開策や解決策を考えられ、色々な方法や方策を検討されているのだろう。そして、おそらく、それでも良い解決策や方策を見出すことができず、そうした「合理的解決策」が手詰まりになった状況で、それ以上の「何かの力」を求め、本書のタイトルの「運気」という言葉が目に入られたのではないだろうか。
もし、そうであるならば、筆者として、最初に申し上げたい。
本書を通じてのあなたとのご縁に、深く感謝を申し上げたい。
なぜなら、筆者もまた、一人のリーダーとして、一人の経営者として、過去に様々な危機と逆境の体験が与えられ、その体験を通じて、この「運気」というものの存在に目を開かれ、この「運気」と呼ばれるものを引き寄せる「心得」や「心構え」、「心の技法」を学び、身につけてきたからである。
ただし、こう述べる筆者は、決して、何かの宗教団体の人間でも、神秘主義的な思想の持主でもない。
前著『運気を磨く−心を浄化する三つの技法』(光文社新書)でも述べたように、筆者は、二九歳まで大学で研究者の道を歩み、原子力工学の分野で工学博士の学位を得た人間であり、本来、科学的思考の訓練を受け、唯物論的な思想を持っていた人間である。
しかし、その人間が、三〇歳にして実社会に出て、永年、ビジネスと経営の道を歩み、一つの職場のリーダーとして、また、一つの企業の経営者として、様々な危機と逆境を体験してきた結果、六〇歳を越えて辿り着いたのが、この「運気」というものの存在を認める人生観であり、この「運気」に処するための実践的な心得である。
筆者は、そうした体験を踏まえ、現在、国内外から約七〇〇〇名の塾生が参加する「田坂塾」の場でも、危機や逆境において「運気を引き寄せるリーダー」となるための心得を語っているが、本書においては、その神髄を「七つの心得」として語ろう。
この危機や逆境という意味では、特に、本書を上梓する二〇二一年四月は、昨年から日本中、世界中を覆ったコロナ危機が、いまだ完全な終息が見通せておらず、いつ終わるか分からない混乱と逆境の中で、世界中の人々が、その生活や仕事において、耐えがたい苦労や困難を強いられている。そして、企業の経営者や組織のリーダーは、社員やメンバーの人生を預かる重責の中、泥沼を歩むような悪戦苦闘を余儀なくされている。
では、こうした危機や逆境において、経営者やリーダーに求められるものは、何か。
もとより、こうした状況において、経営者やリーダーには、判断力や決断力、指導力や実行力など、様々な力が求められるが、それらの力の中でも「究極の力」と呼ぶべきものがある。
それが「運気を引き寄せる力」である。
では、そもそも「運気を引き寄せる力」とは、何か。
この「運気」には、「良い運気」と「悪い運気」があるが、本書で述べる「運気を引き寄せるリーダー」とは、当然、「良い運気を引き寄せるリーダー」を意味している。
しかし、「運気を引き寄せる」と言っても、目の前の危機が、突然消えるわけではない。直面している逆境が、魔法のように消えるわけではない。
「運気を引き寄せる力」とは、まず第一に、「危機」というものを「好機」に変える力である。また、「逆境」というものを、「追い風」に変える力である。世に「ピンチは、チャンス」という言葉があるが、それを見事に体現する力のことである。
実際、二〇二〇年に始まった世界的なコロナ危機においては、一年を超えて続く先の見えない危機のなか、多くの経営者やリーダーが大変な苦労をされているが、それでも、次のような感懐を述べられる経営者やリーダーは、決して少なくない。
「コロナ禍は大変な危機だが、
この危機の中で、社員の心が一つになった」
「こうした危機の中で、
多くのお客様が、当社に心を寄せて助けてくれた」
「この危機の中で、メンバーは悪戦苦闘しているが、
一人一人が、確実に成長している」
「前例の無い難題に直面する日々だが、
社員の中から、解決の叡智が湧き上がってきた」
もし、あなたの周りで、そうしたことが起こっているのであれば、それは、あなたのチームや組織で、企業や団体で、この「危機」を「好機」に変える兆しが生まれているのであろう。
そして、それは、経営者やリーダーである、あなたが、「運気を引き寄せる力」を発揮し始めている証左であろう。
しかし、もし、あなたが、一人の経営者やリーダーとして、本当に「運気を引き寄せる力」を身につけたならば、いま述べた「兆し」を超え、様々な「不思議なこと」が起こるだろう。
それは、例えば、次のような感懐を述べたくなるようなことである。
「この最悪の危機において、
なぜ、この絶妙のタイミングで、
この有り難い出来事が起こったのか?」
「この厳しい逆境において、
なぜ、天の配剤とでも呼ぶべき形で、
この有り難い出会いが与えられたのか?」
「この大変な状況において、
なぜ、最も欲しかった情報が、
こうした偶然の形で与えられたのか?」
「この追い詰められた場面で、
なぜ、進むべき道を教える直観が、
天啓のごとく閃いたのか?」
「運気を引き寄せる力」とは、まさに、そうした「幸運な出来事」や「幸運な出会い」、「必要な情報」や「必要な直観」を引き寄せる力である。
では、なぜ、筆者は、経営者やリーダーの「究極の力」とは、「運気を引き寄せる力」であると確言するのか。
それは、筆者が歩んできた、四〇年余りの仕事の体験からである。
(この記事了)
続きは本書をお読みください。
14万部の前作『運気を磨く』はこちら。