【名言集】光文社新書の「#コトバのチカラ」 vol.5
内田樹『修業論』
天才とは、自分がしているルーティンの意味を修業の早い段階で悟り、それゆえ、傍から見ると「同じことの繰り返し」のように見える稽古のうちに、日々発見と驚きと感動を経験できる人のことである。
岡嶋裕史『プログラミング教育はいらない』
誰も考えもしなかったような突飛なアイデアは、やはり誰にも求められていないことが多い。ビジネスとして成功するのは、「みんな欲しいと思っていたけど、実現は不可能だと考えられていた」程度のアイデアであることが多いのである。
岡田尊司『死に至る病』
漱石の生涯は、まさに愛着障害という「死に至る病」との戦いに明け暮れたものだともいえた。その戦いの中で、彼は優れた文学作品を生み出した。それは彼が正気で生き続けるために必要な営みであり、安全基地だったのか。
市橋伯一『協力と裏切りの生命進化史』
ヒトは協力することで生き延びてきたという歴史もあります。その結果、ヒトは周りの人と仲良くないと不安になる習性があります。だからこそ嫌われたり、仲間内に嫌なやつがいることが耐え難いわけです。
斗鬼正一『頭が良くなる文化人類学』
正式な顔となると、ある時点で切り取り、感情を排除し、正面、横など、決められた角度から見た顔などと決め、それも政府の思惑で変えてしまったりする。
つまり私たちは、人の顔、自分の顔を、自分の目で見て認識しているつもりでいても、実は文化によって決められ、与えられている。
小林泰三『誤解だらけの日本美術』
私は「わびさび」は、時間の経過と深い関係があると思っている。見たままの「渋い」「枯れている」という時の一点ではなく、「渋くなるまで」「枯れるまで」の経年変化が重要なのではないか。
宮津大輔『アート×テクノロジーの時代』
専門家による分業体制では、新しい時代のものづくりにはとうてい対応し切れなくなっています。なぜなら、現代のものづくりでは、デザイン的な視点で技術を見て、技術的な視点からデザインを考える必要が生じているからです。