ゴジキが振り返る2021年シーズンの巨人軍【5月】(野手編)
熱烈な巨人ファンで、多くの野球マニアや選手たちからフォローされるゴジキさん(@godziki_55)が巨人軍を分析。
2021年シーズンの5月、絶好調の阪神に離されまいと食らいつく月になりました。まずは野手陣からこの1カ月強の通信簿をお送りします。
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チームリーダー坂本勇人が離脱した穴
5月上旬にチームリーダーである坂本勇人が離脱した。
この坂本の離脱は当然だが、攻守に渡り大きな影響を与えているように思う。チームにおける打力の低下も大きいが、毎試合グラウンドに立つ野手の中にチームを牽引する選手がいないことは、かなりの痛手だ。
特に、交流戦前の5月14日〜16日の阪神戦は坂本不在の穴が顕著に見られていたのではないだろうか。この首位攻防のカードは、3連戦全てが接戦となったが、小さなミスの差はもちろんのこと、頼れる兄貴分的な存在が不在の中で、あと一押しの勢いが不足したことは否めない。
復調の兆しを見せる主砲・岡本和真と外国人コンビ
一方、明るい材料もある。キャンプからなかなか調子が上がらなかった岡本和真が復調の兆しを見せていることだ。5月から本塁打が増え始めており、現在は本塁打と打点でリーグトップを走る(6/2終了時点)。
この状態でさらに調子を上げていき、離脱中の坂本や不調の丸を上手くカバーできれば理想的だ。坂本の次なる生え抜きスター候補でもある岡本が、2018年のような打撃の安定感や、昨シーズン冒頭に見せた圧倒的な姿を戻せば、非常に頼もしくなるのは確かだ。
ジャスティン・スモークとゼラス・ウィーラーの外国人コンビも非常に頼もしい存在だ。特にウィーラーは、一時期はコロナで離脱していたものの開幕から好調を維持しており、現在は2番に座りチームを引っ張っている。
スモークは昨シーズンの打線の課題でもあった火力不足を埋めつつある。長打を放つ場面もあり、しかもいい場面で打っているのが特徴的だ。タイプが異なる外国人の両選手が良好なバランスを保っているメリットは大きい。
離脱者続出も層の厚さでカバー
4月には丸佳浩が離脱し、5月には坂本や梶谷隆幸が離脱したが、それでもなんとか首位阪神の後ろを追い続けられるのは原巨人だからこそと言える。
離脱者をカバーできるだけの選手層の厚さは間違いなくある。巨人軍の野手陣は打力の高さはもちろんのこと、各選手がユーティリティ性も兼ね備えているのが強みだろう。
中でも挙げたいのが、香月一也と廣岡大志だ。彼らは打力もあるが、守備面でもユーティリティ性のある選手だ。そのことから、坂本以外の選手にアクシデントがあった際にもすぐにリカバリーできる強さがあるだろう。
また、波はあるものの吉川尚輝が調子を上げてきたことも大きい。開幕当初は、オープン戦で好調だった若林晃弘がスタメンを張っていたが、センターラインとして守るには不安定な守備が目立つ若林よりも、吉川尚輝がいた方が間違いなくいいだろう。
層の厚さは間違いなくある巨人軍だが、野手陣の運用法を改善するだけでも、さらに戦い方は楽になっていくのではないだろうか。坂本と梶谷が復帰して丸が復調するまで、阪神とは最大でも4.5ゲーム差までにとどめておきたいところだ。